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後日譚 お散歩
「おはよう、お姫様」
私の頭に私の騎士で夫であるエバンがキスをした。
朝日どころか、陽は真上に上っていてとっても眩しい。
「おはよう、私の旦那様」
昨日は私の夫で元王子の裏社会のボスであるアリスに抱き潰されそのまま気絶するように眠ってしまった。体を伸ばすが、痛くてだるい。
「先にご飯食べるか?」
部屋にあるテーブルの上にはサンドイッチなどの軽食が並んでいた。
「ミルクだけのんで、散歩でもして体動かさないと」
散歩でもして軋んだ体を動かさないとだるくて仕方がないのだ。
何故か、エバンが“清浄”して服を着せてくれた。もう、いつものことなので、裸を見られた恥ずかしさはなかったが、アリスとの行為のあとにエバンと会うと未だに罰の悪さを感じ慣れない。
やけに緊張した顔をしているエバンがおずおずとリードを差し出した。これを首輪につけて散歩してほしいと顔を赤らめ言った。最初は首輪を色々な人に突っ込まれるたびに、私が所有者という証で他の物語る手を出さぬようにつけて差し上げたのですと言っていたが、今ではそれも普通で他のご令嬢やご子息も異性の護衛騎士につけるのが少しだけ流行したのだ。今度のリードも流行るのだろうかと……物思いに耽けるがそれはないなと頭を振った。
そういえば、アルセナ命という入れ墨を彫ろうとしたときは、ダサいから心の底からやめてくれと懇願したことを思い出した。
最初は恥ずかしそうに反らしていた目が焦れて私を懇願するようにじっと見つめていた。彼の手からリード受け取り、首輪につけてやれば、花が綻ぶような笑みを浮かべた。年上なのにも関わらず、素直に感情を現す彼のこういう所がとても可愛らしく好きで愛おしい。彼の頬を撫でると強請るように手にすり寄ってきた。
「行きましょうか」
頬を僅かに染め、喜色と緊張が入り混じった顔で私の半歩後ろを歩いている。
「あら? アルセナさんお出かけですの?」
エバンの幼馴染で元婚約者であったリーネルは今は私の義母である。なんとお父様を射止めたのだ。彼女は、贅沢好きで私よりも沢山散財するが、莫大な財産持つ公爵家からしたら問題ない程度だから、私も許容している。裏社会のボスとして君臨してる私の夫であるアリスも娼館やカジノなどを経営しすこぶる稼ぎがよく、然しお金の使い道がなく経済が停滞してしまうので、寧ろいいのかもしれない。アリスお父様はリーネルを半分娘のように可愛がっている。案外立場がわかっているのか、私に不快な思いをさせることはなく、意外と話しやすい。他の令嬢とは話せないようなあけすけな話も彼女とは出来た。だからお父様は結婚したのだろうと思う。
「ええ」
「リード素敵です。いかにも私のモノって言う感じがいいですね」
「その通りですが、人のことモノって言うのはあまり好きではないんです」
「あら失礼。いってらっしゃい」
「リーネルさんもお気をつけて」
「ええ、では馬車をまたしているので失礼しますわ」
リーネルは出かけるようだ。よそ行き用のドレスに身を包み、豪華な宝石を身に着け、派手なハットを被っている。その豪華な宝石はアリスが魔王化した時に、当時高騰していた小麦と交換で手に入れた物だ。10カラット以上の貴石でその宝石の最上級品は銘が付のだけども、そんな貴重な家宝になるような宝石を大量にアリスが巻き上げていた事に関しては、ヤクザかと思った。私は大きな宝石は肩が凝るし綺麗だとは思うけど、あまり必要ではないのでリーネルにあげて、余った部分は元の持ち主返してあげたけど…………それ以降、なんだか憧れの入り混じったような変な目で見られ、居たたまれない。恥ずかしいことに王国のデルフィニウムとか呼ばれている。
リーネルは公爵夫人として、お茶会にパーティと忙しなく出席し、派閥を作っているようだ。何やら新たな社交界の女王に成ろうとしているらしい。本来なら王妃様を除く王国の一地位の高い私がリードすべき社交界を受け持ってくれて、他者との駆け引きやコミュニケーションに疲れる果ててしまう私にとって、とても有難いと彼女の背中を見送りながら思った。
庭園に出ると金木犀の強い花の香りが漂っている。懐かしいと反射的に思う。この庭園にはたくさんの金木犀が植えられていた。
「なにか思い出でもあるのか?」
「なんで?」
「だってなんかいつもこの季節、金木犀を見てその顔をするから」
「ああ」
私は前世の家に金木犀が植えられていたことを話した。毎年この季節は朝から金木犀いい匂いに嬉しくなって学校に行っていたけ……。
本来この辺りに自生して無いはずの金木犀はお父様と旅行行ったときに見つけ、お父様がたくさん植えてくれたのだ。この世界で初めての見た時に、その香りに一気に前世の家族との思い出が蘇り、涙しながら見つめていたから、よっぽど気に入ったとお父様はおもったのだろうか。
暫く庭園をぶらついて、また金木犀の所に戻ると私の部屋テーブルに並んでいた軽食が今度はシートの上に並んでいた。驚いてエバンの顔を見ると、かわいいいたずらが成功した子供みたいな顔で笑ったので彼の仕業だとわかった。
「ありがとう」
「どういたしまして」
秋晴れの空の下、少し涼しくなった風が吹く。
「あーん」
エバンが大きな口を開けて、強請るのでローストポークを彼の口に放り込んだ。エバンは二人きりのときだけとっても甘えん坊である。アリスみたいに常にくっついてくるわけじゃないのだけれども、よく何かをして欲しがった。
例えば、手作りクッキーを作って欲しがったり、頭を洗って欲しがったりなどだ。
また風に乗って、一際強い金木犀の香りが運ばれてきた。懐かしかった香りが、幸せな香りに上乗せされる。いつもの日常だ。
私の頭に私の騎士で夫であるエバンがキスをした。
朝日どころか、陽は真上に上っていてとっても眩しい。
「おはよう、私の旦那様」
昨日は私の夫で元王子の裏社会のボスであるアリスに抱き潰されそのまま気絶するように眠ってしまった。体を伸ばすが、痛くてだるい。
「先にご飯食べるか?」
部屋にあるテーブルの上にはサンドイッチなどの軽食が並んでいた。
「ミルクだけのんで、散歩でもして体動かさないと」
散歩でもして軋んだ体を動かさないとだるくて仕方がないのだ。
何故か、エバンが“清浄”して服を着せてくれた。もう、いつものことなので、裸を見られた恥ずかしさはなかったが、アリスとの行為のあとにエバンと会うと未だに罰の悪さを感じ慣れない。
やけに緊張した顔をしているエバンがおずおずとリードを差し出した。これを首輪につけて散歩してほしいと顔を赤らめ言った。最初は首輪を色々な人に突っ込まれるたびに、私が所有者という証で他の物語る手を出さぬようにつけて差し上げたのですと言っていたが、今ではそれも普通で他のご令嬢やご子息も異性の護衛騎士につけるのが少しだけ流行したのだ。今度のリードも流行るのだろうかと……物思いに耽けるがそれはないなと頭を振った。
そういえば、アルセナ命という入れ墨を彫ろうとしたときは、ダサいから心の底からやめてくれと懇願したことを思い出した。
最初は恥ずかしそうに反らしていた目が焦れて私を懇願するようにじっと見つめていた。彼の手からリード受け取り、首輪につけてやれば、花が綻ぶような笑みを浮かべた。年上なのにも関わらず、素直に感情を現す彼のこういう所がとても可愛らしく好きで愛おしい。彼の頬を撫でると強請るように手にすり寄ってきた。
「行きましょうか」
頬を僅かに染め、喜色と緊張が入り混じった顔で私の半歩後ろを歩いている。
「あら? アルセナさんお出かけですの?」
エバンの幼馴染で元婚約者であったリーネルは今は私の義母である。なんとお父様を射止めたのだ。彼女は、贅沢好きで私よりも沢山散財するが、莫大な財産持つ公爵家からしたら問題ない程度だから、私も許容している。裏社会のボスとして君臨してる私の夫であるアリスも娼館やカジノなどを経営しすこぶる稼ぎがよく、然しお金の使い道がなく経済が停滞してしまうので、寧ろいいのかもしれない。アリスお父様はリーネルを半分娘のように可愛がっている。案外立場がわかっているのか、私に不快な思いをさせることはなく、意外と話しやすい。他の令嬢とは話せないようなあけすけな話も彼女とは出来た。だからお父様は結婚したのだろうと思う。
「ええ」
「リード素敵です。いかにも私のモノって言う感じがいいですね」
「その通りですが、人のことモノって言うのはあまり好きではないんです」
「あら失礼。いってらっしゃい」
「リーネルさんもお気をつけて」
「ええ、では馬車をまたしているので失礼しますわ」
リーネルは出かけるようだ。よそ行き用のドレスに身を包み、豪華な宝石を身に着け、派手なハットを被っている。その豪華な宝石はアリスが魔王化した時に、当時高騰していた小麦と交換で手に入れた物だ。10カラット以上の貴石でその宝石の最上級品は銘が付のだけども、そんな貴重な家宝になるような宝石を大量にアリスが巻き上げていた事に関しては、ヤクザかと思った。私は大きな宝石は肩が凝るし綺麗だとは思うけど、あまり必要ではないのでリーネルにあげて、余った部分は元の持ち主返してあげたけど…………それ以降、なんだか憧れの入り混じったような変な目で見られ、居たたまれない。恥ずかしいことに王国のデルフィニウムとか呼ばれている。
リーネルは公爵夫人として、お茶会にパーティと忙しなく出席し、派閥を作っているようだ。何やら新たな社交界の女王に成ろうとしているらしい。本来なら王妃様を除く王国の一地位の高い私がリードすべき社交界を受け持ってくれて、他者との駆け引きやコミュニケーションに疲れる果ててしまう私にとって、とても有難いと彼女の背中を見送りながら思った。
庭園に出ると金木犀の強い花の香りが漂っている。懐かしいと反射的に思う。この庭園にはたくさんの金木犀が植えられていた。
「なにか思い出でもあるのか?」
「なんで?」
「だってなんかいつもこの季節、金木犀を見てその顔をするから」
「ああ」
私は前世の家に金木犀が植えられていたことを話した。毎年この季節は朝から金木犀いい匂いに嬉しくなって学校に行っていたけ……。
本来この辺りに自生して無いはずの金木犀はお父様と旅行行ったときに見つけ、お父様がたくさん植えてくれたのだ。この世界で初めての見た時に、その香りに一気に前世の家族との思い出が蘇り、涙しながら見つめていたから、よっぽど気に入ったとお父様はおもったのだろうか。
暫く庭園をぶらついて、また金木犀の所に戻ると私の部屋テーブルに並んでいた軽食が今度はシートの上に並んでいた。驚いてエバンの顔を見ると、かわいいいたずらが成功した子供みたいな顔で笑ったので彼の仕業だとわかった。
「ありがとう」
「どういたしまして」
秋晴れの空の下、少し涼しくなった風が吹く。
「あーん」
エバンが大きな口を開けて、強請るのでローストポークを彼の口に放り込んだ。エバンは二人きりのときだけとっても甘えん坊である。アリスみたいに常にくっついてくるわけじゃないのだけれども、よく何かをして欲しがった。
例えば、手作りクッキーを作って欲しがったり、頭を洗って欲しがったりなどだ。
また風に乗って、一際強い金木犀の香りが運ばれてきた。懐かしかった香りが、幸せな香りに上乗せされる。いつもの日常だ。
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みんなの感想(15件)
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