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第1章 グリム編
第35話 オーク売却で大金ゲット! しかしニーアに忍び寄る魔の手
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――昼。
庭に2体のオークを出して待っていると、買取所のバランが荷馬車と男共を数人連れてやってきた。
「おおおお! オークが2体もいるじゃねえかよ! リューイチ! おめえ、何だよ! どうやったんだよ!?」
「ああ、まぁその辺りの詮索はナシにしてくれ」
「おめえ、本当にすげえ奴だな!
おめえみてえな野郎は初めて見たぜ! この野郎!」
「はっ、誉め言葉として受け取っておこう。
……で、俺がオークを売ったことは漏れないようにな。
内密にしてくれよ?」
「お? ああ、分かった。
ギルドにもかん口令を敷いておこう。
まぁ、おめえの頼みだしな! ガッハッハ」
バランが興奮している。
やはりオーク2体というのは、いささかインパクトが強すぎたらしい。
「だがな。買取に出すのは1体だけだ。
もう1体は俺が食うから解体だけ頼みたいんだが」
「おう。いいぞ!
それはいいんだが、内臓も食うのか?
食えないとこもあるぞ」
「あー内臓はよく分からんから、いらんな。
内臓は買い取ってくれ」
「よしきた!
そんじゃあ、捌いたら内臓以外の肉を渡してやるよ。うめえぞ!」
「そうか。頼むぞ」
バラン達が荷馬車を往復させて、2体のオークをギルドへ運び込む。
荷馬車には布をかけているから、周囲からはオークを運んでいるとは露とも分からない。
「じゃあ、ニーア。
俺もギルドへ行ってくるからな。
買い物を頼むぞ」
「はい、ご主人様!
オークのお肉、楽しみですねっ! うふふっ」
「ははっ、そうだな。楽しみだな」
ニーアには買い物用に、金貨1枚を追加で渡しておく。
ニーアと別れて、俺もバラン達と冒険者ギルドへと向かう。
買取所に到着すると、既にオークの解体が始まっていた。
運び込まれたオークが解体されていく様を椅子に座って眺める。
バランが連れて来た男達はギルドの下働きだったようだ。
バランの指揮のもと巨体のオークが次々と解体されていく。
抜き取られた内臓が桶に放り込まれて、部位ごとに仕分けされていく。
その様子を眺めながら考え事をして待っていると、いつの間にか解体が終わっていた。
「リューイチ! 終わったぞ!
査定結果を聞くか?」
「ああ、頼む」
「オーク丸ごと1体で金貨9枚だ。内臓だけの1体は金貨4枚になる。
2体とも状態が良いからな。満額の買取値になってるぞ!
魔石は2つで金貨1枚と銀貨2枚だな」
「おお、デカイ稼ぎになったな。
分かった。それで買い取ってくれていい」
「おう! あんがとよ!
んで、肉を渡す方だが、もうちっと肉を寝かせたほうがいい。まだ固いからな。
ウチで見ててやるから、夕方おめえの屋敷に運んでやるよ」
「そうか、それは助かるな。じゃあ頼もうか」
「任しとけ! うめえオーク肉に仕上げてやっからよ!
そんじゃあ、これが買取札だ。持ってけ」
「ああ、それじゃまた後でな」
バランと別れて受付で買取札を換金する。
討伐報奨金と合わせて金貨16枚と銀貨2枚になった。
これで全財産は金貨26枚以上になる。懐に余裕が出来てきた。
受付に礼を言って、冒険者ギルドを出ていく。
冒険者ギルドを出たところで、後ろから肩を掴まれた。
「おっさんよお。ちょっと面貸せやぁ」
掴んだ手の先を見ると、こないだ冒険者ギルドで絡まれた無精髭の2人だった。
「おっと、動くなよ?
おっさんの奴隷は俺達の仲間が預かってるからよぉ」
「ジジイ。大人しくついてこいよ?
奴隷がどうなってもいいってのか?」
――何だと!? しまった! こいつらニーアを!
瞬間、俺の頭が怒りで沸騰した。
ドッドッドッドッ……激しく心臓が鼓動する。
――ガキども……殺す……拷問にかけて吐かせるか……いや、待て……ここで騒げばニーアの命が危ない……泳がすか……アジトを突き止めて……皆殺しだ……
一瞬の間に脳みそがフル回転する。
怒りを抑えて、大人しくついていくことを選択する。
「こっちだ。黙ってついてこいよぉ」
「騒ぐんじゃねえぞ? ジジイ」
無精髭の奴らが先導して歩き出した。
黙って奴らの後ろを歩いていく。
後ろから奴らを観察する。
1人は片手剣とナイフ。
もう1人は片手剣。
こいつらは雑魚だ。
瞬きする間に殺せるだろう。
――こっちの方向は……西門か。
俺を市外区域に連れていって殺るつもりか?
アジトに連れてくつもりか?
ニーアを必ず救い出す。
皆殺しだ。
誰だろうが、全員殺して救い出す。
いや、待てよ。
こいつら何者だ?
人質をとるなんて、手が込んでいる。
俺の金が狙いじゃないのか?
もしかしてバックがいる?
――西門を過ぎて橋を渡っている。
やはり市外区域か。
ニーアは何処に連れ去られたんだ。
別の場所で監禁されているのか?
こいつらを殺したら、助けられなくなるかも知れない。
無事なのか?
もう既に殺されているのか?
魔の森で亡くなった女の姿が脳裏をよぎる。
――川を渡り切って市外区域の中を歩いていく。
ニーアとの思い出が走馬灯のように蘇る。
オーク肉を食えると喜んだ無邪気な笑顔。
屋敷に引っ越して、大喜びしていた。
暖炉の灯りに照らされた時の幸せそうな表情。
俺に恥ずかしい思いをさせられて、泣きそうな顔。
寝る前の親愛の口づけ、間近で見た彼女の瞳。
寝ている俺を見つめる優し気な眼差し。
俺を信じることに一途な彼女の姿。
一目でも娘に会いたいと涙を零した、あの時の顔。
ああ、娘に会わせてやれないのか。
こんなことで彼女の人生が終わってしまうっていうのか。
胸がしめつけられる。
出会って短い間だった。
いつの間にか彼女の存在が大きくなっていた。
愛おしい気持ち。
見知らぬ異世界で唯一の俺の味方。
彼女を失う。また失ってしまう。
全て奪っていったのに、また俺から奪っていくのか。
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「あー内臓はよく分からんから、いらんな。
内臓は買い取ってくれ」
「よしきた!
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「そうか。頼むぞ」
バラン達が荷馬車を往復させて、2体のオークをギルドへ運び込む。
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「じゃあ、ニーア。
俺もギルドへ行ってくるからな。
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「ははっ、そうだな。楽しみだな」
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買取所に到着すると、既にオークの解体が始まっていた。
運び込まれたオークが解体されていく様を椅子に座って眺める。
バランが連れて来た男達はギルドの下働きだったようだ。
バランの指揮のもと巨体のオークが次々と解体されていく。
抜き取られた内臓が桶に放り込まれて、部位ごとに仕分けされていく。
その様子を眺めながら考え事をして待っていると、いつの間にか解体が終わっていた。
「リューイチ! 終わったぞ!
査定結果を聞くか?」
「ああ、頼む」
「オーク丸ごと1体で金貨9枚だ。内臓だけの1体は金貨4枚になる。
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「おお、デカイ稼ぎになったな。
分かった。それで買い取ってくれていい」
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「おっと、動くなよ?
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