虹色小判

しまたろす

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第2章 天界編

26 転移と少女

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「あれ?ここどこだ?」


真っ白で何もない世界だった。
確かジェット機に乗って…
あれ?もしかして死んだ? 
ふと足元を見ると、なんとみんなが寝転んでいた。


「よかった。みんないる。…じゃなくて、みんな起きて!」


1人ずつ起こしていくと、やはり光に覆われるまでの記憶しかなかった。






「でわ第1回ここは何処なんだ会議を始めます。…とりあえず確認だ。僕達はジェット機で移動中だった。そこで光に覆われて今に至る。で間違いないよね?」


みんなが頷く。


「…うーん。死後の世界とか?」


「でも爆破された感じではなかったですわね。」


みんなで何故ここにいるかを悩んでいると
雷牙くん、染次郎くん、琥珀さんが臨戦態勢に入った。


「あら?みなさん起きているとは。もう少し寝ている予定だったのに。」


いつの間にか少女がそこに立っていた。可愛らしい。


「君が僕らに何かしたのかい?」


雷牙くんの問の後、沈黙が過ぎる。


「…いえ、少々予想外でして。申し遅れました。私は貴方達がいた・・世界を管理する者。言わば神様です。理由あって貴方達を呼びました。少しお付き合い願いますか?」


…神様かー。普通だったら信じられないが、現に今は普通じゃない状態だからな。


二度目の沈黙が訪れた後、再び雷牙くんが口を開く。


「神様ですか。信じられないが、この状況では話を聞くしかないのか。…わかりました。僕達の選択肢は1つしかなさそうですね。」


「でわ「だが断る!」


雷牙くんが女性陣にボコボコにされる。


「すみませんでした。雷牙バカ行動これは病気みたいなもんでして。改めてお話の方よろしくお願いします。」


雷牙くんに代わって、すみれさんが少女かみと話す。


「有難うございます。立ち話はなんですので。」


    
少女かみが手を叩いて鳴らすと、一軒の家が一瞬で現れた。


「「「「おぉ~」」」」


パチパチと拍手が起きる。
どうやら驚きで固まっていたのは、俺だけだったようだ。


「でわ、お入りください。飲み物も用意しますので。」


「「「「おじゃましまーす」」」」



中も生活感たっぷりの正真正銘の家だった。
でも、広いリビングには人数分の椅子が置いてあった。
みんなが椅子に座ると、少女かみが再び手を鳴らす。
すると1人1人の目の前に飲み物が現れた。
『便利なものね~』『味も温度も丁度いい』と
それぞれ感想を述べながら飲み物に口を付ける。


「それで、こんなになんでも出来そうな神様が、私達になんの用かしら?」



「お願いがあります。別の星に移住して欲しいのです。」
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