エクリプス 〜衰耗の章〜

零/Zero.

文字の大きさ
8 / 11
第2節【種族の章コラボ編】

6話《アジト突入大作戦会議》

しおりを挟む
「革命…?」
ゼヌアスはそう問う。
レーヴァも、首をかしげた。
「革命って…具体的には何をする気なんですかね?」
「それが…謎の呪文を放ってそのまま命を断ってしまいまして」
「謎の呪文…ですか。」
「ええ。魔道士が解析したところ、どうやら特定のものを硬直させる魔法だったそうです。」
アラベルがそう言った。
「そ、そんな魔法があるの…?」
レーヴァは怯えながらそう言った。
「少なくとも俺はそんなの見たことないね。オリジナルの魔法かな?」
「怖いよ…殺されちゃうの?」
レーヴァは涙目になりながらそう言った。
「そんなことないよ!レーヴァは俺が守ってあげるから、心配しないで?」
ゼヌアスはレーヴァに向かってそう言った。
「うあああああん!ゼヌアス~~~!!!」
そう言ってレーヴァはゼヌアスに抱きついて泣き始めた。
「大丈夫だよ~よしよし」
(ベルはあんまりこうやって泣くことないからなぁ…ちょっと羨ましい…)
リアムはそんなことを思った。
「えっふん。ちょっとお兄様?」
「あっ…ごめん。えっと、その組織は、その革命というのを遂行するために行動しているそうで、この王都を囲うように作られた貧民街にアジトがあるようで、」
「ひんみんがい…?なにそれ?」
レーヴァはゼヌアスに質問する
「えーっと、貧民街っていうのは、あまりお金を持っていない人たちが住んでる場所のことだよ。」
「なるほど?」
「貧民街を形成してるのは基本的に獣人たちです。この国は、獣人は虐げられているので、獣人たちは私たち人間のような暮らしはできないんですよね。」
アラベルは少し悲しげにそう言った。
「そうなんですか。」
ゼヌアスはそう返す。
「レーヴァ国王様たちのソーラティアでは、そのようなことは一切ないのでございましょう?」
リアムはゼヌアスにそう聞いた。
「ええ。ソーラティアにはそのような法律は一切ありませんし、気候の関係上獣人があまりいませんから。」
「ああ…そういう」
ゼヌアスの解説に、リアムは肩を落とした。
「な、なんでじゅぅじんは、ひ、ひととおなじくらしが、できないんで、すかっ?」
レーヴァは頑張って声を出した。
「エガリテでは、5年前に獣人が大きな反乱を起こしました。それを現国王が弾圧、その一件から獣人には厳しい規制がかけられるようになったんです。」
「な…なるっほどぉ?」
アラベルの解説に、レーヴァはわかったようなわかっていないような反応をする。
「話がそれましたが、先程も言った通り、アジトは王都の東西の貧民街の端にあります。そして、定期的にその2箇所を移動しているそうです。」
「それで踏み込めない…と」
「ええ。もう少ししっかり準備を整えてから乗り込もうと思っていたのですが、ゼヌアス様の貴重品が盗まれてしまったとなれば、国際問題に発展するような大事件です。これは、直ちに組織の主要人物を確保しないと…」
「それもそうですね。」
こうして、4人は作戦を練っていくのだった。
~~~~~~~~~~
作戦会議は3時間に及んだ。
リアム達が提案した作戦では、レーヴァは基地で待機となっていたが、
「ゼヌアスは僕が守る!!!」
といって出撃することになった。
「では、俺から作戦の概要を再度説明させていただきます。」
リアムは、作戦の概要を説明し始めた。
^^^^^^^^^
作戦の概要は以下のとおりです。
まず、俺とベルを筆頭としたAチームと、レーヴァ様とゼヌアス様を筆頭としたBチームに別れて、
Aチームは東の、Bチームは西のアジトの近辺に待機します。
アラベルとゼヌアス様には、無線用のトランシーバーを渡します。このトランシーバーは2台ワンセットで、誰かに聞かれる心配もありません。周囲の声がそのまま聞こえますので、マイクのオンオフもありません。これで連携を取ってください。
そして、夜0時頃、Aチームの合図で同時にアジトに侵入します。
アジトはこの二箇所しかないとのことなので、この2箇所のどちらかに、ゼヌアス様の銃やボスなどがいると思われます。
そして、おそらく戦闘になることでしょう。
非武装のベルとゼヌアス様には護衛をつけますので、そこはご安心ください。
ゼヌアス様には謝礼品としてダガーナイフを差し上げます。
^^^^^^^^
「それでは、この作戦で乗り込むということで、異議はありますか?」
大きな紙に書いた作戦を見ながら、リアムはそう聞いた。
「異議ありません。」
ゼヌアスは真剣に答えた。
「ぼ、ぼくもこれで、お、おおっけーです。」
レーヴァはキョドりながら頭を縦に振った。
他の魔法騎士たちも、頭を縦にふった。
「では、この作戦で行くこととします。早急に行わなければならないので、突撃は今夜。突撃時間も考慮して、今夜9時にアジト周辺のスラム街に潜伏します。」
「了解です。」
そうして作戦会議が終わると、リアムが口を開いた。
「それでは、時間も時間ですので、昼食にいたしましょうか。ベル、案内頼める?」
「任せて。それではレーヴァ様、ゼヌアス様、こちらです。」
そうしてレーヴァたちは立ち上がり、アラベルの案内で食堂へ向かうことになった。
「ゼヌアス、僕、頑張るよ」
「ああ、頼りにしてます、国王様。」
レーヴァとゼヌアスは、そう言ってグータッチするのだった。
~~~
「さて、作戦はいつ決行しようか」
会議室のような空間で、ひときわ目立つ席に、ボスと呼ばれる長髪の獣人が座っていた。
「今夜はいかがでしょうか!夜中に始めることによって、この王都に我らの希望の炎を巻き起こすのです!」
「それはできない。」
仲間の一人がそう言うが、ボスはすぐにそれを止めた。
「なっ、なぜなのですか!我々を苦しめた人間が、憎くないのですか!」
「そういうことじゃないだろう。我々の、少なくとも私の目的は、このエガリテをにすることだ」
仲間の一人は感情的になってそう言うが、ボスは淡々と話し続けた。
「私と違った意見を持っているのなら、この組織を抜けることも私は止めない。止める資格は私にはない。だが、もしそうなった場合、君はその戦火に巻き込まれるかもしれない。家族が犠牲になるかもしれない。それを止めることが私たちの仕事だ。違うか?」
「…いえ、申し訳ありません。」
「そうか。まぁいい。作戦決行は明日の正午。」
そう言ってボスは立ち上がる。
ボスは小柄で、足元ギリギリまで届く長い上着を羽織っていた。
「ですがボス、もし万が一ソーラティアが攻めてきた場合、どうするのですか?」
先程ととは違う仲間が、冷静にそう質問した。
「そこは私に考えがある。この国のやり方に異議を唱えているのは、獣人だけではないと、私が知っているからな。」
ボスはそう言いながら部屋の扉を開けた。
「私は一度休む。君たちも、適度に休憩は取るように。」
そう言って、ボスは扉をゆっくりと閉めた。
==========================
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回はとうとう突撃編です!
おそらく突撃編は2~3話で内容をしっかりとかくと思います!
次回は来週までには投稿できるように頑張ります…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

処理中です...