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第一章 こちふかば
24 一人前未満の判定
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ヨーコさんおすすめのお店は、サンドイッチやワッフル、キッシュなどの軽食にスープと紅茶がつくランチセットがあった。
ヨーコさんと私はワッフル、神崎さんはキッシュのセットを頼む。
頼んだものを待つ間、店をキョロキョロ見回した。
「基本は紅茶屋さんですか?」
「せやな。うちが就職した頃にできて、入れ方教えてくれたりもするさかい、何度かワークショップに参加したわ」
「ははぁ」
紅茶を習うという発想がなかったので、ついつい感心してしまう。
子どもの頃の習い事だけでなく、大人になってからも私とは縁遠い世界を経験しているヨーコさんと、こうして仲良くしている不思議。神崎さんがへぇと勉強会のチラシに目を留めていた。
「紅茶か、いいっすね。今度は名取さんに紅茶教えてもらうかな」
その言葉に、ヨーコさんは微笑む。
「マーシーはコーヒー党やろ」
「どちらかというとそうですけど、紅茶も緑茶も飲みますよ」
「緑茶」
思い出すことがあり、ぷぷっと噴き出す。
「何だよ」
「いやー、緑茶の入れ方が上手いって誉めて、気に入られてたなぁって。会長夫人」
「そうだっけ?でも旨かったよな、あそこのお茶」
会長とは、福岡で神崎さんがお孫さんにバスケを教えた取引先の代表のことだ。接待をしたのは夫人だったが、温くて甘い緑茶は確かに美味しかった。
「お茶の味はいれ方によって変わるなぁ。マーシーのコーヒー飲んでほんまそう思ったわ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね」
二人の会話に首を傾げた。
「神崎さん、コーヒーいれるんですか?ドリップってこと?」
「アキちゃんは飲んだことない?」
「ないです。上手いんですか?でもヨーコさん、コーヒー飲むイメージないですけど……」
私の問いに、ヨーコさんが微笑む。
「うち、基本はコーヒー苦手やさかい。でも、マーシーが煎れたコーヒーだけは飲めるんや」
「調子に乗りますよ、そんなこと言われると」
神崎さんは珍しく素直に喜んでいる。なるほどね、容姿を誉められるのは耳タコだけど、こういうのは嬉しいわけね。
「へぇ~。私もあんまりコーヒー得意じゃないけど、神崎さんにいれてもらえたら美味しいと思えるかなぁ」
期待の眼差しを向けると、神崎さんはふんと鼻を鳴らした。
「江原にゃまだ早い」
「何ですと!?」
「まあ、そうだなぁ」
神崎さんはにやりとしながら片肘で頬杖をつき、
「お前が一人前になったら、煎れてやるよ」
「なにぃー!?」
今はまだ一人前じゃないっていうのか!と私が憤慨したとき、店員さんが注文の品を持ってきてくれた。
ヨーコさんと私はワッフル、神崎さんはキッシュのセットを頼む。
頼んだものを待つ間、店をキョロキョロ見回した。
「基本は紅茶屋さんですか?」
「せやな。うちが就職した頃にできて、入れ方教えてくれたりもするさかい、何度かワークショップに参加したわ」
「ははぁ」
紅茶を習うという発想がなかったので、ついつい感心してしまう。
子どもの頃の習い事だけでなく、大人になってからも私とは縁遠い世界を経験しているヨーコさんと、こうして仲良くしている不思議。神崎さんがへぇと勉強会のチラシに目を留めていた。
「紅茶か、いいっすね。今度は名取さんに紅茶教えてもらうかな」
その言葉に、ヨーコさんは微笑む。
「マーシーはコーヒー党やろ」
「どちらかというとそうですけど、紅茶も緑茶も飲みますよ」
「緑茶」
思い出すことがあり、ぷぷっと噴き出す。
「何だよ」
「いやー、緑茶の入れ方が上手いって誉めて、気に入られてたなぁって。会長夫人」
「そうだっけ?でも旨かったよな、あそこのお茶」
会長とは、福岡で神崎さんがお孫さんにバスケを教えた取引先の代表のことだ。接待をしたのは夫人だったが、温くて甘い緑茶は確かに美味しかった。
「お茶の味はいれ方によって変わるなぁ。マーシーのコーヒー飲んでほんまそう思ったわ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね」
二人の会話に首を傾げた。
「神崎さん、コーヒーいれるんですか?ドリップってこと?」
「アキちゃんは飲んだことない?」
「ないです。上手いんですか?でもヨーコさん、コーヒー飲むイメージないですけど……」
私の問いに、ヨーコさんが微笑む。
「うち、基本はコーヒー苦手やさかい。でも、マーシーが煎れたコーヒーだけは飲めるんや」
「調子に乗りますよ、そんなこと言われると」
神崎さんは珍しく素直に喜んでいる。なるほどね、容姿を誉められるのは耳タコだけど、こういうのは嬉しいわけね。
「へぇ~。私もあんまりコーヒー得意じゃないけど、神崎さんにいれてもらえたら美味しいと思えるかなぁ」
期待の眼差しを向けると、神崎さんはふんと鼻を鳴らした。
「江原にゃまだ早い」
「何ですと!?」
「まあ、そうだなぁ」
神崎さんはにやりとしながら片肘で頬杖をつき、
「お前が一人前になったら、煎れてやるよ」
「なにぃー!?」
今はまだ一人前じゃないっていうのか!と私が憤慨したとき、店員さんが注文の品を持ってきてくれた。
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