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貴女のいる時間の中で
①
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うまく切り替えができぬまま、仕事モードになったことで、面接時の感覚が少しズレてしまっていた。ただ、蒼井常務との面接に挑んだ『舞浜美雪』は、やはり想像していた通りの女性で、受け答えもしっかりしており申し分ない。またしっかりと我々の眼をしっかりと見ながら堂々としていた。余程保育園勤務できたえられてきたのだろう。
「舞浜さん。保育園での勤務をされておられたようですが、ここでは、何歳児のクラスを見ておられたんですか?」
「はい。特に満遍なく担任はさせていただいておりましたが、私自身がしっくりきたのは、年長の5歳児クラスの担任が1番良かったと思います。保護者とのやり取りも密にとってましたし、園内の祭りごとも、全て年長のクラスを中心に動いていましたので、そこで全体の陣頭指揮を取るのも責任がありましてよかったです。簡単ではありませんでしたが、その分やり切った時の達成感がありました。そこがよかったです。」
「なるほどですね。ありがとうございます。」
「何か保育園では、担任以外で兼務されてたことはありますか?」
「主任のポジションで保育園全体の運営も、積極的に従事させてもらってます。」
「はい。職務経歴書に記載されてますね。ですが、ブランクがあるとはいえ、これだけの業務をされてこられてきたんであれば、また保育業務に携わればまたこれまでのスキルを活かすことが出来るのではないですか?」
気になっている事は、いろいろ話を聞くが、そんな質問に対しても機械的な返答ではなく柔らかく返答することができていて、でも間があるわけではなく、しっかりと間をおかずに我々が聴きたいことをピンポイントに応えられていた。
「もう一度保育をしようとも考えたのですが、人と話すことが好きです。人見知りはしない方ですし、保育園では周りをまとめてきておりました。ですので、職員の皆さんが働きやすい環境を提供していきたいと思ったのです。そう考えたときに、保育士という仕事ではなく、総務部や人事の業務の中で、サポートしていければいいなと思いまして、チャレンジしてみようと思いました。」
「なるほどですね。ですが、人事をしてる人は、結構人見知りの人は少なくありませんよ。ぼくもそうですし。蒼井は、そんなことありませんが。」
「舞浜さんね。成田は、ぼくの教え子のなかでも、人一倍優しくてね。人事として時には、冷静に判断して対処しないといけないんですが、そこが少し苦手みたいでね。相手のことを一生懸命に考えてしまうやつなんですよ。それが彼の良さでもあると思うんですけどね。舞浜さん。もしご縁があって、入職となった時にね成田の下でサポートするポジションでしてくれるかな」
早速の、良い人財の囲い込みである。人事の僕たちの部署にはチームとして形成されているが、ぼく自身の下でサポートしてくれるひとはいなかった。そんなことを蒼井常務は考えてくれていた。確かにこの対応力と会話力があれば、総務人事の採用部の戦力は高くなるのは間違いない。だが人手的に欲しいが、誰でもいいわけではない。
「はい。是非させて頂きたいと思います。ですが未経験での分野の業種ですし、どこまで私自身がお役に立てるかが分かりませんが、一生懸命努めさせていただきたいと思います。1日も早く成田さんのもとでこれまでのスキルを発揮させて頂きたいです。こちらから、お願いさせていただきたいです。頑張ります。」
「承知しました。では、最後舞浜さんの方から、何か質問はございませんか?」
「採用の窓口と仰っておられましたが、ご縁があればいきなり面接の場に入るんですか?」
「そんなことはありません、もちろん我々の法人のことも理解しなきゃですし、まずは各病院の看護部長たちとのコミュニケーションからですね。」
「舞浜さん。その辺りは大丈夫そうですね。成田くん。では今後の流れを話してあげてください。」
「承知しました。では、今後の流れを説明しますね。このあと、1週間くらいお時間ください。その間に採否のご連絡をさせていただきます。今回のケースはこの一次面接で終了です。舞浜さんのお人柄を見るための今回の面接でした。舞浜さんは、思った通りの人でしたので、我々もとても良い面接になりました。来てくださってありがとうございました。また会えるのを楽しみにしております。」
こうして、『舞浜美雪』の面接は終わった。昨日感じていた以上の人柄と、雰囲気を持っていた人財であった。このあと、勿論蒼井常務と話をして決めるが、専務の方へもこのあと話をもっていくが、蒼井常務が良ければほぼほぼ採用といっても大丈夫であろう。今日の面接を終えて、益々舞浜美雪と仕事をすればもっと効率よくいろんな仕事が出来るであろうと思う。それぞれの僕たちのチームの負担も軽減されるであろうと感じた。
「蒼井常務。ありがとうございました。最後、あんな風に締めくくってしまいましたが、あれがぼくの答えです。舞浜美雪。彼女はどうですか?」
「申し分ないね。ハキハキしてるし、成田くんにはないものも持っているように思うよ。2人で良いコンビになりそうだね。成田くん。わたしは採用をしたいが、反論はあるかな?」
「異論ありません。あんな方がうちのチームに入ってくださればチームのみんなの負担も軽減できると思います。では、週明け専務に常務の方からお声がけしてくださってから、良ければもうすぐに連絡してみましょう」
「そうしよう。良い人がきてくれたね。成田くん。彼女の入職は大きいぞ。より一層精進していかなきゃな。成田くん」
「舞浜さん。保育園での勤務をされておられたようですが、ここでは、何歳児のクラスを見ておられたんですか?」
「はい。特に満遍なく担任はさせていただいておりましたが、私自身がしっくりきたのは、年長の5歳児クラスの担任が1番良かったと思います。保護者とのやり取りも密にとってましたし、園内の祭りごとも、全て年長のクラスを中心に動いていましたので、そこで全体の陣頭指揮を取るのも責任がありましてよかったです。簡単ではありませんでしたが、その分やり切った時の達成感がありました。そこがよかったです。」
「なるほどですね。ありがとうございます。」
「何か保育園では、担任以外で兼務されてたことはありますか?」
「主任のポジションで保育園全体の運営も、積極的に従事させてもらってます。」
「はい。職務経歴書に記載されてますね。ですが、ブランクがあるとはいえ、これだけの業務をされてこられてきたんであれば、また保育業務に携わればまたこれまでのスキルを活かすことが出来るのではないですか?」
気になっている事は、いろいろ話を聞くが、そんな質問に対しても機械的な返答ではなく柔らかく返答することができていて、でも間があるわけではなく、しっかりと間をおかずに我々が聴きたいことをピンポイントに応えられていた。
「もう一度保育をしようとも考えたのですが、人と話すことが好きです。人見知りはしない方ですし、保育園では周りをまとめてきておりました。ですので、職員の皆さんが働きやすい環境を提供していきたいと思ったのです。そう考えたときに、保育士という仕事ではなく、総務部や人事の業務の中で、サポートしていければいいなと思いまして、チャレンジしてみようと思いました。」
「なるほどですね。ですが、人事をしてる人は、結構人見知りの人は少なくありませんよ。ぼくもそうですし。蒼井は、そんなことありませんが。」
「舞浜さんね。成田は、ぼくの教え子のなかでも、人一倍優しくてね。人事として時には、冷静に判断して対処しないといけないんですが、そこが少し苦手みたいでね。相手のことを一生懸命に考えてしまうやつなんですよ。それが彼の良さでもあると思うんですけどね。舞浜さん。もしご縁があって、入職となった時にね成田の下でサポートするポジションでしてくれるかな」
早速の、良い人財の囲い込みである。人事の僕たちの部署にはチームとして形成されているが、ぼく自身の下でサポートしてくれるひとはいなかった。そんなことを蒼井常務は考えてくれていた。確かにこの対応力と会話力があれば、総務人事の採用部の戦力は高くなるのは間違いない。だが人手的に欲しいが、誰でもいいわけではない。
「はい。是非させて頂きたいと思います。ですが未経験での分野の業種ですし、どこまで私自身がお役に立てるかが分かりませんが、一生懸命努めさせていただきたいと思います。1日も早く成田さんのもとでこれまでのスキルを発揮させて頂きたいです。こちらから、お願いさせていただきたいです。頑張ります。」
「承知しました。では、最後舞浜さんの方から、何か質問はございませんか?」
「採用の窓口と仰っておられましたが、ご縁があればいきなり面接の場に入るんですか?」
「そんなことはありません、もちろん我々の法人のことも理解しなきゃですし、まずは各病院の看護部長たちとのコミュニケーションからですね。」
「舞浜さん。その辺りは大丈夫そうですね。成田くん。では今後の流れを話してあげてください。」
「承知しました。では、今後の流れを説明しますね。このあと、1週間くらいお時間ください。その間に採否のご連絡をさせていただきます。今回のケースはこの一次面接で終了です。舞浜さんのお人柄を見るための今回の面接でした。舞浜さんは、思った通りの人でしたので、我々もとても良い面接になりました。来てくださってありがとうございました。また会えるのを楽しみにしております。」
こうして、『舞浜美雪』の面接は終わった。昨日感じていた以上の人柄と、雰囲気を持っていた人財であった。このあと、勿論蒼井常務と話をして決めるが、専務の方へもこのあと話をもっていくが、蒼井常務が良ければほぼほぼ採用といっても大丈夫であろう。今日の面接を終えて、益々舞浜美雪と仕事をすればもっと効率よくいろんな仕事が出来るであろうと思う。それぞれの僕たちのチームの負担も軽減されるであろうと感じた。
「蒼井常務。ありがとうございました。最後、あんな風に締めくくってしまいましたが、あれがぼくの答えです。舞浜美雪。彼女はどうですか?」
「申し分ないね。ハキハキしてるし、成田くんにはないものも持っているように思うよ。2人で良いコンビになりそうだね。成田くん。わたしは採用をしたいが、反論はあるかな?」
「異論ありません。あんな方がうちのチームに入ってくださればチームのみんなの負担も軽減できると思います。では、週明け専務に常務の方からお声がけしてくださってから、良ければもうすぐに連絡してみましょう」
「そうしよう。良い人がきてくれたね。成田くん。彼女の入職は大きいぞ。より一層精進していかなきゃな。成田くん」
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