虹色小判

しまたろす

文字の大きさ
上 下
23 / 33
第1章 学生編

23 巻き込み巻き込まれ

しおりを挟む
弟子入り?してから1年が経った。
結局予言通り、雷牙くんと葉月さんも加わった。
武器の使い方を琥珀さんに、素手での闘いを染次郎くんに、
身体の管理を炎帝くんに、身体の構造についての講義を空海くんに、
経済や政治についてを葉月さんに、その他学問をすみれさんに、
そして調整や空いた穴を総監督として雷牙くんが。


本当に地獄だった。
座学で点数が悪ければ筋トレメニューが増え、
筋トレメニューを早くこなさなければ、
テストの時間が削られるという悪循環。
でも自分が言い出した事だから逃げ出せず。。


そして予想外がの出来事が2つ。


1つは、

「おい、お前が一般人のくせに藍川に弟子入りしたやつか。付き合えよ。無駄な努力をしていることを教えてやるよ。」


「いえ、結構です!…でわ!」


「あぁ?逃げるのか?…所詮遊びでやってんだろ。虫唾が走るんだよ!」


「うわぁ!結局やるんなら闘技場いきましょうよ!」


「うるせぇ!」


めちゃくちゃ絡まれるようになったこと。
そりゃ物心ついたときから青春時代すらも打ち込んで、
文字通り全てを捧げて頑張っている人から比べれば、
俺なんか遊そんでる子供みたいなもんだもんね。
だったら無視しとけばいいのに!
雷牙くん曰く、

『エリートが集められた学校ここでも、井の中の蛙だったことを受け止められず伸び悩む者がいるんだよ。そういったやつの八つ当たりだよ。まあ、そういったやつら伸びないんだけどね!』

だって。
流石に最初は手出しできないようにしてたけど、
今じゃ修業の一環らしい。
でも大半は今日の人みたいに『藍川』というフレーズが入ってる。
絶対染次郎くんが恨みを買って、僕にとばっちりがきている気がする。
あの人なにかと雑だから。。。


「はぁ~。疲れた。今日は何とか勝てたな。」


最初はボッコボコにされてたけど今はなんとか
負けたり勝ったり負けたり負けたり…くらいには、
持ち込めるようになってきた。

そしてクタクタで廊下を歩けば、
「一般人くせに」「なんであいつが弟子に」「僕の方が凄いのに」
と言われる始末。
琥珀さんやすみれさんのファンクラブがあるとかないとか。
まださっきの人みたいに突っ込んで来てくれる方が、
こちらも発散できて良い。
…いや、どっちも迷惑だ。


「やば!早く行かないと遅れちゃう!そして師匠達・・・に文句を言わないと!」






「おう!今日はどうだった?」


「何とか勝てました。いい加減うんざりなんですが?」


「まあまあ修業だと思って!」


「大半染次郎くんが恨みをかってるせいだよ!」


「そうかっかすんなって。俺に文句言う実力ちからも勇気もないやつなんて、相手できるかよ。」


「だ、か、ら、僕が巻き込まれているからなんとかしてって話!」


「うるせえー俺の弟子だろうが、頑張れよ。」


「師匠なら弟子を大切にしろよ。」


「何しても湧いて出てくるんだ。澪音が強くなって挑んでこなくさせればいんだよ。」


「そうだけど。でも染次郎くんみたいに恨みを買うようになる思うと、強くなるのも考えようだね。」


「俺に並ぼうなんざ20年早ぇーよ。」




染次郎くんに文句を言った後、琥珀さんと合流して
今日は学校を出てある道場へ向かう。



「お邪魔しまーす!すみません、今日もお借りします!」


「いえいえ、今日は稽古もありませんので、存分にお使いください。」


「お邪魔しますわ。」「ちわーす!」



ここはどんな道場かというと実は、
ただ俺の家の近くの道場。
とある事情で染次郎くんと琥珀さんが交渉し
週に1度くらいでお借りさせて貰っている。
何故お借りしたかというと




「澪音たちよ。精進しとるかいの?」



そしてこれが2つ目の予想外、
異世界生まれ異世界育ちのじいちゃんだ。

俺の身体が絞られることに気づき、学校でしていることを話すと
『どれ、わしも孫のために頑張って見るかいのう』
と言って家に帰った時は色々教えてもらっていた。

そして俺の変化に気づいた2人に問い詰められ、
あれよというまに今に至る。


「早速俺から行かせてもらうぜ!」


「良かろう。若いもんにもまだまだ負けんぞ~。」



じいちゃんと染次郎くんが対峙する。
なんとじいちゃんも化物でした。さすが異世界!
もちろん俺は放置状態です。
しおりを挟む

処理中です...