78 / 171
第一部 リューナジア城編
第七十八話 僕の親戚 ②
しおりを挟む
「皇帝陛下と殿下のお母様は身分違いの恋の末に結ばれました」
僕の自室に戻って僕に温かいエッグノッグを用意すると、乳母は話し出した。
「お母様は庶民だったの?」
僕はエッグノッグの入ったカップを傾けながら尋ねる。
「いえ、遠く南の下級貴族ですよ。お母様のお父様……つまり、殿下のお祖父様はセルフィニエ辺境伯に仕えるお役人をなさっています」
乳母の説明によれば、第四皇妃は地方の文官の娘だったようだ。
皇帝と第四皇妃がどういう出会い方をしたのかは分からないが、普通ならば到底結ばれなさそうな釣り合いの取れない身分差だ。
「とてもじゃありませんが、殿下の後ろ盾になれるだけの力をお持ちではございません。『きっと孫は城で手厚い教育を受けて幸せに暮らしているだろう』と思っていらっしゃいます」
つまり僕のおじいちゃんとおばあちゃんは僕が生きていることだけ知ってて、僕の寂しい現状も何も知らないということらしい。
この世界の文官がどれくらいのレベルの生活を送っているのかは知らない。現代日本の公務員ぐらいのお給料だと考えれば、城で生活している僕に対して自分たちにしてやれることなど何もないと考えていてもおかしくはない。きっと城まで気軽に旅行してこれるお金もないことだろう。この世界の旅行ってお金かかりそうだもんね。
「そっかぁ」
同じ皇子であっても母方の親戚の後ろ盾があるとないとで、実質的な身分差ができてしまうようだ。
もしかして身体が弱いからとかは関係なく、権力のない第四皇妃の子供だから僕はネグレクト気味の環境に置かれているのだろうか。だからパーティとかも出れないのかな。
きっと皇帝の後継者としては誰にも期待されていないのだろう。
でもまあ、僕からすればこれは好都合かもしれない。
だって僕の将来の夢は行商人になることなのだから。
下手に皇帝に担ぎ上げられたりしたら堪らない。
そうだ、それに僕が行商人になればおじいちゃんとおばあちゃんがいる所にだって簡単に行けるかもしれない。
目標がまた一つできたぞー!
「会ってみたいなぁ」
僕はにこにこと呟いたのだった。
僕の自室に戻って僕に温かいエッグノッグを用意すると、乳母は話し出した。
「お母様は庶民だったの?」
僕はエッグノッグの入ったカップを傾けながら尋ねる。
「いえ、遠く南の下級貴族ですよ。お母様のお父様……つまり、殿下のお祖父様はセルフィニエ辺境伯に仕えるお役人をなさっています」
乳母の説明によれば、第四皇妃は地方の文官の娘だったようだ。
皇帝と第四皇妃がどういう出会い方をしたのかは分からないが、普通ならば到底結ばれなさそうな釣り合いの取れない身分差だ。
「とてもじゃありませんが、殿下の後ろ盾になれるだけの力をお持ちではございません。『きっと孫は城で手厚い教育を受けて幸せに暮らしているだろう』と思っていらっしゃいます」
つまり僕のおじいちゃんとおばあちゃんは僕が生きていることだけ知ってて、僕の寂しい現状も何も知らないということらしい。
この世界の文官がどれくらいのレベルの生活を送っているのかは知らない。現代日本の公務員ぐらいのお給料だと考えれば、城で生活している僕に対して自分たちにしてやれることなど何もないと考えていてもおかしくはない。きっと城まで気軽に旅行してこれるお金もないことだろう。この世界の旅行ってお金かかりそうだもんね。
「そっかぁ」
同じ皇子であっても母方の親戚の後ろ盾があるとないとで、実質的な身分差ができてしまうようだ。
もしかして身体が弱いからとかは関係なく、権力のない第四皇妃の子供だから僕はネグレクト気味の環境に置かれているのだろうか。だからパーティとかも出れないのかな。
きっと皇帝の後継者としては誰にも期待されていないのだろう。
でもまあ、僕からすればこれは好都合かもしれない。
だって僕の将来の夢は行商人になることなのだから。
下手に皇帝に担ぎ上げられたりしたら堪らない。
そうだ、それに僕が行商人になればおじいちゃんとおばあちゃんがいる所にだって簡単に行けるかもしれない。
目標がまた一つできたぞー!
「会ってみたいなぁ」
僕はにこにこと呟いたのだった。
63
あなたにおすすめの小説
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる