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西の地で

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「ちなみに、賞金首ランキングが必ずしも強さの順になっているわけじゃないの。武器には相性があるし、何より星4レアと星5レアでは、ランキングの上位に行く大変さが違うのよ」


それに関して真治はぼんやりと考えてはいたが、改めて言われると考え方は間違っていなかったのだと確信する。


「そうだなぁ。真治くんは星5レアだから、この街に一番多いと言われる星2の敵を殺した時に賞金額は30円上がる。星4レアの敵を殺しても、150円しか増えないんだよ。だけど星4レアの人が星2レアを殺したら70円増える。これが賞金額のトリックさ」


「それは貰えるお金と同じ判定なんですね……って。そ、それじゃあこの上位の人達は一体どれだけの人間を殺したんですか。なんか、計算が合わないような気が……」


この街の人数、そして表示されている賞金額に至るまでのことを考えると気が遠くなる感覚に襲われる。


「でね、賞金額は決闘で負けても減らない。勝った方はその賞金額が丸々自分の賞金額として加算されるわけだ。強い人と戦って勝てばランキングが上がるけれど、それ以上に今度は狙われる立場になる。難しいところだね」


そこまで説明されて、真治はようやく恵梨香に一緒に行くのを拒否された理由がわかった。


恵梨香も吹雪も、このランキングに載るほどに強く、数多くの地獄を見てきたのだろう。


それなのにこの街に来たばかりの、圏外の初心者が一緒に行きたいと言ったところで相手になどしてくれるはずがなかったのだ。
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