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怒りの咆哮
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しおりを挟む「もう! これだから男は! 伝える事が出来ないウブな乙女心ってものを全然理解してないんだから!」
そう言われてもと、真治と黒井は顔を引きつらせる。
だが、羨ましいとも真治は感じていた。
自分が好きな人が、自分と同じくらい強く、一方的に守る関係ではなく背中を任せられる存在だというのは。
いつも傍にいられて、死の危険も少ないということではないか。
「悪かったね、これでも気遣ってるんだよ。それよりも、協力してくれるってんなら、一体何をしてくれるんだ? ただ津堂の場所まで案内するって言うだけなら、真治君が知っているから必要ないぞ?」
歩きながら、後ろにいる狩野達に黒井が尋ねた。
確かに協力と言っても、何をしてくれるのかはまだ二人にはわかっていなかった。
「状況がどうなってるかはわからないから、まず私と真冬で服を選びに来たって名目で内部を調べて来るよ。いくら私達が狩野派だからって、同軍の人間を無闇に襲うなんて危険は犯さないと思うし」
美優が、少し考えた後に口を開いた。
「私はどうすれば良い? 私がデパートに入れば、嫌でも津堂と小競り合いが起きると思うけど」
そんなことで小競り合いが起きるほど、津堂と狩野は仲が悪いのか。
「だったら、明ちゃんは外から侵入しやすい場所を探したり、見張りがどれくらいいるかを調べてよ」
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