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月が綺麗ですね
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「本当に見事な満月ねえ」
「左様でごじゃるなぁ」
母が言うと光も同意した。
光とあさみ、母に克己、そして、きくじいちゃんの5人で、見事な満月を見つめていた。
なんのかんの言っていたのに、克己もいつの間にか、見入っていた。
キクじいちゃんは、もちろん栗ようかんをお土産に持ってきてくれた。
「うーん、月なんて改めて見たことなかったけど、結構、光ってんのな。」
光ってるって…他に感想あるだろうに。
そう思いながら、あさみも改めて月なんて意識したことなかったなと思った。
太陽の様にギラギラとはしていないが、ぼんやりと、しかしながら、圧倒的な存在感で夜空に輝く月。
まるで、吸い込まれそうな不思議な光があさみを照らす。
「満月は人を狂わす、なんて昔から言うけど、なんだか本当に不思議な力をもってそうねえ」
母がうっとりとしながら、言う。
「ほんにのう…今日は中秋の名月じゃな」
キクじいちゃんが、お茶をすすりながら答える。
なんとものどかな光景だ。どこにでもある、家族の語らい。
「いやいや、左様でごじゃるな。夜風も涼しくて気持がよいでおじゃる。」
光も栗ようかんを食べながらお茶をすする。
この平安男、びっくりするぐらい馴染んでやがる。
「な~んか、本当にあり得ないことが起っても不思議じゃねーかもな。なあ、姉ちゃん?」
「え?あっ…そうね。」
不思議な事が…起こるのだろうか。
「光君が来てもう、一か月よねえ、あっと言う間だったわね」
母が懐かしがる。
「早いな、最初はただのデブの変質者かと思ったぜ」
「克己、あんたはまた!いくら光君がデブで本当に変質者みたいな…。」
「ああ!優子殿!まろは気にしてないでおじゃるので…」
光は母の扱い方もだいぶん解ってきたようだった。
「しかし、やっぱり、光君が元の世界に戻れるのだとしたら、今日の様な満月の夜かもしれないのう。あの日、光君が現れた日も満月だったわけじゃしのう。」
キクじいちゃんが言う。
「まぁなぁ。でもさ、どうやって?」
克己がふとした疑問を口にする。
・・・・。
5人は沈黙する。
確かに、一体絶対どうやって巻物の世界になんて戻れるのか?
いやいや、そもそも巻物から出てきたって、あり得ない話だし…。
5人がそれぞれ、考えていると克己が口を開いた。
「とりあえず、もう一回、じいちゃんの部屋の絵巻物確認してみたら?」
・・・?!
もっともだと思い、一同、じいちゃんの部屋に行き、絵巻物を取り出す。
じいちゃんの部屋の窓からも満月は綺麗に光り輝いている。
「おっ!あった!懐かしいなぁ。」
克己が箱の奥の巻物を取り出す。
「そういえば、あれから一度もこの巻物、開いてなかったね」
あさみがそう言うと、なぜか克己があさみに巻物を手渡した。
…あたしに“開け”と言うのか。…自分で決断しろと?
もっとも、克己に深い意味なんてないかもしれないけどさ。
あさみは、渡された絵巻物を見つめる。古ぼけた、文字も擦れた、かすかに古い匂いのする巻物だ。
「光君との生活が楽しくて、巻物の事なんてすっかり忘れてたわ~」
「まろもでおじゃる!」
母親と光はにこやかに笑いあっている。なんだか緊張感ゼロだ。
「姉ちゃん、どうすんの?開く?開かない?」
「…開かない理由なんてないでしょ…」
そう言って、あさみがゆっくりと開こうとすると…
「これ開けちゃうと、光、急に巻物に吸い込まれちゃったりすんのかな??」
克己が冗談交じりに、そう言った。
あさみの手が止まる。
一瞬の沈黙が包む。
本当にいいの?このまま開いて?絶対に大丈夫だって言える?
…伝えなきゃならないことあるでしょ?
「あ…あのね…」
あさみが口を開きかけたその時、
「しばし、一時だけで、かまわぬので、あさみ殿と二人きりにさせてはもらえぬだろうか…」
光が言った。
他の三人は、目を合わせて頷くと、部屋を後にした。
絵巻物を閉じたまま、二人は窓際に腰を下ろした。
「なんだか、ホントにあっと言う間の一カ月だったよね?」
最初に口を開いたのはあさみだった。
「う~ん、色々あったでおじゃるな。ここの者たちは皆、良い者たちばかりで…。あさみ殿には迷惑もかけたでおじゃる。」
「本当だよ!!バイト手伝ってくれると思ったら、刃物振り回すし、服だって買ってあげたんだからね!」
「う…その件は、まことになんと言ってよいか…。まろともあろうものが、おなごに施しを受けるとは…。何という恥さらし…。」
「あっ、まあ、冗談だから…そんなに落ち込まないでよ…」
光はまたびっくりするぐらい落ち込みだす。やばい…面倒くさい。
「まあ、でもさ、光がいなかったら、未だに雄太君の都合のいい女だったかもしれないしさ。バイトの時だって、本当は震えが止まんなかったけど、光が真っ先に来てくれたから、内心凄くホッとしたとこあるし。最初は変な事言って、余計怒らせるんじゃないかって焦ったけどね」
あさみは思い出して、笑いながら言った。
後で、光の包丁が斎藤さんの鼻先をかすったと聞いたときはさすがに焦ったけど…。
「…まろはただ、思ったことを言っただけ…感謝されるようなことは…」
「それでいいんだよ。あたしさ、昔から、人の顔色伺っちゃうようなところあるんだよね。克己のはっきり言う性格がたまに羨ましく感じたりしてさ。光はさ、本当に思っていること言ってるだけなんだろうけど。当たり前の事しかいってないんだろうけど。でも、それがあたしにとっては大事な事だったのよ」
「まろの言葉で、あさみ殿の気持が救われたのなら、それでよいのでおじゃるが…」
「うん…、そう。救われたの。光といると、気を張らなくていいんだ、背伸びして生きなくていいんだって思えるのよね。」
あさみは少し考えるそぶりをする。
「…やっぱ光が太ってるからかな?」
「ええ?!そこでおじゃるか??克己殿がいうにこちらでは、太っている者はイケてないのであろう?!どういう意味なのでおじゃるか?!」
光がさも心外そうに詰め寄ってくる。
「あはは、まあ、いいじゃない。褒めてんだから」
光は納得いかない様子で月を見上げた。
あさみは笑いながら、光のその横顔を眺めていた。
玉のように透き通った白い肌が、月明かりに照らさせて、青白く浮かび上がった。
不覚にも…綺麗だと思った。
あさみはその肌に触れてみたいと思った。
光の頬にそっと手を伸ばしてみた。
「??」
「あっ!…ごめんっ」
急いで手を引っ込める。
なにをやっているんだ、あたしは。
満月の光に、おかしくされてしまったのか。
―満月ハ人ヲ狂ワセル
動揺するあさみ。
光は何も言わずに、引っ込めたその手を引きよせ、握り直した。
「ひか…る?」
光はあさみを見つめ、にっこり笑うと再び月をみた。
そして…。
「あさみ殿…」
「…なに?」
「月が…」
「月が、綺麗ですね」
光は静かにそう言った。
光の表情はよく見えなったが、心なしか頬が少し赤く染まっているように見えた。
「…一技ばあちゃんの話、聞いてた?」
あさみが遠慮がちに聞くと、光は「え?!…ああ、う~ん、どうでおじゃるかの??」と言って、恥ずかしそうにごまかした。
それでもあさみの手は強く握られたままだった。
あさみは可笑しいような、嬉しいような、恥ずかしいような、そして、切ないような不思議な感情に戸惑った。
なぜか涙がこみ上げそうになった。
この涙がどれを意味するのかわからない。
だけど、光に言わなきゃならないことがある。
あさみは意を決し、口を開いた。
「ねえ、光、ひとつだけ聞いてもいい??」
「うん?」
「光の…」
「まろの?」
「光の、本当の名前を教えて。」
「!?」
「本当の名前??」
光は全身から血の気が引いていった。
「何のことでおじゃるか??」
落ち着こうとしても、動揺が隠せない。いつも以上に汗が全身から湧き出る。
こんな時デブは辛い。握った手も汗ばんできた。
そんな事にもお構いなしに、あさみの視線は光を捉えて離さない。
光は耐え切れなくなってあさみから目を逸らす。
「本当もなにも、まろは光源氏ぞ…」
光は精一杯そう言うが、とてもじゃないが目は合わせられない。自分でもまだまだだと思いながら…。
往生際の悪い態度の光にあさみが大きなため息を付く。
「キクじいちゃん達、そこにいるんでしょ?そろそろ出てきて説明してくれない?」
あさみがそう言うと、ふすまの向こうからキクじいちゃんと優子と克己が出てきた。
「あ~、え~っといつからじゃ?」
キクじいちゃんが、バツが悪そうにあさみに尋ねると、あさみはもう一度大きなため息を付いて話し始めた。
「左様でごじゃるなぁ」
母が言うと光も同意した。
光とあさみ、母に克己、そして、きくじいちゃんの5人で、見事な満月を見つめていた。
なんのかんの言っていたのに、克己もいつの間にか、見入っていた。
キクじいちゃんは、もちろん栗ようかんをお土産に持ってきてくれた。
「うーん、月なんて改めて見たことなかったけど、結構、光ってんのな。」
光ってるって…他に感想あるだろうに。
そう思いながら、あさみも改めて月なんて意識したことなかったなと思った。
太陽の様にギラギラとはしていないが、ぼんやりと、しかしながら、圧倒的な存在感で夜空に輝く月。
まるで、吸い込まれそうな不思議な光があさみを照らす。
「満月は人を狂わす、なんて昔から言うけど、なんだか本当に不思議な力をもってそうねえ」
母がうっとりとしながら、言う。
「ほんにのう…今日は中秋の名月じゃな」
キクじいちゃんが、お茶をすすりながら答える。
なんとものどかな光景だ。どこにでもある、家族の語らい。
「いやいや、左様でごじゃるな。夜風も涼しくて気持がよいでおじゃる。」
光も栗ようかんを食べながらお茶をすする。
この平安男、びっくりするぐらい馴染んでやがる。
「な~んか、本当にあり得ないことが起っても不思議じゃねーかもな。なあ、姉ちゃん?」
「え?あっ…そうね。」
不思議な事が…起こるのだろうか。
「光君が来てもう、一か月よねえ、あっと言う間だったわね」
母が懐かしがる。
「早いな、最初はただのデブの変質者かと思ったぜ」
「克己、あんたはまた!いくら光君がデブで本当に変質者みたいな…。」
「ああ!優子殿!まろは気にしてないでおじゃるので…」
光は母の扱い方もだいぶん解ってきたようだった。
「しかし、やっぱり、光君が元の世界に戻れるのだとしたら、今日の様な満月の夜かもしれないのう。あの日、光君が現れた日も満月だったわけじゃしのう。」
キクじいちゃんが言う。
「まぁなぁ。でもさ、どうやって?」
克己がふとした疑問を口にする。
・・・・。
5人は沈黙する。
確かに、一体絶対どうやって巻物の世界になんて戻れるのか?
いやいや、そもそも巻物から出てきたって、あり得ない話だし…。
5人がそれぞれ、考えていると克己が口を開いた。
「とりあえず、もう一回、じいちゃんの部屋の絵巻物確認してみたら?」
・・・?!
もっともだと思い、一同、じいちゃんの部屋に行き、絵巻物を取り出す。
じいちゃんの部屋の窓からも満月は綺麗に光り輝いている。
「おっ!あった!懐かしいなぁ。」
克己が箱の奥の巻物を取り出す。
「そういえば、あれから一度もこの巻物、開いてなかったね」
あさみがそう言うと、なぜか克己があさみに巻物を手渡した。
…あたしに“開け”と言うのか。…自分で決断しろと?
もっとも、克己に深い意味なんてないかもしれないけどさ。
あさみは、渡された絵巻物を見つめる。古ぼけた、文字も擦れた、かすかに古い匂いのする巻物だ。
「光君との生活が楽しくて、巻物の事なんてすっかり忘れてたわ~」
「まろもでおじゃる!」
母親と光はにこやかに笑いあっている。なんだか緊張感ゼロだ。
「姉ちゃん、どうすんの?開く?開かない?」
「…開かない理由なんてないでしょ…」
そう言って、あさみがゆっくりと開こうとすると…
「これ開けちゃうと、光、急に巻物に吸い込まれちゃったりすんのかな??」
克己が冗談交じりに、そう言った。
あさみの手が止まる。
一瞬の沈黙が包む。
本当にいいの?このまま開いて?絶対に大丈夫だって言える?
…伝えなきゃならないことあるでしょ?
「あ…あのね…」
あさみが口を開きかけたその時、
「しばし、一時だけで、かまわぬので、あさみ殿と二人きりにさせてはもらえぬだろうか…」
光が言った。
他の三人は、目を合わせて頷くと、部屋を後にした。
絵巻物を閉じたまま、二人は窓際に腰を下ろした。
「なんだか、ホントにあっと言う間の一カ月だったよね?」
最初に口を開いたのはあさみだった。
「う~ん、色々あったでおじゃるな。ここの者たちは皆、良い者たちばかりで…。あさみ殿には迷惑もかけたでおじゃる。」
「本当だよ!!バイト手伝ってくれると思ったら、刃物振り回すし、服だって買ってあげたんだからね!」
「う…その件は、まことになんと言ってよいか…。まろともあろうものが、おなごに施しを受けるとは…。何という恥さらし…。」
「あっ、まあ、冗談だから…そんなに落ち込まないでよ…」
光はまたびっくりするぐらい落ち込みだす。やばい…面倒くさい。
「まあ、でもさ、光がいなかったら、未だに雄太君の都合のいい女だったかもしれないしさ。バイトの時だって、本当は震えが止まんなかったけど、光が真っ先に来てくれたから、内心凄くホッとしたとこあるし。最初は変な事言って、余計怒らせるんじゃないかって焦ったけどね」
あさみは思い出して、笑いながら言った。
後で、光の包丁が斎藤さんの鼻先をかすったと聞いたときはさすがに焦ったけど…。
「…まろはただ、思ったことを言っただけ…感謝されるようなことは…」
「それでいいんだよ。あたしさ、昔から、人の顔色伺っちゃうようなところあるんだよね。克己のはっきり言う性格がたまに羨ましく感じたりしてさ。光はさ、本当に思っていること言ってるだけなんだろうけど。当たり前の事しかいってないんだろうけど。でも、それがあたしにとっては大事な事だったのよ」
「まろの言葉で、あさみ殿の気持が救われたのなら、それでよいのでおじゃるが…」
「うん…、そう。救われたの。光といると、気を張らなくていいんだ、背伸びして生きなくていいんだって思えるのよね。」
あさみは少し考えるそぶりをする。
「…やっぱ光が太ってるからかな?」
「ええ?!そこでおじゃるか??克己殿がいうにこちらでは、太っている者はイケてないのであろう?!どういう意味なのでおじゃるか?!」
光がさも心外そうに詰め寄ってくる。
「あはは、まあ、いいじゃない。褒めてんだから」
光は納得いかない様子で月を見上げた。
あさみは笑いながら、光のその横顔を眺めていた。
玉のように透き通った白い肌が、月明かりに照らさせて、青白く浮かび上がった。
不覚にも…綺麗だと思った。
あさみはその肌に触れてみたいと思った。
光の頬にそっと手を伸ばしてみた。
「??」
「あっ!…ごめんっ」
急いで手を引っ込める。
なにをやっているんだ、あたしは。
満月の光に、おかしくされてしまったのか。
―満月ハ人ヲ狂ワセル
動揺するあさみ。
光は何も言わずに、引っ込めたその手を引きよせ、握り直した。
「ひか…る?」
光はあさみを見つめ、にっこり笑うと再び月をみた。
そして…。
「あさみ殿…」
「…なに?」
「月が…」
「月が、綺麗ですね」
光は静かにそう言った。
光の表情はよく見えなったが、心なしか頬が少し赤く染まっているように見えた。
「…一技ばあちゃんの話、聞いてた?」
あさみが遠慮がちに聞くと、光は「え?!…ああ、う~ん、どうでおじゃるかの??」と言って、恥ずかしそうにごまかした。
それでもあさみの手は強く握られたままだった。
あさみは可笑しいような、嬉しいような、恥ずかしいような、そして、切ないような不思議な感情に戸惑った。
なぜか涙がこみ上げそうになった。
この涙がどれを意味するのかわからない。
だけど、光に言わなきゃならないことがある。
あさみは意を決し、口を開いた。
「ねえ、光、ひとつだけ聞いてもいい??」
「うん?」
「光の…」
「まろの?」
「光の、本当の名前を教えて。」
「!?」
「本当の名前??」
光は全身から血の気が引いていった。
「何のことでおじゃるか??」
落ち着こうとしても、動揺が隠せない。いつも以上に汗が全身から湧き出る。
こんな時デブは辛い。握った手も汗ばんできた。
そんな事にもお構いなしに、あさみの視線は光を捉えて離さない。
光は耐え切れなくなってあさみから目を逸らす。
「本当もなにも、まろは光源氏ぞ…」
光は精一杯そう言うが、とてもじゃないが目は合わせられない。自分でもまだまだだと思いながら…。
往生際の悪い態度の光にあさみが大きなため息を付く。
「キクじいちゃん達、そこにいるんでしょ?そろそろ出てきて説明してくれない?」
あさみがそう言うと、ふすまの向こうからキクじいちゃんと優子と克己が出てきた。
「あ~、え~っといつからじゃ?」
キクじいちゃんが、バツが悪そうにあさみに尋ねると、あさみはもう一度大きなため息を付いて話し始めた。
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