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11話 別れの歌
少女は少し大人びた表情を言った。なぜ変わらないけど、胸が熱く苦しくなった。私の手に雫が落ちた。
少女が大人になる階段を登る瞬間を垣間見た。
「何か困ったことがあれば、気軽に声を掛けてね。手紙でもいいし、貴族の形式ばった先触れなどいいから、訪ねてきても構わないわ」
「…………」
「大丈夫、エドモンドの事は私は身を引くわ。彼を幸せにしてあげて。ただ、何か彼に異変があったらすぐに知らせてちょうだい。これはとても大事なことだからよろしくね」
私は涙を拭い、最大限優しく見えるように声も笑顔も作り、手を取りながら言い聞かせれば、彼女は頷いた。私は見送りが不要だと立ち上がるラミに手を振り辞去した。
外はもう暗くなっており、一番星が輝いていた。ちょうど、エドモンドが帰ってきた。
「申し訳ない……」
「何がですの?」
バツが悪そうな顔をする理事長になんでもないと笑った。くしゃりと泣き笑いするエドモンド。
「貴方は本当に素敵な人だ。貴方に出逢えた私は幸せだ。貴方にみたいに心が広く、優しい貴族女性に会ったことがない」
「仰るとおりね」
私は茶目っ気たっぷりにふふふっと笑った。
「君が受け入れてくれなければ、今の私はいない。だから、ずっと一生貴方は私の大切な人だ。何かあればいつでも助けるから」
「じゃあ当てにするわ。時々手紙でも書こうかしら」
「これを貴方に……」
ネモフィラとピンクのカーネーションを中心とした花束と包装された箱を渡されたネモフィラ花言葉は”どこでも成功”、ピンクのカーネーションは”あなたを決して忘れません”だったかしら。別れを連想するような辛気臭い花より段違いに嬉しい。
「ありがとう」
私は一歩進みだしたが、急に腕を捕まれたたらを踏んだ。
「綺麗な見た目に騙されてはいけない。よくよく人を見極めなければならない。貴方には幸せになってほしいから」
「……わかりましたわ」
真剣な眼差しで私を見ている。数秒見つめ合うが何も言わない。
「もう、行かなきゃ」
「そうだな。元気でな」
「今生の別れじゃないんだから、学校でまた会えるわ」
「そうだな。じゃあ気をつけて……」
「ええ、では失礼します」
私は待たせていた馬車に乗り込み王宮に向かった。
「アルちゃん」
「この度はお招きいただきありがとうございます」
ニコニコ嬉しそうにするアリスに出迎えられ、スカートをつまんで頭を下げた。
「さぁこっちだよ」
強引に手を引かれ、奥の方まで来てしまう。貴族が比較的自由に移動できるところではなく、王族の居住区の方まで来てしまう。
「ちょっとどこまで行くの?」
「え? 僕の部屋だけど」
「こんな夜にいくなんて、だめよ」
「え? なんで?」
「だって男女が二人で夜に私室に行くなんて……誤解されちゃうわ」
「ん? 何を? ご飯を食べるだけで何を誤解されると言うの?」
「だからあれよ、ぼ、房事よ……」
だんだんと顔が熱を帯びて、耳まで熱くなってしまった。
「それってやってはいけない事なの? 法律に違反するの?」
「そんなことはないけど……」
「じゃあ僕たちもやってみようよ。どんなことするの?」
そんな純粋な目で私を見ながらアリスは「楽しいのかな? でもアルちゃんと一緒なら絶対に楽しいよね」と無垢な笑顔で楽しいそうにしている。
――どんなことするのって……
「二人でキスしたり……裸になったり……キャッ! だめよ、ダメ! そういうのは恋人とか夫婦じゃなうといけないのよ。あかちゃんできちゃうわ」
まだ頬の熱が冷めないのにもっと顔を熱くして想像して首まで朱に染まり、慌てて言葉を紡いだ。
「そうなの? そんな事考えていたの? もうアルちゃんって見かけによらずエッチな娘なんだね。クスクス。僕はただマケールと一緒に三人でご飯を食べたかっただけなのに」
マケールは珍しい動物らしくひと目に触れられないように王子宮とその奥の山にしか行けない。
「いいわ、行きましょう」
もう顔が茹で上がりそうだ。恥ずかしくて思考がとっ散らかっている。堪らず先に進んだ。
アリスの部屋につくとマケールがフワッフワなしっぽをブンブン振って待っていた。拾った頃より大きくなって、今じゃ柴犬程の大きさになっている。パピヨンみたいな耳を撫ででやれば、気持ち良さそうに喉を鳴らした。満足するまで撫でてやれば、今度は私の顔を舐めだした。
「ちょっと、マケール!」
私は尻もちをついてしまったが、それでも構わず私の顔を舐めっている。
「おい、マケール」
「ごめん、顔洗ってきてもいいかしら」
もう涎でベトベトだったのでバスルームを借りた。
「僕のアルちゃんに何すんだ!? この駄犬」
「わんわんっ」
――ガブッ!
「痛っ! この糞犬。もうアルちゃんに会わせないぞ」
「きゅうきゅうきゅーん」
マケールはアリスフォードを切なさそうに見上げた。
「お手、おかわり、お座り……伏せ!」
マケールは従順に従った。
――ガチャ!
アルセナが顔を洗って戻ってきた。
「マケール、どうしたの?」
マケールはアルセナの頬に嬉しそうに頬を寄せた。
「さぁマケール行儀よくいい子にして、変身して椅子に座るんだ」
「え!? ……変身って」
――なに!!? 聞いてない。
少女が大人になる階段を登る瞬間を垣間見た。
「何か困ったことがあれば、気軽に声を掛けてね。手紙でもいいし、貴族の形式ばった先触れなどいいから、訪ねてきても構わないわ」
「…………」
「大丈夫、エドモンドの事は私は身を引くわ。彼を幸せにしてあげて。ただ、何か彼に異変があったらすぐに知らせてちょうだい。これはとても大事なことだからよろしくね」
私は涙を拭い、最大限優しく見えるように声も笑顔も作り、手を取りながら言い聞かせれば、彼女は頷いた。私は見送りが不要だと立ち上がるラミに手を振り辞去した。
外はもう暗くなっており、一番星が輝いていた。ちょうど、エドモンドが帰ってきた。
「申し訳ない……」
「何がですの?」
バツが悪そうな顔をする理事長になんでもないと笑った。くしゃりと泣き笑いするエドモンド。
「貴方は本当に素敵な人だ。貴方に出逢えた私は幸せだ。貴方にみたいに心が広く、優しい貴族女性に会ったことがない」
「仰るとおりね」
私は茶目っ気たっぷりにふふふっと笑った。
「君が受け入れてくれなければ、今の私はいない。だから、ずっと一生貴方は私の大切な人だ。何かあればいつでも助けるから」
「じゃあ当てにするわ。時々手紙でも書こうかしら」
「これを貴方に……」
ネモフィラとピンクのカーネーションを中心とした花束と包装された箱を渡されたネモフィラ花言葉は”どこでも成功”、ピンクのカーネーションは”あなたを決して忘れません”だったかしら。別れを連想するような辛気臭い花より段違いに嬉しい。
「ありがとう」
私は一歩進みだしたが、急に腕を捕まれたたらを踏んだ。
「綺麗な見た目に騙されてはいけない。よくよく人を見極めなければならない。貴方には幸せになってほしいから」
「……わかりましたわ」
真剣な眼差しで私を見ている。数秒見つめ合うが何も言わない。
「もう、行かなきゃ」
「そうだな。元気でな」
「今生の別れじゃないんだから、学校でまた会えるわ」
「そうだな。じゃあ気をつけて……」
「ええ、では失礼します」
私は待たせていた馬車に乗り込み王宮に向かった。
「アルちゃん」
「この度はお招きいただきありがとうございます」
ニコニコ嬉しそうにするアリスに出迎えられ、スカートをつまんで頭を下げた。
「さぁこっちだよ」
強引に手を引かれ、奥の方まで来てしまう。貴族が比較的自由に移動できるところではなく、王族の居住区の方まで来てしまう。
「ちょっとどこまで行くの?」
「え? 僕の部屋だけど」
「こんな夜にいくなんて、だめよ」
「え? なんで?」
「だって男女が二人で夜に私室に行くなんて……誤解されちゃうわ」
「ん? 何を? ご飯を食べるだけで何を誤解されると言うの?」
「だからあれよ、ぼ、房事よ……」
だんだんと顔が熱を帯びて、耳まで熱くなってしまった。
「それってやってはいけない事なの? 法律に違反するの?」
「そんなことはないけど……」
「じゃあ僕たちもやってみようよ。どんなことするの?」
そんな純粋な目で私を見ながらアリスは「楽しいのかな? でもアルちゃんと一緒なら絶対に楽しいよね」と無垢な笑顔で楽しいそうにしている。
――どんなことするのって……
「二人でキスしたり……裸になったり……キャッ! だめよ、ダメ! そういうのは恋人とか夫婦じゃなうといけないのよ。あかちゃんできちゃうわ」
まだ頬の熱が冷めないのにもっと顔を熱くして想像して首まで朱に染まり、慌てて言葉を紡いだ。
「そうなの? そんな事考えていたの? もうアルちゃんって見かけによらずエッチな娘なんだね。クスクス。僕はただマケールと一緒に三人でご飯を食べたかっただけなのに」
マケールは珍しい動物らしくひと目に触れられないように王子宮とその奥の山にしか行けない。
「いいわ、行きましょう」
もう顔が茹で上がりそうだ。恥ずかしくて思考がとっ散らかっている。堪らず先に進んだ。
アリスの部屋につくとマケールがフワッフワなしっぽをブンブン振って待っていた。拾った頃より大きくなって、今じゃ柴犬程の大きさになっている。パピヨンみたいな耳を撫ででやれば、気持ち良さそうに喉を鳴らした。満足するまで撫でてやれば、今度は私の顔を舐めだした。
「ちょっと、マケール!」
私は尻もちをついてしまったが、それでも構わず私の顔を舐めっている。
「おい、マケール」
「ごめん、顔洗ってきてもいいかしら」
もう涎でベトベトだったのでバスルームを借りた。
「僕のアルちゃんに何すんだ!? この駄犬」
「わんわんっ」
――ガブッ!
「痛っ! この糞犬。もうアルちゃんに会わせないぞ」
「きゅうきゅうきゅーん」
マケールはアリスフォードを切なさそうに見上げた。
「お手、おかわり、お座り……伏せ!」
マケールは従順に従った。
――ガチャ!
アルセナが顔を洗って戻ってきた。
「マケール、どうしたの?」
マケールはアルセナの頬に嬉しそうに頬を寄せた。
「さぁマケール行儀よくいい子にして、変身して椅子に座るんだ」
「え!? ……変身って」
――なに!!? 聞いてない。
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