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狂い始める歯車
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しおりを挟む「チッ! テメェッ! 俺の獲物だ! 手を出すな!!」
黒井はランスを手離し、ソードブレイカーを構えて津堂に飛び掛かった。
前後を真治と黒井に挟まれて、絶体絶命のピンチに津堂が出した答えは。
「分が悪い!」
そう判断すると同時に、通路の奥へと後退する。
「逃がすかよ!」
黒井が後を追い掛けたが、真治は一階の構造を思い出し、今来た道を引き返す。
津堂だけは、黒井よりも先に殺したい。
遠回りになるが、恵梨香を捕えている限りこのデパートから出ることはないだろうから、回り込むべきだ。
津堂にしてみれば二対一の状況、自軍とはいえこの戦いをどう感じているのか。
香月のような待ち構えるタイプなら狭い場所の方が得意だろうが、津堂は真治や黒井と同じような動き回るタイプだから、広い場所でなければ足を活かせない。
となると、広い場所で戦おうとするはずだ。
「そこまで行かせるかよ」
全力で走り、香月と戦ったエスカレーターの前のホールを通り過ぎた。
まだ姿は見えないようだが、真治の予想は外れていたのか。
いや、細かく金属音が聞こえる。
移動しながら戦っているから、速度が落ちているのだろう。
待ち構えるよりも迎え撃つと、真治は音のする方へと向かった。
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