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罪と罰

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(このガキ……やっぱり偶然じゃなかったかよ。だけどまだ俺の敵じゃねぇな)


真治の動きを見て、戸惑い始めた手下達にため息をついて首を横に振った池田。


「おいおい、お前ら何ビビってんの? さっさと殺せって言ってるだろ? 言葉の意味わかってる?」


その殺意が満ちた言葉に震えた手下達が、慌てたように真治に向かって駆け出した。


「う、うおおおおおっ! カチコミの将也を舐めんじゃね……えぺっ!」


「あんたを倒せばもっといい生活が出来る! 色仕掛けの晶子が仕留めてみ……へべっ!」


「種馬の博文! 昼も夜も俺の戦いは終わらな……うっ!」


「企業戦士碇本! 名刺を武器に変え、社会という戦場から血で血を洗……うひっ!」


一斉に襲い掛かってて来た手下達を十分に引き付け、その場で回転して日本刀を横に振った真治。


西軍に侵攻して、確実に強くなっている実感と共に四人を斬り捨てて、その後ろから迫っている人の前に大きく一歩踏み込んで接近。


「ホテルマン相川……って、え?」


名乗りを終える前に、下に構えた日本刀を振り上げて、股から縦に真っ二つにする一撃。


残った手下は、その一瞬の出来事が理解出来ずに足を止めて。


ぱあっと光に溢れた屋上を見詰めて戦慄することしか出来ないでいるようだった。
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