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狂い始める歯車

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津堂という言葉に、真治の眉毛がピクリと動く。


誰の口からも出なかった名前が、黒井の口から出たかと、続きが気になる様子で。


「それで、どうしたんですか?」


「うん。北軍の二人が津堂と戦うなら、俺も混ざろうかと思ったんだけどさ、今回はチームプレイだからね。単独行動は控えたよ。えらいだろ?」


「……いや、黒井さんの事じゃなくて、津堂とその二人がどうなったか知りたいんですけど」


今の話の流れで、どうして黒井のことを聞きたいと思うのか、自分が大好きなのだろうと、ここにいる誰もがその印象を受けた。


「ああ、そっち? まあ、結果は津堂の辛勝……ってとこかな? 俺が混ざれば確実に殺せたとは思うけどね」


あの津堂が辛勝とは、そんなに強い人間が恵梨香や吹雪の他にも北軍にいる。


二対一とはいえ、津堂と良い戦いをしていたのだろうから。


「死んでくれてたら楽だったのにね。でもまあ、これで津堂がいるってわかったね。じゃあどうする? どこから入って、どう戦う?」


美優がPBMを取り出し、デパートを拡大してテーブルの上に置いた。


真治に伝えた内容を、もう一度黒井達に伝えた真冬。


色んな意見が飛び交い、一つの作戦が導き出された。


真治と黒井がやることは変わらない。


重要なのは、協力してくれる三人の動きだった。
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