虹色小判

しまたろす

文字の大きさ
上 下
12 / 33
第1章 学生編

12 初日終了

しおりを挟む
「お嬢がそこまで言うのなら。特に僕は抵抗はないですけど。」

「つまらないですわね。あ!炎帝くんが私しのことを話したのですから、今度は私しが炎帝くんのことを話しましょう!」

「はぁ。お嬢の気の済むままに。」

「おまかせを~♪炎帝くんはね、スポーツ万能で何でもできて、色んなスポーツから引っ張りだこだったのですわ!でも、どのスポーツにも興味がわかず、フラフラしていたところを、慈悲深いこの私しが拾ってさしあげて、今に至るのです。」

「無茶苦茶ですね、お嬢。まあ全て事実ですけど、省きすぎですよ。補足としては、入学した理由は家のいざこざですね。兄の邪魔にならないよう両親に入学させられました。言われた通り、スポーツには興味がなかったため、なんとなくインストラクターをしたいと思い、学校に聞いたところお嬢を紹介されました。そして気づいたらお世話係になってたって感じですね。」

「炎帝くんこそ、事実ですがもっと言い方がありまして!」

「リアル育成ゲームですかね?」

「もう!」


とうとう橙さんは、そっぽを向いてしまった。


「冗談ですよ、お嬢。せっかくお友達の前なのですから、機嫌を直してください。」


赤桐くんが目でチラッと合図を送ってくる。


「え、あ、うん。せっかく友達になったから、楽しくご飯がタベタイナ。」


「…まあ、それもそうですわね。」


チラッと赤桐くんを見るとニコニコしていた。
橙さんを綺麗にころがす様は、
お世話係にかなりハマっている気がする。




料理が並び終えたため、食事を楽しむことにした。
やはり、美味しい。めちゃくちゃ美味しい。
幸せな時間はあっという間だった。
ま、今後は何時でも幸せな時間を楽しめるのだが。



「今日はお邪魔させていただき、ありがとうございました。」

「こちらこそ楽しかったですわ!」

「これからもよろしくね。あ、僕のことは炎帝と呼び捨てでいいですから。」

「急に呼び捨ては難しいので、炎帝くんと呼ばせてください。僕も好きな呼び方で大丈夫です。」

「では僕も澪音くんとお呼びしますね。」

「あ、ずるいですわ!私しも琥珀とお呼びください!」

「琥珀さんですね。わかりました。」

「よろしくお願いしますわ。澪音さん。」


橙さんを改めて琥珀さんは目がキラキラしていた。


「また機会があればご一緒しましょう。」

「本当ですか!嬉しいです!」

「当然ですわ。近々直ぐにご一緒しましょう!」


キラキラしすぎて少し怖かった。



羊さんに声をかけたあと寮に戻った。
すぐにお風呂に入りベッドへダイブした。

「みんな全然普通な感じだったな~。早速友達がいっぱいできたし順調なのでは!?…あと何人いるのかな?全員と友達になれたらいいな~。」


こうして入学初日は幕をとじた。



しおりを挟む

処理中です...