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第一部 リューナジア城編
第三話 悪逆皇子の帰還
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ところで僕は女装をさせられている。
記憶にある限りずっとそうだ。
何でも皇族の男児は悪魔に狙われて病気や悪魔憑きになりやすいので、病弱な男児は小さい時は女児として育てられるらしい。その一環として名前もカレンという中性的な名前にされたんだとか。
最初こそ自分のフリフリなドレスとかぼちゃパンツという格好に違和感を覚えていたが、もう慣れてしまった。
ちなみに鏡を見て確認してみたが僕は金髪碧眼の天使のような姿をしていた。服装と相まって何処からどう見ても可愛らしい幼女にしか見えない。髪もちゃんと毎朝メイドさんが結んでくれるのだ。
今日は久しぶりに体調がいいので、僕はドレスの裾をはためかせて城の庭を駆けていた。
「カレン殿下ったら、またお熱を出しますよ!」
乳母が慌てたように後ろから追ってくる。
その時僕はふと立ち止まった。
何だか城の雰囲気がいつもと違うような気がしたからだ。
ざわざわと喧噪に包まれている。
通りがかったメイドさんたちが声を潜めて話しているのが耳に入って来た。
「ウィルフリート殿下のこと、本当なの?」
「ええ。王宮に戻ってこられるらしいわよ」
ウィルフリート殿下が王宮に戻ってくる?
その話を耳にした僕は必死に頭を回転させてタソトキのストーリーを思い出そうとした。
第四皇子は悪魔憑きとして一時的に王宮を追放されるものの、年頃になると悪魔憑きの治療が完了したということでリューナジア城────僕が住んでるこの王宮に戻ってくるのだ。それがいつだったか思い出してみる。
ウィルフリートは元々悪魔憑きとして疎まれていたが、離宮へと追放される決定的なきっかけとなる出来事がある。
それが第五皇子カレンの死亡だ。ウィルフリートが追放されたのは、第五皇子カレンの死亡に関わってくるんじゃないかと疑われたからだ。カレンの母親が流産したのはウィルフリートが毒を盛ったからではないかと。
馬鹿げた疑いだ。だって当時ウィルフリートは七歳だったのだから。
あれ、そういえば僕が転生してきたのだから今回はカレンは死んでいない。それでもウィルフリートは追放されたのだろうか。
となるとカレン暗殺の疑いはウィルフリート追放の為の口実に過ぎなかったのだろう。何かきっかけさえあればウィルフリートを離宮に追いやる気満々だったに違いない、この城の大人たちは。
ウィルフリートが王宮に戻ってくるのは確か十二歳の時。
つまり追放から五年後のことで、今僕はもうすぐ五歳になるらしいから……ぴったりちょうど今頃だ!
「僕のお兄ちゃんが帰ってくるの!?」
僕は驚いて乳母を振り返った。
「あ、あら誰がカレン殿下にウィルフリート殿下のことを教えたのかしら……ええ、そうですよ」
乳母は顔を強張らせながらも笑顔で教えてくれた。
ウィルフリートが帰ってくる!
これは一大事だった――――何せウィルフリートはタソトキ世界を破滅に追いやる世紀の悪逆皇子なのだから。
記憶にある限りずっとそうだ。
何でも皇族の男児は悪魔に狙われて病気や悪魔憑きになりやすいので、病弱な男児は小さい時は女児として育てられるらしい。その一環として名前もカレンという中性的な名前にされたんだとか。
最初こそ自分のフリフリなドレスとかぼちゃパンツという格好に違和感を覚えていたが、もう慣れてしまった。
ちなみに鏡を見て確認してみたが僕は金髪碧眼の天使のような姿をしていた。服装と相まって何処からどう見ても可愛らしい幼女にしか見えない。髪もちゃんと毎朝メイドさんが結んでくれるのだ。
今日は久しぶりに体調がいいので、僕はドレスの裾をはためかせて城の庭を駆けていた。
「カレン殿下ったら、またお熱を出しますよ!」
乳母が慌てたように後ろから追ってくる。
その時僕はふと立ち止まった。
何だか城の雰囲気がいつもと違うような気がしたからだ。
ざわざわと喧噪に包まれている。
通りがかったメイドさんたちが声を潜めて話しているのが耳に入って来た。
「ウィルフリート殿下のこと、本当なの?」
「ええ。王宮に戻ってこられるらしいわよ」
ウィルフリート殿下が王宮に戻ってくる?
その話を耳にした僕は必死に頭を回転させてタソトキのストーリーを思い出そうとした。
第四皇子は悪魔憑きとして一時的に王宮を追放されるものの、年頃になると悪魔憑きの治療が完了したということでリューナジア城────僕が住んでるこの王宮に戻ってくるのだ。それがいつだったか思い出してみる。
ウィルフリートは元々悪魔憑きとして疎まれていたが、離宮へと追放される決定的なきっかけとなる出来事がある。
それが第五皇子カレンの死亡だ。ウィルフリートが追放されたのは、第五皇子カレンの死亡に関わってくるんじゃないかと疑われたからだ。カレンの母親が流産したのはウィルフリートが毒を盛ったからではないかと。
馬鹿げた疑いだ。だって当時ウィルフリートは七歳だったのだから。
あれ、そういえば僕が転生してきたのだから今回はカレンは死んでいない。それでもウィルフリートは追放されたのだろうか。
となるとカレン暗殺の疑いはウィルフリート追放の為の口実に過ぎなかったのだろう。何かきっかけさえあればウィルフリートを離宮に追いやる気満々だったに違いない、この城の大人たちは。
ウィルフリートが王宮に戻ってくるのは確か十二歳の時。
つまり追放から五年後のことで、今僕はもうすぐ五歳になるらしいから……ぴったりちょうど今頃だ!
「僕のお兄ちゃんが帰ってくるの!?」
僕は驚いて乳母を振り返った。
「あ、あら誰がカレン殿下にウィルフリート殿下のことを教えたのかしら……ええ、そうですよ」
乳母は顔を強張らせながらも笑顔で教えてくれた。
ウィルフリートが帰ってくる!
これは一大事だった――――何せウィルフリートはタソトキ世界を破滅に追いやる世紀の悪逆皇子なのだから。
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