悪逆第四皇子は僕のお兄ちゃんだぞっ! ~商人になりたいので悪逆皇子の兄と組むことにします~

野良猫のらん

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第一部 リューナジア城編

第七十八話 僕の親戚 ②

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「皇帝陛下と殿下のお母様は身分違いの恋の末に結ばれました」

 僕の自室に戻って僕に温かいエッグノッグを用意すると、乳母は話し出した。

「お母様は庶民だったの?」

 僕はエッグノッグの入ったカップを傾けながら尋ねる。

「いえ、遠く南の下級貴族ですよ。お母様のお父様……つまり、殿下のお祖父様はセルフィニエ辺境伯に仕えるお役人をなさっています」

 乳母の説明によれば、第四皇妃は地方の文官の娘だったようだ。
 皇帝と第四皇妃がどういう出会い方をしたのかは分からないが、普通ならば到底結ばれなさそうな釣り合いの取れない身分差だ。

「とてもじゃありませんが、殿下の後ろ盾になれるだけの力をお持ちではございません。『きっと孫は城で手厚い教育を受けて幸せに暮らしているだろう』と思っていらっしゃいます」

 つまり僕のおじいちゃんとおばあちゃんは僕が生きていることだけ知ってて、僕の寂しい現状も何も知らないということらしい。
 この世界の文官がどれくらいのレベルの生活を送っているのかは知らない。現代日本の公務員ぐらいのお給料だと考えれば、城で生活している僕に対して自分たちにしてやれることなど何もないと考えていてもおかしくはない。きっと城まで気軽に旅行してこれるお金もないことだろう。この世界の旅行ってお金かかりそうだもんね。

「そっかぁ」

 同じ皇子であっても母方の親戚の後ろ盾があるとないとで、実質的な身分差ができてしまうようだ。
 もしかして身体が弱いからとかは関係なく、権力のない第四皇妃の子供だから僕はネグレクト気味の環境に置かれているのだろうか。だからパーティとかも出れないのかな。
 きっと皇帝の後継者としては誰にも期待されていないのだろう。

 でもまあ、僕からすればこれは好都合かもしれない。
 だって僕の将来の夢は行商人になることなのだから。
 下手に皇帝に担ぎ上げられたりしたら堪らない。

 そうだ、それに僕が行商人になればおじいちゃんとおばあちゃんがいる所にだって簡単に行けるかもしれない。
 目標がまた一つできたぞー!

「会ってみたいなぁ」

 僕はにこにこと呟いたのだった。
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