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狂い始める歯車

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「理沙、俺は行ってくるから、ここで待っていてくれよ。絶対に迎えに来るから。約束だ」


長椅子に、分断された理沙の遺体を運んで、動かない理沙の右手の小指と、自身の左手の小指を絡ませた。


まるで眠っているような穏やかな表情。


泣くだけ泣いたおかげで、少しは気持ちが落ち着いたようだ。


それでも、心にポッカリと穴が空いたような感覚が残っているようで、その表情にはどこか寂しさがある。


デパート一階部分の奥。通路の方から戦闘の音が聞こえる。


日本刀を引き抜いて、真治は音がする方へと歩き出した。





「どうした、南軍最強が聞いて呆れる!」


「はっ! ただ逃げ回ってるやつがベラベラとよく言うぜ!」





声は近い。


その方に駆け寄ると、ショップの商品をなぎ倒しながら、黒井と津堂が武器を交えていた。


「津堂……見付けた」


黒井は、津堂と因縁があると言っていたけが、それなら真治にだって出来た。


一対一で戦いたいかもしれないが、それだと怒りが収まらない。


黒井が、動き回る津堂に向けてランスを突き付ける。


それを難なく回避して、短刀を振り上げようとした時だった。
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