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24話 泥水を啜る鼠
彼はドアを開けて入室した。フードを被っていて顔は見えない。背は高くない。
「あれ? ボス、今日は顔を出さない予定ではないのですか? えー、振られたんですか?」
「五月蠅い! ジュード、貴様殺すぞ……」
「えー僕が死んだら、回らなくなりますよ、いいんですかね。それにアルセナ嬢にボスの日頃の行いを吹聴してしまうかもしれません」
ボスは腰にぶら下げた剣を抜いた。スラリとした刀剣が光を受けて光る。それを見た男はからかう様な表情を浮かべるだけで平然としていた。茶色の髪に薄い黄緑色の瞳。平民には着れない高価な衣服を着ている。顔は、万人が振り返る程の美男子ではないが、それなりに整っていて、爽やかな顔をしている。その女受けしそうなその顔には軽薄そうな笑みを浮かべている。
「ちっ忌々しい」
ボスは舌打ちをし、睨めつけた。そして剣を仕舞う時、剣をタクトの様に、空中に振った。
すると壁の書庫が崩れ落ちた。中にあった本や資料が切り刻まれている。
「あぁ゛ーーーーーーーーっ!!!!!帳簿や資料がぁーーー」
ボスはとっても愉快そうにくつくつと喉の奥を鳴らして笑った。
「フフフッ。また全てやり直しだな」
帳簿や資料を作り直す膨大な時間がかかる事に泣きそうになりながら項垂れ、そして怒りを灯した目でボスを睨め上げた。
「今日こそは、無理にでもモノのするっていいってたのに……ぷぷっ怖気づいたんですかぁ? 嫌われたくなくて」
ボスは言葉に詰まった。図星だったからだ。想い人をめちゃくちゃに犯してやりたいぐらい好きでたまらないが、それ以上に嫌われるのが死ぬほど怖い。ボスの良心である彼女に、もし嫌わればこの国を滅ぼしてしまうだろう。
「ジュード……五月蠅い、黙れ!」
ボスはジュードを蹴り飛ばした。吹っ飛んだジュードは崩れた書庫ぶつかり座り込む。ボスは剣を抜きジュードの肩に刺した。更にグリグリと回し剣をめり込ました。ジュードは悲痛な声を上げ泣きそうになっている。否、泣いている。
「ボスゥ~、なおしてくださいぃぃぃぃぃお願いしますーーーー」
「あ゛あ゛っん!? 知るか。その口も二度と訊けないようにしてやろうか?」
彼は首がおかしくなりそうなほど精一杯首を振った。ボスは機嫌が良さそうに鼻で笑った。
――コンコン
誰かがボスの執務室のドアを叩いた。
「入れ」
ピンク色の髪をした男が入って来た。
「ちあーす。今日、娼館に入る女の子が来たんすけどーー、ボス相手します?」
「いらない」
「そっすか、じゃあ……」
男は辺りを見渡して、適任が居ないか探し、見当たらなかったので部屋を去ろうとした。
「待て。俺で良かったら、しょうがないから女性の教育係をしてもいいよ」
「…………いいっす。ジュードさん、女の子たちに評判悪いんすよね。おっぱいばっかりねちっこく攻めてちょっと気持ち悪いって。じゃあ、ボス失礼します」
ピンク頭派手な男は去っていった。ジュードは悔しそうにこっそり拳を握りしめた。
それを見てボスはくつくつと笑った。ジュードは悔しくて余計なことを口にして、治癒魔法を掛けてもらう機会を無くした。
「ボスは童貞ですもんね。初めてはアルちゃんとなんて思ってるんですよね」
「それの何が悪い。お前みたいな節操なしの汚物よりマシだ」
再びドアが開き、ピンク頭が姿を現した。
「ボス。サーセン。ちょっといいっすか? 女の子が客に怪我させられちゃったんで、治療してもらっていいっすか?」
「ああ」
ボスは振り向き言った。
「俺が戻るまで片付けておけよ」
さっさと部屋を出て、ボスは怪我人の元へ向かった。ジュードの断末魔がボスの執務室響いた。
「あれ? ボス、今日は顔を出さない予定ではないのですか? えー、振られたんですか?」
「五月蠅い! ジュード、貴様殺すぞ……」
「えー僕が死んだら、回らなくなりますよ、いいんですかね。それにアルセナ嬢にボスの日頃の行いを吹聴してしまうかもしれません」
ボスは腰にぶら下げた剣を抜いた。スラリとした刀剣が光を受けて光る。それを見た男はからかう様な表情を浮かべるだけで平然としていた。茶色の髪に薄い黄緑色の瞳。平民には着れない高価な衣服を着ている。顔は、万人が振り返る程の美男子ではないが、それなりに整っていて、爽やかな顔をしている。その女受けしそうなその顔には軽薄そうな笑みを浮かべている。
「ちっ忌々しい」
ボスは舌打ちをし、睨めつけた。そして剣を仕舞う時、剣をタクトの様に、空中に振った。
すると壁の書庫が崩れ落ちた。中にあった本や資料が切り刻まれている。
「あぁ゛ーーーーーーーーっ!!!!!帳簿や資料がぁーーー」
ボスはとっても愉快そうにくつくつと喉の奥を鳴らして笑った。
「フフフッ。また全てやり直しだな」
帳簿や資料を作り直す膨大な時間がかかる事に泣きそうになりながら項垂れ、そして怒りを灯した目でボスを睨め上げた。
「今日こそは、無理にでもモノのするっていいってたのに……ぷぷっ怖気づいたんですかぁ? 嫌われたくなくて」
ボスは言葉に詰まった。図星だったからだ。想い人をめちゃくちゃに犯してやりたいぐらい好きでたまらないが、それ以上に嫌われるのが死ぬほど怖い。ボスの良心である彼女に、もし嫌わればこの国を滅ぼしてしまうだろう。
「ジュード……五月蠅い、黙れ!」
ボスはジュードを蹴り飛ばした。吹っ飛んだジュードは崩れた書庫ぶつかり座り込む。ボスは剣を抜きジュードの肩に刺した。更にグリグリと回し剣をめり込ました。ジュードは悲痛な声を上げ泣きそうになっている。否、泣いている。
「ボスゥ~、なおしてくださいぃぃぃぃぃお願いしますーーーー」
「あ゛あ゛っん!? 知るか。その口も二度と訊けないようにしてやろうか?」
彼は首がおかしくなりそうなほど精一杯首を振った。ボスは機嫌が良さそうに鼻で笑った。
――コンコン
誰かがボスの執務室のドアを叩いた。
「入れ」
ピンク色の髪をした男が入って来た。
「ちあーす。今日、娼館に入る女の子が来たんすけどーー、ボス相手します?」
「いらない」
「そっすか、じゃあ……」
男は辺りを見渡して、適任が居ないか探し、見当たらなかったので部屋を去ろうとした。
「待て。俺で良かったら、しょうがないから女性の教育係をしてもいいよ」
「…………いいっす。ジュードさん、女の子たちに評判悪いんすよね。おっぱいばっかりねちっこく攻めてちょっと気持ち悪いって。じゃあ、ボス失礼します」
ピンク頭派手な男は去っていった。ジュードは悔しそうにこっそり拳を握りしめた。
それを見てボスはくつくつと笑った。ジュードは悔しくて余計なことを口にして、治癒魔法を掛けてもらう機会を無くした。
「ボスは童貞ですもんね。初めてはアルちゃんとなんて思ってるんですよね」
「それの何が悪い。お前みたいな節操なしの汚物よりマシだ」
再びドアが開き、ピンク頭が姿を現した。
「ボス。サーセン。ちょっといいっすか? 女の子が客に怪我させられちゃったんで、治療してもらっていいっすか?」
「ああ」
ボスは振り向き言った。
「俺が戻るまで片付けておけよ」
さっさと部屋を出て、ボスは怪我人の元へ向かった。ジュードの断末魔がボスの執務室響いた。
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