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50.犬の散歩
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「ジョンの散歩に行ってくる……」
「はーい、お願いね」
玲奈はジョンに首輪とリードをつけ玄関を飛び出した。ある程度用を足させるとそのまま目的地まで急ぐ。
公園のベンチに座って携帯電話を操作していた人物が顔を上げた。電灯の光が背後から差しているので、逆光でその表情は見えない。そのまま玲奈は歩み寄る。
「や、散歩は楽しかったかな? ジョン」
「いやいや、私を無視するなよ」
ジョンの長い毛を撫でているこの男は私の彼氏の田島だ。行きつけの喫茶店のマスターで、私たちは店長と客として出会い恋に落ちた……。一回り年が離れているが田島は今は独身でバツイチだ。
そういう理由もあり、母親にも交際のことは黙っている。私は田島さんが好きだし、一緒にいたい。ただ、将来の事を考えると周りの反対する姿を想像してしまう……。
愛は壁を越えるというが、今のところそれが本当か分からない。
「座んなよ、ほらここ……」
横に座ると田島からコーヒーのいい香りがする。癒される瞬間だ……。仕事終わりで疲れているはずなのに、こうして会いにきてくれるのが嬉しい。
いつのまにかジョンも田島と仲良しだ。今もリードを緩めても田島から離れようとしない。それどころか飛びかかって顔を舐めようとする。
室内にいてほとんど焼けない田島の肌は白くて綺麗だ。年齢の割にヒゲもないしお腹も出ていない……どこか線が細くて中性的な印象だ。
じっと私が見ているのに気付いた田島さんは、私の頰に触れキスをする。あっという間に舌を入れていやらしい音が私達から聞こえ出す。
あぁ、食べてる。
田島の見た目から想像できないほど熱い……。本当に肉食だ……。
離婚の原因は、これだった。
結婚して安心したのかがっつきすぎたんだ……だから、もう……最初から我慢しないから……。
付き合ってすぐ、田島さんからそう告白を受けた。俄かに信じられなかったが、今はわかる。田島さんは、ケモノだ。
中性的な見た目と違い田島はかなりドSだ。結婚後その性癖に耐えかねて向こうから離婚届を突きつけられたらしい。嫌われまいと必死で隠していた分反動が大きかったのかもしれない。
その話を聞いた時は、本当に可哀想だった……私なら、私だったら……受け入れてあげるのに──。
「んん、んあ……」
田島が私の喘ぎ声に反応してそのまま胸に触れて揉み始める。激しいキスと胸への愛撫に背中がゾクゾクする。二人が離れるとそれを嫌がるように唾液の糸が繋がる。
田島はもっと欲しくなったようだ。
「敦子ちゃん……可愛い」
「……田島さんの方が、可愛いです」
田島は私を抱きしめると首筋にかぶりついた。
「ワンっ」
「「…………あ……」」
忘れていた……散歩中だったんだ。私達をじっと見つめるジョンの姿があった。私達は顔を合わせると思わず笑ってしまった。
「……お預け……ですね」
「待て…………だな」
私はジョンを抱きしめた。ジョンは尻尾を左右にブンブンと振り機嫌が良さそうだった。
「はーい、お願いね」
玲奈はジョンに首輪とリードをつけ玄関を飛び出した。ある程度用を足させるとそのまま目的地まで急ぐ。
公園のベンチに座って携帯電話を操作していた人物が顔を上げた。電灯の光が背後から差しているので、逆光でその表情は見えない。そのまま玲奈は歩み寄る。
「や、散歩は楽しかったかな? ジョン」
「いやいや、私を無視するなよ」
ジョンの長い毛を撫でているこの男は私の彼氏の田島だ。行きつけの喫茶店のマスターで、私たちは店長と客として出会い恋に落ちた……。一回り年が離れているが田島は今は独身でバツイチだ。
そういう理由もあり、母親にも交際のことは黙っている。私は田島さんが好きだし、一緒にいたい。ただ、将来の事を考えると周りの反対する姿を想像してしまう……。
愛は壁を越えるというが、今のところそれが本当か分からない。
「座んなよ、ほらここ……」
横に座ると田島からコーヒーのいい香りがする。癒される瞬間だ……。仕事終わりで疲れているはずなのに、こうして会いにきてくれるのが嬉しい。
いつのまにかジョンも田島と仲良しだ。今もリードを緩めても田島から離れようとしない。それどころか飛びかかって顔を舐めようとする。
室内にいてほとんど焼けない田島の肌は白くて綺麗だ。年齢の割にヒゲもないしお腹も出ていない……どこか線が細くて中性的な印象だ。
じっと私が見ているのに気付いた田島さんは、私の頰に触れキスをする。あっという間に舌を入れていやらしい音が私達から聞こえ出す。
あぁ、食べてる。
田島の見た目から想像できないほど熱い……。本当に肉食だ……。
離婚の原因は、これだった。
結婚して安心したのかがっつきすぎたんだ……だから、もう……最初から我慢しないから……。
付き合ってすぐ、田島さんからそう告白を受けた。俄かに信じられなかったが、今はわかる。田島さんは、ケモノだ。
中性的な見た目と違い田島はかなりドSだ。結婚後その性癖に耐えかねて向こうから離婚届を突きつけられたらしい。嫌われまいと必死で隠していた分反動が大きかったのかもしれない。
その話を聞いた時は、本当に可哀想だった……私なら、私だったら……受け入れてあげるのに──。
「んん、んあ……」
田島が私の喘ぎ声に反応してそのまま胸に触れて揉み始める。激しいキスと胸への愛撫に背中がゾクゾクする。二人が離れるとそれを嫌がるように唾液の糸が繋がる。
田島はもっと欲しくなったようだ。
「敦子ちゃん……可愛い」
「……田島さんの方が、可愛いです」
田島は私を抱きしめると首筋にかぶりついた。
「ワンっ」
「「…………あ……」」
忘れていた……散歩中だったんだ。私達をじっと見つめるジョンの姿があった。私達は顔を合わせると思わず笑ってしまった。
「……お預け……ですね」
「待て…………だな」
私はジョンを抱きしめた。ジョンは尻尾を左右にブンブンと振り機嫌が良さそうだった。
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