虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

21 浅はかな考え

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特にじいちゃんは大丈夫そうなので、
短い里帰りだったが学校へ帰ることにした。
昔話をしたせいか、
『なぁに、死線をくぐり抜けた経験が違う。勘も経験もまだまだ負けんよ。』
とあしらわれた。まあ何かあったら連絡するだろう。




学校に帰ったあと俺はすぐ雷牙くんの所へ行った。
流石にじいちゃんがファンタジーの住人だったなんて言えないが、
現状は特に問題ないことを伝えた。


「そっか。すまなかった。まさか身内がおじいさん1人だけだったとは。いや、その可能性もあったんだ。寂しい思いをさせて申し訳ない。」


「いやいや!俺ですら知らなかったし、逆に知ることが出来て良かったよ!だから気にしないで!」


「取り敢えずこちらからは、特にアクションを起こさず現状のままにしておくよ。何かあればすぐ言ってね。」


「わかった!」





そして俺は寮へ戻ると、ある目的のために食堂へ向かった。


「あら、お帰りになられたのですね。」


「ただいまです。お昼をご一緒しても良いですか?」


「構いませんよ!?いつものことではないですか。改まりましてどうしたのですか?炎帝くんも大丈夫ですわよね?」


「むしろ喜んで。」


「ありがとうございます。実は2人に相談を聞いてもらいたくてきました。」


「そうですの。」



返事をした後、琥珀さんが3人分の料理が出来たら持ってきて欲しいと伝え、4人用の席に移った。


「実は強くなりたいと思いまして。琥珀さんは武器の扱いに長け、炎帝くんがそのマネージメントやデータを取っていると聞いたので、迷惑でなければ俺に稽古をつけてほしんです。」


2人は困惑した表情を浮かべた。
そりゃそうだよね。何も才能もない人間が急に
強くなりたいとかいうんだもの。


「それは肉体的に強くなりたいという意味であってます?何故急にそんなことを?」


万が一どころか兆が一にも、じいちゃんたちの故郷へ行く可能性はないだろう。
でも、実際にじいちゃんたちが来たのだ。
何らかの方法やタイミングがあるかもとも、
浅はかなだとわかっていても思ってしまった。
帰り際にじいちゃんが言ったように、
戦闘があった世界なのだろ。それも当たり前のように。
漫画やアニメのような世界だったら主人公でもない限り、
俺なんかが行ったところで何も出来やしない。

幸い今後、学校にいるだけで生活は安定してるし、
何かしたいことでも見つけろとも言われているから、
最高の機会と環境でもある。
だから…


「…実は「私は賛成です!」


今度は男2人が呆気にとられる。


「ですがお嬢。学校ここは才能を持ちながら、当たり前の様に才能なみ以上の努力をしてきた人間が、集まっている場所です。設備的には最高の環境ですが、化物の檻に放り出されるようなものです。最悪な環境であると思いますよ。」


「だからこそ私達・・なのでしょ?理由など続けてみればわかることです。それに私しに弟子入りしたいと願った方は初めてなのです!」


「むしろそれが危ないんですよ。…わかりました。有頂天のお嬢は止めれません。僕がセーフティになります。それに0から創り上げるのも興味が出てきました。」



あれ?弟子になっちゃった!?
でも結果的には了承してくれたから良かったのか?



「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」


「料理が揃いましたわね。それでは黒蜂さんの今後に乾杯!」



こうして俺の新たな学校生活の新しい生活が始まった。
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