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第参章 想定外のプロポーズ
19 代替不可
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ジョーの家から都内の自宅に帰宅すると、夕飯にちょうどいい時間になっていた。
「何か食べて帰ります?」
会った日は、わたしの自宅まで送ってもらうのが当然になっている。わたしが一人でも大丈夫だと言っても、心配だからとジョーは譲らないのだ。
わたしは首を傾げてみせた。
「……ジョーの料理の腕前、見てみたいわぁ」
ギクリ、とジョーが身体をすくませた。互いの家に行き来はあれど、食事を作って振る舞うなど、わたしが一度したかどうかという程度。
「結婚するなら大事なことやと思わへん?」
わたしはわざと無邪気ぶってジョーをじっと見上げた。こてんと首を傾げて見せる。
ジョーは勢いよく顔を反らした。
「ヨーコさん」
「何や?」
「知っててやってるでしょ、俺それに弱いって」
(そりゃそうやろ)
とは心中に留め置き、
「甘やかしてくれるんと違うのん?」
ねぇねぇと、半袖の端を引いてみる。
ジョーが見るからにうろたえた。
「ちょ、何!?なんすかその今日の可愛さ!熱とかあります!?変なもの食べました!?それとも……」
「なあ、ジョー。あかんの?」
ジョーの腰元に手を置き、じいと顔を見上げる。
ジョーはわずかに赤くなっていた頬を、ますます赤く染めた。
「……とりあえずそういうのは公共の場でなくて二人っきりのときにお願いします」
「嫌や。そしたら離さんようなるやろ」
「そりゃそんな可愛いことされたら離しませんよ!」
当然でしょうとジョーは真顔で言い返す。
「二人っきりならあんなことやそんなことできるのに……」
「思惑のすれ違いやな」
「あっ、もしかしてそれで終わらせる気!?俺諦めませんからね!諦め悪いの知ってるでしょ……」
「で、夕飯は?」
腰元のシャツをつまんだまま、上目遣いで小首を傾げる。
赤面したジョーが頭を抱えてうずくまった。
冷蔵庫を見れば、料理の頻度などすぐ分かる。ジョーの家の冷蔵庫には飲み物と冷や奴くらいしか入っていない。
すっからかんのそこに買ってきたものを詰めていると、後ろからぶつぶつ言う声が聞こえた。
「ヨーコさんは分かってないっすよ。あんなとこであんな顔されたら誰でもくらっと来ちゃうでしょ。人通りなかったからよかったけどあれ他の男が見たら大惨事ですよ大惨事。まあ俺が投げ飛ばすとしてもわざわざ被害者作る必要もないじゃないですか。っていうかもしかして無自覚にやってたりしませんよね?マーシーとか。マーシーとかマーシーとかにやってたら俺泣きますよマジで。あ、マーシーといえば知ってます?あの人学生時代、飲食店でホールのバイトしてたけど女性客に絡まれてキッチンに回ったんですって。ほんとあれですよね、蠅取りのあれ。何て言うんですかねぶら下がってるやつ。どんどん蠅が取れるやつ。あれみたいですよね」
途中からは愚痴ではなくただの与太話だ。勝手に話させておけば不機嫌も自己解決してくれるので、うるさいことさえ我慢できればつき合い易い。
わたしはふぅんと相槌をうった。
「てことは、マーシーは料理できるんやな」
「イタリアン限定だけどって言ってました。そういえば結婚直後言ってたなぁ、アーヤに献立作りのセンスがなさすぎるって。頑なにポテトを野菜と主張するんだって。でもきっとアーヤができないっていうよりは、マーシーがポイント押さえるのがうますぎるんですよね。仕事見てても思いますもん」
頑なにポテトを野菜と主張するアーヤを想像して笑う。安易に想像がつくのがまた面白い。
「じゃ、あんたもマーシーに料理習いはったら」
わたしが冗談を言うや、不意にジョーの顔が表情を失った。先ほどまでの多弁さとはうって変わっただんまりに、不思議に思って顔を覗き込む。
「……あの」
ジョーは言葉を探して目をさ迷わせた。
「……その」
ここまで言いよどむことも珍しい。一抹の不安を覚えながら、彼のシャツの裾を掴んで続きを待つ。
「……何でもないです」
ジョーは小さく言って、笑顔になった。ひきつっていて何も隠しおおせてない笑顔。
彼は嘘をつかないが、つけないだけかもしれない。
そんなことに気づきつつ、顔を近づける。
わたしはジョーの唇に、自分のそれを軽く合わせた。
「どしたん?」
優しく問うと、子犬のようにぷるぷると震え出した男は、目すら潤ませてうつむいた。
まるでなにかをした後、反省している小学生のように見える。
「……俺、まだマーシーの代わりですか?」
小さな小さな声が、震えながらわたしに問う。
想定外にもほどがある発言に、わたしの身体が固まった。
ジョーはそれを察したかのように顔を上げ、無意味なほど明るい声で言う。
「いや、いいんです。もしそうでも、俺はいいって言ったし、実際それでもヨーコさんが手に入るならーーあ、ヨーコさんはモノじゃないですけど、うーんと、でも結婚できるなら、ずっと側にいられるなら、俺はそれでいいんです。そう。いいんです。だから何でもないんです、気にしないでくださいーー」
ジョーは早口でまくしたて、制止する暇もない。口を開けたり閉じたりしていたわたしは、物理的にふさげばいいと気づいて、彼の口に手を押し当てた。
ようやく黙ったジョーは、不安そうな目でうちを見ている。
自分の望まない言葉なら言わないでくれとーー聞きたくないと、その目が訴えているのが分かる。
が、そうも行かない。ここははっきりさせておかねば。
「あのなぁ、ジョー」
一言一言、言い聞かせるようにうちは言った。
ゆっくりと手を外しながら。
「いくらうちでも、それはせぇへんで。信じてくれてると思うてたけど」
「……いや……そう、思ってたんですけど」
ジョーは気弱に目を伏せた。意外と長いまつげが頬に影を落とす。
「思ってたんですけど……俺っていっつも都合のいいように解釈しちゃうから……ヨーコさんの本心は、もしかして、違うかもって……」
「不安になったん?」
ジョーはこくりと頷く。わたしは嘆息しながらその両頬に手を添えた。
ジョーの丸い目は、彼には珍しく気弱な光を宿している。飼い主に捨てられた犬のようだ。
わたしはその目を静かに見返し、微笑んだ。
「なぁ、ジョー」
「はい」
「うちはジョーと一緒にいるんや。マーシーの代わりやないで」
彼の頬を指先で撫でると、ジョーは照れ臭そうに笑った。
「俺でいいんですね?その……マーシーの真似事しなくても」
わたしは思わず噴き出した。
「当たり前やろ。そもそも、どう足掻いたってあんたがマーシーの真似は無理や。始終しゃべり通しな癖しはって」
ジョーはそれもそうだと笑った。
かと思えば、腕を回してわたしを抱きしめる。
「ヨーコさん」
「何や」
「俺、ヨーコさんに必要?」
問われて自分の言葉を思い出し、照れた。
「……そんなこと、何度も言わへん」
「えー。俺何度だって言いますよ。ヨーコさんが好き。大好き。愛してる。一生側にいたいーー」
「わ、分かった。分かったさかい夕飯の準備を」
「駄目。もう駄目。さっきから可愛いしぐさしたり不安にさせたり嬉しいこと言ったりするから、ほら、こんなんなっちゃった」
わたしの手を引き寄せるや、ズボンの膨らみに近づける。
そこには既に首をもたげた彼自身の気配があった。
「何でや!真剣な話してたやろ」
「してたけど、その話は終わったでしょ。ホッとしてヨーコさん抱きしめたらこうなったの」
わたしの文句にも、唇を尖らせて当然のように言い返してくる。
末っ子らしいワガママ。わたしは結局いつも、丸め込まれてしまう。
「ちょっとくらい遅くなってもいいでしょ、夕飯。まずは愛情確認しましょう」
ひょいとわたしの身体を持ち上げる、その安定感たるや。
静かにベッドに横たえられて、抵抗しようとその胸に手を当てたとき、ジョーが耳元で囁いた。
「思いっきり、甘やかしてあげるから」
その微笑みには普段見られない艶がある。
(そういう甘やかしが欲しいんとちゃうんやけど)
思いながら、ため息をついた。
その強引さにのまれてしまうのも惚れた弱みかと諦めて、ジョーの頭をかき抱いた。
「何か食べて帰ります?」
会った日は、わたしの自宅まで送ってもらうのが当然になっている。わたしが一人でも大丈夫だと言っても、心配だからとジョーは譲らないのだ。
わたしは首を傾げてみせた。
「……ジョーの料理の腕前、見てみたいわぁ」
ギクリ、とジョーが身体をすくませた。互いの家に行き来はあれど、食事を作って振る舞うなど、わたしが一度したかどうかという程度。
「結婚するなら大事なことやと思わへん?」
わたしはわざと無邪気ぶってジョーをじっと見上げた。こてんと首を傾げて見せる。
ジョーは勢いよく顔を反らした。
「ヨーコさん」
「何や?」
「知っててやってるでしょ、俺それに弱いって」
(そりゃそうやろ)
とは心中に留め置き、
「甘やかしてくれるんと違うのん?」
ねぇねぇと、半袖の端を引いてみる。
ジョーが見るからにうろたえた。
「ちょ、何!?なんすかその今日の可愛さ!熱とかあります!?変なもの食べました!?それとも……」
「なあ、ジョー。あかんの?」
ジョーの腰元に手を置き、じいと顔を見上げる。
ジョーはわずかに赤くなっていた頬を、ますます赤く染めた。
「……とりあえずそういうのは公共の場でなくて二人っきりのときにお願いします」
「嫌や。そしたら離さんようなるやろ」
「そりゃそんな可愛いことされたら離しませんよ!」
当然でしょうとジョーは真顔で言い返す。
「二人っきりならあんなことやそんなことできるのに……」
「思惑のすれ違いやな」
「あっ、もしかしてそれで終わらせる気!?俺諦めませんからね!諦め悪いの知ってるでしょ……」
「で、夕飯は?」
腰元のシャツをつまんだまま、上目遣いで小首を傾げる。
赤面したジョーが頭を抱えてうずくまった。
冷蔵庫を見れば、料理の頻度などすぐ分かる。ジョーの家の冷蔵庫には飲み物と冷や奴くらいしか入っていない。
すっからかんのそこに買ってきたものを詰めていると、後ろからぶつぶつ言う声が聞こえた。
「ヨーコさんは分かってないっすよ。あんなとこであんな顔されたら誰でもくらっと来ちゃうでしょ。人通りなかったからよかったけどあれ他の男が見たら大惨事ですよ大惨事。まあ俺が投げ飛ばすとしてもわざわざ被害者作る必要もないじゃないですか。っていうかもしかして無自覚にやってたりしませんよね?マーシーとか。マーシーとかマーシーとかにやってたら俺泣きますよマジで。あ、マーシーといえば知ってます?あの人学生時代、飲食店でホールのバイトしてたけど女性客に絡まれてキッチンに回ったんですって。ほんとあれですよね、蠅取りのあれ。何て言うんですかねぶら下がってるやつ。どんどん蠅が取れるやつ。あれみたいですよね」
途中からは愚痴ではなくただの与太話だ。勝手に話させておけば不機嫌も自己解決してくれるので、うるさいことさえ我慢できればつき合い易い。
わたしはふぅんと相槌をうった。
「てことは、マーシーは料理できるんやな」
「イタリアン限定だけどって言ってました。そういえば結婚直後言ってたなぁ、アーヤに献立作りのセンスがなさすぎるって。頑なにポテトを野菜と主張するんだって。でもきっとアーヤができないっていうよりは、マーシーがポイント押さえるのがうますぎるんですよね。仕事見てても思いますもん」
頑なにポテトを野菜と主張するアーヤを想像して笑う。安易に想像がつくのがまた面白い。
「じゃ、あんたもマーシーに料理習いはったら」
わたしが冗談を言うや、不意にジョーの顔が表情を失った。先ほどまでの多弁さとはうって変わっただんまりに、不思議に思って顔を覗き込む。
「……あの」
ジョーは言葉を探して目をさ迷わせた。
「……その」
ここまで言いよどむことも珍しい。一抹の不安を覚えながら、彼のシャツの裾を掴んで続きを待つ。
「……何でもないです」
ジョーは小さく言って、笑顔になった。ひきつっていて何も隠しおおせてない笑顔。
彼は嘘をつかないが、つけないだけかもしれない。
そんなことに気づきつつ、顔を近づける。
わたしはジョーの唇に、自分のそれを軽く合わせた。
「どしたん?」
優しく問うと、子犬のようにぷるぷると震え出した男は、目すら潤ませてうつむいた。
まるでなにかをした後、反省している小学生のように見える。
「……俺、まだマーシーの代わりですか?」
小さな小さな声が、震えながらわたしに問う。
想定外にもほどがある発言に、わたしの身体が固まった。
ジョーはそれを察したかのように顔を上げ、無意味なほど明るい声で言う。
「いや、いいんです。もしそうでも、俺はいいって言ったし、実際それでもヨーコさんが手に入るならーーあ、ヨーコさんはモノじゃないですけど、うーんと、でも結婚できるなら、ずっと側にいられるなら、俺はそれでいいんです。そう。いいんです。だから何でもないんです、気にしないでくださいーー」
ジョーは早口でまくしたて、制止する暇もない。口を開けたり閉じたりしていたわたしは、物理的にふさげばいいと気づいて、彼の口に手を押し当てた。
ようやく黙ったジョーは、不安そうな目でうちを見ている。
自分の望まない言葉なら言わないでくれとーー聞きたくないと、その目が訴えているのが分かる。
が、そうも行かない。ここははっきりさせておかねば。
「あのなぁ、ジョー」
一言一言、言い聞かせるようにうちは言った。
ゆっくりと手を外しながら。
「いくらうちでも、それはせぇへんで。信じてくれてると思うてたけど」
「……いや……そう、思ってたんですけど」
ジョーは気弱に目を伏せた。意外と長いまつげが頬に影を落とす。
「思ってたんですけど……俺っていっつも都合のいいように解釈しちゃうから……ヨーコさんの本心は、もしかして、違うかもって……」
「不安になったん?」
ジョーはこくりと頷く。わたしは嘆息しながらその両頬に手を添えた。
ジョーの丸い目は、彼には珍しく気弱な光を宿している。飼い主に捨てられた犬のようだ。
わたしはその目を静かに見返し、微笑んだ。
「なぁ、ジョー」
「はい」
「うちはジョーと一緒にいるんや。マーシーの代わりやないで」
彼の頬を指先で撫でると、ジョーは照れ臭そうに笑った。
「俺でいいんですね?その……マーシーの真似事しなくても」
わたしは思わず噴き出した。
「当たり前やろ。そもそも、どう足掻いたってあんたがマーシーの真似は無理や。始終しゃべり通しな癖しはって」
ジョーはそれもそうだと笑った。
かと思えば、腕を回してわたしを抱きしめる。
「ヨーコさん」
「何や」
「俺、ヨーコさんに必要?」
問われて自分の言葉を思い出し、照れた。
「……そんなこと、何度も言わへん」
「えー。俺何度だって言いますよ。ヨーコさんが好き。大好き。愛してる。一生側にいたいーー」
「わ、分かった。分かったさかい夕飯の準備を」
「駄目。もう駄目。さっきから可愛いしぐさしたり不安にさせたり嬉しいこと言ったりするから、ほら、こんなんなっちゃった」
わたしの手を引き寄せるや、ズボンの膨らみに近づける。
そこには既に首をもたげた彼自身の気配があった。
「何でや!真剣な話してたやろ」
「してたけど、その話は終わったでしょ。ホッとしてヨーコさん抱きしめたらこうなったの」
わたしの文句にも、唇を尖らせて当然のように言い返してくる。
末っ子らしいワガママ。わたしは結局いつも、丸め込まれてしまう。
「ちょっとくらい遅くなってもいいでしょ、夕飯。まずは愛情確認しましょう」
ひょいとわたしの身体を持ち上げる、その安定感たるや。
静かにベッドに横たえられて、抵抗しようとその胸に手を当てたとき、ジョーが耳元で囁いた。
「思いっきり、甘やかしてあげるから」
その微笑みには普段見られない艶がある。
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