100のキスをあなたに

菅井群青

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39.ホテル ※

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 いつものように彼が私の頭の後ろに手を回し引き寄せるようにキスをする。深い深いキスは熱く、彼の舌が私の舌を絡み付け掬い上げた。

「ん、んあ」

 息継ぎさえもままならない。快感でぞくぞくする。

「あぁ……紗里奈……紗里奈──」

 うわ言のように呼ぶ上司、美作 透みまさか とおるは職場の上司だ。
 数ヶ月前私たちは許されない仲になった。誰にもバレてはいけない、そんな関係に……。

 私たちはホテルで会うのがお決まりだ。それ以外では会わない。そんな生活に嫌気がさし、別れを切り出したのは一ヶ月前……。それなのに……私たちは再びこうして同じ部屋で熱い口づけを交わしている。

 美作が、申し訳なさそうにベッドに腰掛ける。年齢を重ねたとはいえ、まだ十分体は若々しい。

「本当にすまない……こんな事して──」

 紗里奈はそのまま美作を押し倒して馬乗りになる。組み敷かれた美作は興奮し、されるがままにされていた。

「仕事と一緒、連帯責任ですね……」

 紗里奈はどうしようもないこの気持ちに素直になる事にした。

 この一ヶ月……本当につらかった。
 自分から言い出したが、ここまで美作のことを愛しているとは正直自分でも気付かなかった。

「一緒に……堕ちましょう──」

 紗里奈は美作の唇にキスをした。ねっとりと舐め上げ、足りないとばかりに美作の髪をぐしゃぐしゃにする。激しく、吐息交じりのキスはあっという間に二人を溶かしていった──。

 罪深い二人の吐息は、しばらく止むことはなかった。
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