エクリプス 〜衰耗の章〜

零/Zero.

文字の大きさ
7 / 11
第2節【種族の章コラボ編】

5話《銃の盗難と対策会議》

しおりを挟む
 ー王城の入口付近ー
「本当に申し訳ございません!」
リアムはゼヌアスとレーヴァに向けて深く頭を下げた。
その隣に立つリアムの妹のアラベルも、また深く頭を下げた。
「いやいや。結界の構造上しょうがないし!まずあれに鍵をさしたままにした俺にも責任ありますから!」
ゼヌアスはそう言った。
「いえいえ…謝るのはこちらの方でございます。数日かけてここまで来ていただいたにも関わらず、このようなことになってしまって…」
宰相補佐であるアラベルがそう言う。
「いえいえ…それよりも、今は状況を考慮して、今後の対策をねったほうがいいかと。」
「わかりました。会議室に魔法騎士団が待機しています。続きはそこで行いましょう。」
そう言ってレーヴァ、ゼヌアス、リアム、アラベルは大会議室へ向かって移動し始める。
「その銃を盗んだ犯人に心当たりはありますか?」
アラベルがそう言う。
「心当たりですか…。うーん…全くないですね。」
ゼヌアスはそう答える。
「うーん…心当たりがないとなると…犯人の捜索は困難でしょうね。」
リアムはそう言って頭を抱えた。
「そうですね…見つかればいいんですけど」
そんなことを話しながら、4人は会議室の扉を開けた。
そこには10人の魔法騎士たちが待機しており、レーヴァたちの姿を見ると全員が同時に立ち上がり、頭を下げてきた。
「この度は!我々の不注意によりこのような事態を招いてしまい!大変申し訳ありません!」
そう言ったのは、宿の周辺警備の指揮を取っていた分隊長だ。
そして、その部屋で頭を下げる他の魔法騎士たちも、ほとんどが周辺警備を担当していた騎士たちだった。
「あ、頭を上げてください!みなさんは悪くありませんから!」
ゼヌアスはそう魔法騎士たちへ言う。
そして、レーヴァ、ゼヌアス、リアム、アラベル、そして10人の魔法騎士達による、対策会議が開かれることになった。
~~~
対策会議は2人への謝罪から始まった。
その後、アラベル主導で詳細な事情聴取が行われた。
「犯人に心当たりは?」
魔法騎士の一人がゼヌアスに問う。
「ありませんね、全く。」
ゼヌアスはそう返した。
「うーむ…犯人が見当もつかないとなると…どうしようもありませんね。」
分隊長がそう言う。
「なにか、犯人の行動や言動に違和感はありませんでしたか?」
リアムはそう聞く
「違和感…ですか?相手の動きに集中していたので、特になにも…」
うーん…
全員が首をかしげ、部屋が静まり返ったときだった。
「あ、あの!」
レーヴァが突然口を開いた。
「レーヴァ、なんかあったの?」
「レーヴァ国王、どうかなさいましたか?」
全員がレーヴァの方を向く。
「えぁっ!?えぇっと、ぁあの、その…」
レーヴァは緊張して声がでなくなった。これはいつもどおりのことで、普段はこのままゼヌアスに耳打ちして、彼に言葉を代弁してもらうのだが…
「ぁは、はんにんはっ…こっ、“こいつが一番使えそうだからな”ってぇ…いっ…いってましたぁぁぁ」
レーヴァはなんとか言葉にしてそれを伝えた。
「こいつが一番使えそうだからな…?」
「お兄様、もしかして。」
「ああ。そのもしかしてかもしれないな。」
リアムとアラベルはそう言って顔を合わせた。
「ゼヌアス…言えた、言えたよ…しっかりと言えたよ…!」
「よく頑張ったね、レーヴァ。」
そう言ってゼヌアスはレーヴァの頭を撫でた。
「えへへ~もっと褒めて~」
レーヴァは笑顔になりながらそう言った。
「頑張ったね~よしよしよしよし」
そう言ってゼヌアスは更に強くレーヴァを撫でる。
「えへへ~」
レーヴァはさらに笑顔になった。
(なんだかわかんないけどなんか尊い…)
(お兄様によくやられるやつだ…)
(なんだろう…ベルの頭撫でたくなってきた…)
変な空気感だった会議室は、この出来事で一気に和むのであった。
~~~
「ところで、さっき2人が話してたのって一体?」
レーヴァを撫で続けて少しした後、ゼヌアスはリアムとアラベルにそう聞いた。
「…ベル、話しても大丈夫?」
「私が話すわ。これから話すことは、重要機密事項です。絶対に口外しないでくださいね。」
2人はそう離した後、ゼヌアスとレーヴァの方を向きそう言った。
「わかりました。レーヴァもいい?」
ゼヌアスにそう聞かれて、レーヴァは首を縦に振った。
「では、お話させていただきますね。」
アラベルはそう言って一つの紙の束を取り出した。
「最近、エガリテで獣人の集団による事件が頻発しています。」
「…ほう?」
「そして、つい先日その組織の一人を捕らえることに成功しました。」
「なるほど。」
アラベルは続ける。
「相手には虚言を喋れなくなる魔導具をつけて、相手にグループの情報をいくつか聞いたんですが」
「そこで入手した情報に問題があった…と?」
「ええ、まさに。」
ゼヌアスは顔を引きつらせた。
「ここからは俺が。」
そう言ってリアムが話し始めた。
「グループは最近、武器や魔導具などを揃えているそうです。それのための資金を集めているのだとか。」
「なるほど?それでアルケビュートが一番使い勝手がいいってことか…」
「おそらく。そして、武器を揃えてどうするのか聞いたのですが、彼らの目的は…」
だそうです。
~~~
エガリテの首都…のとある場所。
「戻りました!」
男が部屋に入ってくる。
「ご苦労だった。」
その男に向かって、椅子に座る一人の人間が声をかけた。
その人間には猫の耳が生えていた。獣人である。
その獣人の髪は長く、女性的な顔をしていた。
「戦利品を、ここに。」
「はっ!」
そう言って男は袋をひっくり返した。
たくさんの金貨や金目のものが出てくる中、ゼヌアスのアルケビュートが袋から飛び出た。
「その銃は?」
「使い勝手が良さそうだったもので…悪かったでしょうか」
「いや、全く問題はない。」
獣人はその銃を手に取った。
「この紋章…ソーラティアのものか。」
「そうなのでしょうか…ただ、警備がかなり厳重でした。」
「そうか…ソーラティアの重鎮のものかもしれないな。」
「だ、だとすれば!」
「…これを使えば、革命も進むかもしれないな。」
獣人は笑みを浮かべる。
「これで…このちからで、私は、私の望む世界を叶えてみせる…!待っていてください…お父様!」
==========================
ここまで読んでいただきありがとうございました!
革命ってなんなんでしょうね?
ゼヌアスのアルケビュートは取り戻せるのか、犯人の真の目的とは
次回もお楽しみに!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

処理中です...