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二章 御伽の国
66 武闘会(8) 決勝戦
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「みなさん、ついにやって来ました……決勝戦です!」
決勝戦です! ここまで残ったのは古参中の古参、悪魔のリーダー、アーさんと、元勇者パーティのナオキです。
観客の熱意もかなり上がってきてます。私もなにか盛り上げましょうか。
まずは……ちょっとたいへんですが、魔法で空に黒いカーテンをかけます。
「お、おおっと? これはマーガレット様の演出だァ!」
さすがの状況理解ですミレー。おかげで観客も怯えずにいてくれます。
黒いカーテンをかけた舞台は真っ暗になってしまいます。
そこに、様々な色の光を浮かべます。まるで夜空の中を飛んでるみたいです。
「おおお、綺麗だ!」
「さすがはマーガレット様ねぇ。素敵だわ」
「うおおおおお結婚してくれマーガレット様ァ!」
結婚はしませんよ。ですが褒めてくれるのは嬉しいのでもっと褒めてください。
よし、まだまだ演出は終わりませんよー。
光を舞台の中央に集めて、観客の目が集まったところで、軽く目が眩む程度の光を放ちます。
その隙に黒いカーテンを消して、控え室で準備万端にしてるアーさんとナオキを舞台にあげましょう。
強制転移です。多分大丈夫でしょう、あの二人なら状況を正しく理解してくれるはずです!
「え?」
「む?」
「おおっとぉぉぉ! アーさんとナオキがいつの間にか舞台に現れたぞー!」
観客が盛り上がってくれました! アーさんとナオキは若干困惑してますが、軽く魔法で状況を伝えたので、手を振ったりして観客に応えてますね。
手を振るのをやめたところで、2人がなにやら話しています。
「まったく、相変わらず急にやってくれるなマーガレットは」
うっ、アーさんが若干呆れてます。仕方ないじゃないですか思いついたんですから。
「そこがあの人のいい所でしょう」
「それはもちろんそうだが……いつか悪い方向に行かないかが心配なのだ」
アーさんに心配をかけてしまっているようです。大丈夫ですよ、悪い方向には行きません!
「あー、家畜を呼ぼうとしてドラゴンを呼んだ話とかですか?」
「そういった事だ。そのうち魔神とか呼んでも我は驚かないぞ」
2人でそんな話をして笑ってます。
さすがの私も魔神なんて呼びませんよ。フォーレイを呼んだのもたまたまゲートに近くにいたからですし。たまたまです、たまたま。
「まぁ、そういった時のために、我は強くならねばいけないのだがな」
お、アーさんが構えましたね。私のために強くあろうとしてくれるのは嬉しいですが、みんなを守るのは私の役目です。
「胸を借りますよ、アーさん」
「ふん、かかってこいナオキ。悪魔の力……見せてやろう!」
「……ノアの武闘会、決勝戦。アーさん 対 ナオキ 始め!」
「《黒炎》」
「《聖結界》!」
開始と同時に、アーさんが攻め、ナオキが守りに入りますね。
「守ってばかりでは勝てんぞ? 《黒雷》!」
おお、黒い雷がナオキを襲います。一撃で結界が持っていかれてしまいましたね。いい威力です。
「まだまだだ。《黒炎》、《黒雷》」
「うぐぁ?!」
黒い炎による範囲攻撃と、黒い雷による高威力の集中火力の組み合わせ、かなり凶悪ですね。
どちらかに集中して防御すると、どちらかを食らってしまいます。
アーさん、やっぱり強いですね。あれだけ魔法を放っていても魔力にはまだまだ余裕があるみたいですし、ナオキはこの一方的な状況を打破する手段がないと厳しそうです。
「くっ……」
「終わりか? ナオキ」
「……いや、まだ手はありますよ。ただ、手加減は出来ませんが」
ナオキの雰囲気が変わりました。アーさんもそれを感じとったのか攻撃を一度止めます。
ナオキの姿、私が祈ってる時と同じ姿をしていますね。まさか……。
「……聖剣《十束剣》!」
「なに……?! 神器か!」
あれは、ちょっとまずいですね。
あの剣、とんでもない力です。準決勝の後に強力に貼り直した結界でもあの力は抑えられないかもしれません。
勇者は神器を授かるとは聞いたことがありますが、実物は初めて見ました。
「くっ……長くは持たないんだ。行来ますよっ!」
「ぬぐ、来い。ナオキ!」
あれほどの力、維持するのは厳しいようです。どんどんナオキの力が剣に吸い取られています。
「うおおおおおお!」
「《獄雷》!」
アーさんは守るに入るのではなく、受けて立つようです!
聖剣から放たれた光の一撃と、炎と雷の混ざった凶悪な一撃がぶつかり、結界にヒビが入るほどの衝撃波が生まれます。
急いで二重の結界を貼り直したので観客に被害はありません。
試合の結果は?!
「……我の、勝ち……だ……」
ボロボロのアーさんだけが、舞台に立っています。ナオキは気を失って倒れているようです。
「ア、アーさんの、優勝です!」
「「「「「うぉぉおおおおお!」」」」」
私の優勝宣言と共に、今日一番の歓声があがります。
アーさん! 凄いです。どうやってあの一撃を絶えたのでしょう?
気になりますが、今はアーさんとナオキの治療をしなければなりません。観客は優勝の決定でしばらく盛り上がってますから、その間に治しましょう。
そしてその後は、ついにこの村の独立宣言です。緊張しますね……。
決勝戦です! ここまで残ったのは古参中の古参、悪魔のリーダー、アーさんと、元勇者パーティのナオキです。
観客の熱意もかなり上がってきてます。私もなにか盛り上げましょうか。
まずは……ちょっとたいへんですが、魔法で空に黒いカーテンをかけます。
「お、おおっと? これはマーガレット様の演出だァ!」
さすがの状況理解ですミレー。おかげで観客も怯えずにいてくれます。
黒いカーテンをかけた舞台は真っ暗になってしまいます。
そこに、様々な色の光を浮かべます。まるで夜空の中を飛んでるみたいです。
「おおお、綺麗だ!」
「さすがはマーガレット様ねぇ。素敵だわ」
「うおおおおお結婚してくれマーガレット様ァ!」
結婚はしませんよ。ですが褒めてくれるのは嬉しいのでもっと褒めてください。
よし、まだまだ演出は終わりませんよー。
光を舞台の中央に集めて、観客の目が集まったところで、軽く目が眩む程度の光を放ちます。
その隙に黒いカーテンを消して、控え室で準備万端にしてるアーさんとナオキを舞台にあげましょう。
強制転移です。多分大丈夫でしょう、あの二人なら状況を正しく理解してくれるはずです!
「え?」
「む?」
「おおっとぉぉぉ! アーさんとナオキがいつの間にか舞台に現れたぞー!」
観客が盛り上がってくれました! アーさんとナオキは若干困惑してますが、軽く魔法で状況を伝えたので、手を振ったりして観客に応えてますね。
手を振るのをやめたところで、2人がなにやら話しています。
「まったく、相変わらず急にやってくれるなマーガレットは」
うっ、アーさんが若干呆れてます。仕方ないじゃないですか思いついたんですから。
「そこがあの人のいい所でしょう」
「それはもちろんそうだが……いつか悪い方向に行かないかが心配なのだ」
アーさんに心配をかけてしまっているようです。大丈夫ですよ、悪い方向には行きません!
「あー、家畜を呼ぼうとしてドラゴンを呼んだ話とかですか?」
「そういった事だ。そのうち魔神とか呼んでも我は驚かないぞ」
2人でそんな話をして笑ってます。
さすがの私も魔神なんて呼びませんよ。フォーレイを呼んだのもたまたまゲートに近くにいたからですし。たまたまです、たまたま。
「まぁ、そういった時のために、我は強くならねばいけないのだがな」
お、アーさんが構えましたね。私のために強くあろうとしてくれるのは嬉しいですが、みんなを守るのは私の役目です。
「胸を借りますよ、アーさん」
「ふん、かかってこいナオキ。悪魔の力……見せてやろう!」
「……ノアの武闘会、決勝戦。アーさん 対 ナオキ 始め!」
「《黒炎》」
「《聖結界》!」
開始と同時に、アーさんが攻め、ナオキが守りに入りますね。
「守ってばかりでは勝てんぞ? 《黒雷》!」
おお、黒い雷がナオキを襲います。一撃で結界が持っていかれてしまいましたね。いい威力です。
「まだまだだ。《黒炎》、《黒雷》」
「うぐぁ?!」
黒い炎による範囲攻撃と、黒い雷による高威力の集中火力の組み合わせ、かなり凶悪ですね。
どちらかに集中して防御すると、どちらかを食らってしまいます。
アーさん、やっぱり強いですね。あれだけ魔法を放っていても魔力にはまだまだ余裕があるみたいですし、ナオキはこの一方的な状況を打破する手段がないと厳しそうです。
「くっ……」
「終わりか? ナオキ」
「……いや、まだ手はありますよ。ただ、手加減は出来ませんが」
ナオキの雰囲気が変わりました。アーさんもそれを感じとったのか攻撃を一度止めます。
ナオキの姿、私が祈ってる時と同じ姿をしていますね。まさか……。
「……聖剣《十束剣》!」
「なに……?! 神器か!」
あれは、ちょっとまずいですね。
あの剣、とんでもない力です。準決勝の後に強力に貼り直した結界でもあの力は抑えられないかもしれません。
勇者は神器を授かるとは聞いたことがありますが、実物は初めて見ました。
「くっ……長くは持たないんだ。行来ますよっ!」
「ぬぐ、来い。ナオキ!」
あれほどの力、維持するのは厳しいようです。どんどんナオキの力が剣に吸い取られています。
「うおおおおおお!」
「《獄雷》!」
アーさんは守るに入るのではなく、受けて立つようです!
聖剣から放たれた光の一撃と、炎と雷の混ざった凶悪な一撃がぶつかり、結界にヒビが入るほどの衝撃波が生まれます。
急いで二重の結界を貼り直したので観客に被害はありません。
試合の結果は?!
「……我の、勝ち……だ……」
ボロボロのアーさんだけが、舞台に立っています。ナオキは気を失って倒れているようです。
「ア、アーさんの、優勝です!」
「「「「「うぉぉおおおおお!」」」」」
私の優勝宣言と共に、今日一番の歓声があがります。
アーさん! 凄いです。どうやってあの一撃を絶えたのでしょう?
気になりますが、今はアーさんとナオキの治療をしなければなりません。観客は優勝の決定でしばらく盛り上がってますから、その間に治しましょう。
そしてその後は、ついにこの村の独立宣言です。緊張しますね……。
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