虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

13 お出迎え

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「れーいんちゃーん あーそびーましょー」


なんだかんだ濃い1日を過ごしたためか、
慣れない部屋だったが、ベッドに潜ると
すぐ寝てしまった。


「れーいんちゃーん あーそびーましょー」


ホテル改めて我が寮には電話がついており、
電話一本でこれまたホテルな朝食が届いた。


「れーいんちゃーん あーそびーましょー」


朝食を食べながら今日は何をすべきかと
考えているとお呼びがかかった。


「れーいんちゃんー あーそびーましょー」


羊さんでも雷牙くんでもない。
扉の前にいるのは、たぶん染次郎くん。


「れーいん「「いい加減うるさい」」


扉を開けると声の主と炎帝くんがいた。



「お、炎帝か。あ、やっと出てきたか。」

「只でさえ染次郎の声はでかいのだから、叫ばないでください。廊下中に響きわたって1番奥の僕の部屋まで聞こえてるんですよ!」

「ほんとですよ。」



どうやら炎帝くんは同じ階らしい。


「僕は行きますが、周りにあまり迷惑をかけないように。澪音くんも巻き込まれないよう気をつけてくださいね。あと、よろしくお願いします。」

「はい。出来るかどうかはわかりませんが。」


軽く会釈をしたあと炎帝くんは行ってしまった。


「とりあえず中へどうぞ。」

「おっじゃましまーす」


まるで我が家の様に、リビングの椅子にどっさり座り、
優雅に過ごす染次郎くん。


「で、朝からどうしたんですか?」

「なんだよつれねぇーな。友達が遊び来たんだからもうちょいウキウキしろや。」

「あれだけうるさくされて、ウキウキするわけないじゃん」

「冗談だよ冗談。」

「俺も冗談だよ。」

「だっはっはー!わかってるじゃん。暇なのよ。ぷらぷらしよーぜ。」

「んー雷牙くんがくるって言ってたけど、いつになるかわかんないっていってたからなー」

「雷牙か。ま、あいつなら大丈夫だろ。最悪こねぇーし。」

「じゃあ伝言だけ残して行こっかな。どこ行くの?」

「決めてない。ぷらぷらしよーぜー」

「わかったー」


出かける準備が終わったあと、羊さんに雷牙くんへの
伝言を伝えホテル…ではなく寮を二人で出た。


「気になるとかあるか~?」

「んー特には。」


ダラダラ考えていると厳つい重低音が響き出した。

ブァンブブブァンブブブァンブァンブァン
ブァンブブブァンブブブァンブァンブァン

厳ついバイクが現れた。


「お、変人が来たぞ変人が。あいつもこっち側・・・・の人間だ。」


にやにやする染次郎くん。
そして厳ついバイクが染次郎くんへと突っ込んでくる。

「やっほー!君が『幸運の持ち主ラッキーボーイ』君かい!」

フルフェイスのヘルメットを脱ぐと、女の子だった。

「あ、はい。昨日入学してきた黒蜂 澪音です。」

「危ねぇだろ馬鹿!」

「どうせあんたなら平気なのに小さい男ね。自己紹介くらいはさせてよね。」

「いや、流石にそ「私の名前は緑屋 葉月(みどりや はづき)!こいつらのお友達・・・♡かな。よろしくね!」

「はい、よろしくお願いします。」




「な、変人だろ。」

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