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66話 エバン視点②
「はぁ~」
あれからまだ姫から声が掛からなない。ハンカチをだして鼻に当て息を吸い込む。もう姫のコロンの匂いは飛んでしまった。
別の女の香りがふわりと風に乗って漂う。幼馴染のリーだ。いまだ帰らない。本当に邪魔だから帰ってほしい。だれか引き取り先を探して、俺の生家であるスペンサー家へ手紙を出したがまだ返事がない。
「んーー」
透け感のあるネグリジェを着たリーが体を体を伸ばしている。こんなにエロい状況でも俺も俺の息子もなんとも思わない。それほどまで姫に縛られている自身に嬉しくて酔いしれてしまいそうだ。ニヤけてしまう。リーと目があった。ベットから降りて、床に座っている俺の側にやってきてキスをしようとしたが、アイアンクローで防いだ。
「あっわりー」
「もうっ、エバンったら、紳士なんだから」
えっ!? ちげー。どうやらニヤけた俺の顔を見て微笑んだと誤解して、俺が大切にしているから、手を出さないと思ったみたいだ。そもそもこの女はすべての男が自分に気があると思っている節が前からあった。
「…………? あーあれだな、飯くおう」
「そうね」
いちいち俺の肩に触ってくるリーに少し辟易する。最初は避けていたんだが、自結婚前だから自分を大事にしてくれていると思い込んでいて、特になんとも思わないのでもう面倒だから避けるのもやめてしまっている。
本来であれば家族以外を泊めることなど出来ないのだが、今は魔物の襲来で困っている人が多く他の騎士も家族や知人を泊めているから、リーが俺の部屋に泊まることも許されている。ベットはシングル一つしかないので俺は床で寝ている。野営でなれているので、大したことはない。
今日のっていうか、いつもの朝食はパンとスープだ。
「あーお肉が食べたいわ。アルセナ嬢は毎日ご馳走食べてるんでしょうね」
リーは俺をチラリと見た。
「デザートもお菓子も全然食べてないわ。エバンが持ってきたクッキーは子供にすべてあげちゃうし……全く気が利かないわね」
「あれは姫が子供にってくれたんだ。…………はぁー、今度もらったらお前にもやるから……」
「本当!? ありがとう。エバン大好き」
「ああ」
「照れちゃって」
――照れてない。
「なぁ、なんで俺んとこきた?」
「それは~エバンを忘れられなかったからに決まってるでしょ」
「嘘つけ。嘘つくとき僅かに拳を握る癖まだ治って無かったんだな」
「ウソッ。動かしてないはず!」
「普通ならわからないけど、俺レベルなると微かに動くだけでわかるんだよ」
「当てずっぽでしょ!?」
リー側に立ち、テーブルに腕を付いて顔を覗き込んだ。僅かに
「何を隠してるんだ」「もう、先に行ってるからな」
食器を片付けて、畑に向かった。
魔王襲来から2ヶ月経ったが、まだまだ食糧不足に魔物も多く一般人には都市間を移動できない。
井戸から水を汲んできて、野菜に水をやる。毎朝日課になった。綺麗な花が咲き誇る庭園は、野菜畑になった。
「あ……アルセナ…姫…あっ」
姫が玄関から出てきた。浮いた心が落胆する。アリスフォードが一緒だったからだ。胸が苦しい。アリスフォードが彼女の髪にキスをして、抱きしめた。胸がチリチリとした。自身の腕の中にいるアルセナを夢想した。きっと馨しく耽美だろう。最初はただ側にいて守れるだけでよかったのに。恋慕を抱くだなんて姫の騎士失格だ。アリスフォード笑って手を振っているアルセナを見て、胸の苦痛は取れて、彼女が幸せならそれでいいと心から思えた。
「エバンお待たせ!」
「お前と暮らすの悪くないのかもしれないな」
リーは寡婦だし、幼馴染だから気楽に暮らせるかも。それに結婚してれば諦められるだろう……。
「もうーエバンたらやっだぁ」
――いてぇバシバシ叩くな。
腕を組んできたが、面倒なのでそのままスルーした。
「そうよね。一緒にスペンサー辺境伯家を継ぐのもいいかもね。私のことずっと想ってたのね」
「え?」
――そうじゃないし、俺、後継から外してもらったんだけど……姫の護衛やめるつもりないんだけど。全く俺の表情には気づいていない。
「私を嫁にもらうには、伯爵以上の爵位がないとね。友達に見下されたくないもの」
「それって友達っていうのか?」
「令嬢の世界は、本人の家格に容姿、それに婚約者の家格と容姿などによって格付けされるのよ。それによって誘われるお茶会のレベルも違うのよ」
「めんどくせぇけど、そういう連中も一定数いるな。姫は心も美しいからそんなことで差別しないけどな」
「えーーっ! 私の前で他の女褒めるなんてありえないんですけどー」
俺は無視して畑を耕した。
あれからまだ姫から声が掛からなない。ハンカチをだして鼻に当て息を吸い込む。もう姫のコロンの匂いは飛んでしまった。
別の女の香りがふわりと風に乗って漂う。幼馴染のリーだ。いまだ帰らない。本当に邪魔だから帰ってほしい。だれか引き取り先を探して、俺の生家であるスペンサー家へ手紙を出したがまだ返事がない。
「んーー」
透け感のあるネグリジェを着たリーが体を体を伸ばしている。こんなにエロい状況でも俺も俺の息子もなんとも思わない。それほどまで姫に縛られている自身に嬉しくて酔いしれてしまいそうだ。ニヤけてしまう。リーと目があった。ベットから降りて、床に座っている俺の側にやってきてキスをしようとしたが、アイアンクローで防いだ。
「あっわりー」
「もうっ、エバンったら、紳士なんだから」
えっ!? ちげー。どうやらニヤけた俺の顔を見て微笑んだと誤解して、俺が大切にしているから、手を出さないと思ったみたいだ。そもそもこの女はすべての男が自分に気があると思っている節が前からあった。
「…………? あーあれだな、飯くおう」
「そうね」
いちいち俺の肩に触ってくるリーに少し辟易する。最初は避けていたんだが、自結婚前だから自分を大事にしてくれていると思い込んでいて、特になんとも思わないのでもう面倒だから避けるのもやめてしまっている。
本来であれば家族以外を泊めることなど出来ないのだが、今は魔物の襲来で困っている人が多く他の騎士も家族や知人を泊めているから、リーが俺の部屋に泊まることも許されている。ベットはシングル一つしかないので俺は床で寝ている。野営でなれているので、大したことはない。
今日のっていうか、いつもの朝食はパンとスープだ。
「あーお肉が食べたいわ。アルセナ嬢は毎日ご馳走食べてるんでしょうね」
リーは俺をチラリと見た。
「デザートもお菓子も全然食べてないわ。エバンが持ってきたクッキーは子供にすべてあげちゃうし……全く気が利かないわね」
「あれは姫が子供にってくれたんだ。…………はぁー、今度もらったらお前にもやるから……」
「本当!? ありがとう。エバン大好き」
「ああ」
「照れちゃって」
――照れてない。
「なぁ、なんで俺んとこきた?」
「それは~エバンを忘れられなかったからに決まってるでしょ」
「嘘つけ。嘘つくとき僅かに拳を握る癖まだ治って無かったんだな」
「ウソッ。動かしてないはず!」
「普通ならわからないけど、俺レベルなると微かに動くだけでわかるんだよ」
「当てずっぽでしょ!?」
リー側に立ち、テーブルに腕を付いて顔を覗き込んだ。僅かに
「何を隠してるんだ」「もう、先に行ってるからな」
食器を片付けて、畑に向かった。
魔王襲来から2ヶ月経ったが、まだまだ食糧不足に魔物も多く一般人には都市間を移動できない。
井戸から水を汲んできて、野菜に水をやる。毎朝日課になった。綺麗な花が咲き誇る庭園は、野菜畑になった。
「あ……アルセナ…姫…あっ」
姫が玄関から出てきた。浮いた心が落胆する。アリスフォードが一緒だったからだ。胸が苦しい。アリスフォードが彼女の髪にキスをして、抱きしめた。胸がチリチリとした。自身の腕の中にいるアルセナを夢想した。きっと馨しく耽美だろう。最初はただ側にいて守れるだけでよかったのに。恋慕を抱くだなんて姫の騎士失格だ。アリスフォード笑って手を振っているアルセナを見て、胸の苦痛は取れて、彼女が幸せならそれでいいと心から思えた。
「エバンお待たせ!」
「お前と暮らすの悪くないのかもしれないな」
リーは寡婦だし、幼馴染だから気楽に暮らせるかも。それに結婚してれば諦められるだろう……。
「もうーエバンたらやっだぁ」
――いてぇバシバシ叩くな。
腕を組んできたが、面倒なのでそのままスルーした。
「そうよね。一緒にスペンサー辺境伯家を継ぐのもいいかもね。私のことずっと想ってたのね」
「え?」
――そうじゃないし、俺、後継から外してもらったんだけど……姫の護衛やめるつもりないんだけど。全く俺の表情には気づいていない。
「私を嫁にもらうには、伯爵以上の爵位がないとね。友達に見下されたくないもの」
「それって友達っていうのか?」
「令嬢の世界は、本人の家格に容姿、それに婚約者の家格と容姿などによって格付けされるのよ。それによって誘われるお茶会のレベルも違うのよ」
「めんどくせぇけど、そういう連中も一定数いるな。姫は心も美しいからそんなことで差別しないけどな」
「えーーっ! 私の前で他の女褒めるなんてありえないんですけどー」
俺は無視して畑を耕した。
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