★完結 【R18】変態だらけの18禁乙女ゲーム世界に転生したから、死んで生まれ変わりたい

石原 ぴと

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閑話 アリスフォード幼少時代

「はぁーみんな莫迦ばっかりだなぁ~。こんな馬鹿ばっかの国で王様やるなんて面倒だな。あーあ、お菓子でも食いまくりたい」

 王子なんかに生まれて、僕の人生真っ暗だ。唯一の楽しみであるお菓子も食べ過ぎて虫歯になり、母親である王妃に禁止されている。

 芝生に寝転び空を仰ぐ。曇天は灰色一色。僕の心を映してるようだった。




――ちゅっ

 水色の髪の少女の頬にキスをした。僕は笑って「かわいいね」と天使の笑顔を振りまいた。この僕の緩やかなウェーブがかかった金髪も翠色の目も、大聖堂にある天使の壁画のイメージ通りらしい。僕は神なんて信じてないから、見たこと無いけど。神なんて支配者の都合によって創られた偶像だから。

 この頃、僕は国の為と武装して、それを剥ぎ取れば己の利益を貪り食わんとする貴族たちに辟易してた。元老院はじじいが居座って、老害を与えてる。同世代の貴族令嬢は、着飾ることとお茶会や女子同士のマウンティング、恋愛に脳内を占めていて、ちょっと粉を降ってやればベラベラと家の秘密を喋る馬鹿ばっか。

「この事は誰にも内緒だよ。約束出来る?」

 真っ赤な顔で頷くこの令嬢の名は……忘れた。覚えているのは家名だけ。この子の父親が密輸してるらしいから、それを暴こうと仲良くしようとしてるだけだ。

「僕たち……秘密の関係だよね」

 彼女は頷く。

「君の秘密、教えてよ」
「そんなのないわ」
「じゃあ君の家の秘密とかは無いのかな? 」
「ないわ」
「母親が……父親が大事にしている者とか、君が近寄れない場所とかある?」
「……ないわ」

 彼女は真っ直ぐ僕を見てた目を斜め上に逸して少し考えた。ビンゴ。

「今……何を思ったの? 他の男の子とでも考えてたの? 僕、悲しいな」
「ち、違うわ。時々お父様は家に居るはずなのにどこを探してもいないときがあるなって。ただそれだけななのよ」
「ふーん面白いね。そういうときはどこから現れる事が多いの?」
「厨房の方から来ることが多いわ」
「ふーん、面白いね」




「こんばんわ」

 マルヌス伯爵はゴクリと唾を飲んだ。彼の娘と同じ水色の髪はくすんでいる。ここはマルクス伯爵の秘密の地下室。酒に煙草等の密輸品が沢山置いてある。

「ど、どうしてここが!?」
「さぁ」

 酒、煙草、一部の宿、レストラン、宝石は贅沢品なので特別に重い関税と消費税が掛けられている。正規の値段で買えば半分以上が税金だ。だからこの男は関税を通らずに安く輸入して売り捌いていた。

 男は捕縛され、広場で公開処刑された。
 僕の物この国に手を出したのが悪かった。欲しくないけど、仕方がない。でもなるべく将来的に、どうにか無能をアピールして弟のヨハイムに押し付けようとしている。
 僕は手柄を父である王の忠臣で親友でもあるクリマスタ公爵に押し付けた。




「殿下困ります」

 手柄を押し付けたクリマスタ公爵閣下が困った顔して言った。何もしてないのに、報酬として金の鉱山の権利書をやったからだった。

「手柄を立てたものに何もあげないに行かないでしょう。いつも父を支えて頂き、感謝しています」

 僕は、頭下げた。勘違いしないでほしいが、僕は立派な人物にはきちんと敬意を払う。

「そのお気持ちだけで十分です」

 閣下はそう言って、権利書を僕の手に押し返した。くれるって言うのだから、貰っとけばいいのになと思った。でも、そんな所が信用にたる人物だとも思う。

「じゃあ、クレマスタ公爵の御令嬢……僕のお嫁さんにしてあげましょうか?」

 気まぐれで言った言葉だった。でも、数少ない尊敬出来る大人である閣下がとても大事にしている娘だから、前から気になっていたから出た言葉だったのかもしれない。

「御遠慮致します。娘は愛しあった人と結婚しますから。それに、公爵家を継がすので、嫁にやる予定は絶対ございません」

 不快感露わに断られ、正直喜ぶと思っていたから面白くなかった。

「じゃあ、今度会わせてくださいませんか?」 

 僕は自分の認めた人物に認められていない事実を前に意地になっていたんだ。然し、閣下は苦虫を噛み潰したような顔をして、言葉を濁した。僕は両親を利用してでも絶対にクレマスタ公爵令嬢に会ってやろうと心に誓った。
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