こんなもんだろう

かぁくん

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四章1 浩二の行方

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えみ家。

駿「あー!やっと帰ってこれた」
春「駿、私何でも買ってあげるって言ったのにあんなお菓子でよかったの?」
駿「うん。何で?菓子うめーじゃん」
舞美「もうチョット見たかったなー」
駿「勘弁してくださいよー。限界でしたよ」
えみ【心ちゃん本当に何も買わなくてよかつたの?】
心「うん。何も欲しい物なかったし」
駿「心、10000円も持ってんだから欲しくなくても何か買えばよかったのに」
心「いいよ、欲しくないもの買ってどうすんだよ」
駿「うーん、飾るとか?」
心「けどクレーンゲームで指輪はゲットできたし、それでいい」
えみ【皆、指輪1つずつ持ってるからつけよ】
舞美「お!いいじゃーん。皆つけてみてよ」

4人が指輪をつける。

舞美「皆いいじゃん!」
えみ【皆これからずっとこの指輪つけてこ】
春「いいね!皆お揃いで!」

えみは友達の証を物で欲しかった。
物の証などなくていい事は百も承知だ。
だがクレーンゲームで4つの指輪を見た時、一瞬3人の顔が思い浮かんだ。
4人が皆横1列に並び指輪を付けている後ろ姿を。
それがうらやましくてたまらなくなった。

駿「よし!じゃあ皆この指輪いつでもずっと付けてようぜ!」
心「わかった」

4人が手をあげて嬉しそうに指輪を見ていた。

心「よし!俺帰るわ」
駿「え?何で?」
心「疲れた。帰って寝る」
春「私も疲れた。駿、帰ろっか」
駿「えー。夏休みなんだからもうチョット遊ぼうぜ」
春「いいから!帰ろ」
駿「うーん」
春「よし!じゃあまた明日来るね!」
えみ【待ってるね!】

皆が帰ると舞美が言った。

舞美「えみちゃんよかったね!皆指輪してくれて。皆でつけたかったんでしょ?」

えみが頷いた。

えみ【舞美ちゃんありがと。お金なくなっちゃったんじゃない?】
舞美「あー、いいの、いいの。大人だからお金いっぱい持ってるから」
えみ【ありがとう】
舞美「全然!また行こうね」

えみが笑顔で頷いた。

そして夏休みも終わりに近づく。

駿「心、最近浩二君と連絡とった?」
心「とってないよ」
駿「最近、全然浩二君こないよなー」
心「そうだな。ショッピングセンター行くって提案したの浩二君だったのに来なかったし」
えみ【私、この前メール来たよ】
駿「え!?なんて?」
えみ【男の人紹介したいけどメアド教えていいか聞かれた】
心「教えたの?」
えみ【教えなかったよ】
心「そっか」
駿「何かあったのかなー?」
春「まぁいいじゃん!どうでも」
駿「どうでもって。まぁけどいっか!」
心「うーん・・・」

心は少し気になった。

そして夏休みも終わり登校初日。

駿「はー。また毎日学校に来なきゃいけないのか」
春「駿はどうせ保健室にいるだけだからいいでしょ」
駿「心、えみちゃん送ったら1回帰ろうぜ」
心「は?別にいいけど・・・どこ行くの?」
駿「俺んち来いよ!」
心「は?まじ?行っていいの?」
駿「いいよ!来い来い」
春「来い来いじゃないよ!あんた達学校にもいないの?」
心「けど俺、昼には学校帰るよ?えみちゃんの弁当あるし」
駿「わかってるって」
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