東京バベルブレイカー～殺戮都市バベル～

襲い来る野獣

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日本刀を構え、一定距離を保ちつつ津堂の隙を探して横移動をする。


この空間はエスカレーター前ということもあり、少しだけ広い空間となっている。


飛び込むタイミングを窺い、スゥッと息を吐いて腰を落としたその時だった。


今まで真治の目の前にいた津堂が……短刀を構えて、左側から迫っていたのだ。


「えっ!?　嘘だろ！」


速いと言うより、動いたのが見えない異常な動き。


防御なと間に合わないと判断し、慌てて飛び退いたというのに短刀が左腕に突き刺さる。


先程ダメージを受けた場所に、的確に攻撃を加えて来る。


同じ場所を攻撃され、激痛に顔を歪める真治。


だが、ナイトに身体中の骨を砕かれた時と比べたら大したことはない。


飛び退き、ゴロゴロと床を転がりながら体勢を立て直して素早く日本刀を津堂に向けた。


だが、既に津堂は真治に距離を詰めて、短刀を頭部目掛けて振り下ろしていたのだ。


防御が間に合わないほどに早い。


ここから回避することも出来ず、恐怖だけが真治の心を支配し始める。


何とか避けようと身体を傾けたが、短刀は肩に深々と突き刺さったのだ。


攻撃をヒットさせて、すぐに飛び退く津堂に翻弄される。