Innocent World

マン太

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第四章 動乱

第二十二話 光と闇

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 その後、数週間かけて王都ルークスに近いとある村までやってきた。
 過去の歴史に詳しいという人物に会うためだ。訪ねるのはソアレとアステール。ヴェントはカルドと共に、グランツの指示で兵集めを手伝う事になっていた。
 その他所用を済ませ、その人物の元を訪れたのは昼下がり。村の外れ、木立の中に隠れるように建つ民家に身を寄せていた。
 その人物は城で蔵書管理をしていた男で、年は既に八十代半ば、頭髪は白く身体は骨と皮ばかりだが、鼻眼鏡の向こうから覗く瞳は眼光鋭く衰えを見せない。その目でソアレとアステールを見返してきた。
「ヴェネレ王国の過去の歴史とな…」
「ヴェネレだけでなく、この星全体の話でもいい…。神がいた時代について知りたいんだ」
 挨拶もそこそこに、テーブルについたソアレが身を乗り出すようにしてそう言えば、薄くなった頭髪をつるりと撫でた後、男は鼻にかけていた眼鏡を外し、テーブルの上に置くと両手で目を揉んだ。
 男は名をシルワと言った。先ほど淹れてくれた紅茶の香りが、昼下がりの部屋に柔らかく漂う。
「詳しい資料はすべて城にある…。だが大体のことは話せるよ。しかし、子どもに聞かせる昔話しと大して違わない」
 そうしてシルワが語ったのは、本当におとぎ話のような内容だった。
 かつて、この地上には神が存在していた。
 彼らと人は、神子みこを通して対話が持たれていた。神は人を慈しみ、人は神を敬った。
 その平和な世界に、黒いシミのような闇が現れる。それは、光満ちた世界を闇に染めるのが目的だった。
 それを阻止するため、神子の一人が神の力を得て、人々共に立ち上がり、闇を払ったのだという。神子と人はその際に命を落としたが、それ以降、闇がはびこることはなかった。
「よくあるおとぎ話ではあるが、実際、神の存在を示す資料は数々残されておってな。残された壁画や巻物等にも、当時の様子を描いたものがある。そこに描かれた神子は金の髪と蒼い目を持ち、神と対話する姿が描かれているのだよ」
「金の髪…」
「そうだ。まさに光の様な存在に描かれているな。神は光としてしか現されていないが、その者はきちんと人の姿で現されている。一万年も昔の話だよ…。しかし、今なぜその話を? この動乱と何か関係でもあるのかな?」
 シルワの瞳がこちらを射貫くように見据える。ソアレは恐る恐る口を開いた。
「…俺の叔父に、魔法を扱える者がいて、不思議な石を使ってある映像を見せられたんだ。俺の…未来だと言われて…。それ以降、時々白昼夢や、夢でもその景色を断片的に見るようになって…。でも、そのうちそれが未来の出来事だと思えなくなったんだ。逆に過去の出来事なんじゃないかって…。その時の俺は、金色の髪で──。最後に見た夢には闇に向かって行くようだった…。それが、事実かどうか確認したかったんだ。それに…」
 ソアレが言いよどむと、それを引き取る様にアステールが続けた。
「どうやら、その叔父が夢に現れるようで。何か、繋がりがあるのかと…」
 アステール達もいた事は、あえて伏せておいた。そこは重要ではない。今はその記憶の意味と、ソアレの力とのつながりが知りたかった。
「その者がどういう存在かは分からんが、それは夢でも幻でもない。現実にあったことだ。でなければ、何も知らない王子がそんな夢を作り出せるはずもない。それに、その叔父がどんな技を使ったにせよ、まるっきり何もない所から幻影を作り出すのは難しい。きっと、王子の記憶を利用してそれを引き出したのだろう」
「…俺の…記憶」
 それは確実に未来ではないだろう。シルワはどこか同情するような目付きになり。
「王子…。普通の人が聞けば突拍子もない事と笑うだろうが、わしは笑わん。なんせ、王家はその神子の血筋に当たるからな? 前世であろうがなかろうが、そんな事があっても不思議ではない。それに、現に今闇が戻りだしているのは事実だ」
「…それは、モンスターの存在か?」
 アステールが声を低くして問う。
「そうだ。それもあるが、あのフードの男。あれは、闇の申し子、闇の神子だ。古い書物に記されてもいる…。全てが闇の色に染まったもの。闇の申し子が現れれば、光の神子も生まれるとな。…光があればまた影もできる。どこかに闇があっても不思議ではないな」
「フードの男が闇の神子で、ソアレが光の神子…。その可能性があると?」
 アステールの言葉にシルワは顎を撫でながら。
「それに該当するのは今のところソアレ王子しかおらんだろう? 何か、今までとは変わったことはなかったか? 夢や幻影以外に、その魔法の力に変化は?」
「あ…」
 それで、アステールを守る時に現れた力を思い出す。
「あれが…そうか?」
 アステールがそれを引き継いだ。
 そう。アステを守ろうとして現れた力。いうなれば、守りの力だ。シルワは続ける。
「…ちなみに、その光の神子が使う力は守護の力と呼ばれ、全ての闇から人々を守ると言われている。その力で闇を滅ぼしたのだよ」
「守護の…力」
 ぽつりと言葉にする。それはぴたりとあの力に合う気がした。
「その力で、闇を…滅ぼせるのか?」
 ソアレの問いに、シルワは頷く。
「書物にはそう書かれていたな。だが、実際、王子のもつ力がそれだとしても、どの程度、威力があるかはわからんな。当時は直接神の力を得て、対抗したようだからな? 王子は当時の神子とまるっきり同じであっても、神と対話できるかどうか…。この時代に、地上に神はいない。遠い存在だ。せめて星の石があれば、力も増幅できるかもしれんが、それも敵の手の中であろうからな」
「星の石…。あれは神から授かったと聞かされていたけれど、本当なんだな…?」
 ソアレは父から聞いた言葉を思い出していた。
 レーゲンは代々王になるものが引き継ぐのだと口にしていた。ソアレはまだ本物を目にしてはいない。それは、レーゲンが亡くなった際に引き継ぐのだと言われていた為だ。
 レーゲンはソアレの成人の式の際に話しだけを伝えた。石を悪用することは避けなければならない。この力はこの国を潤すためだけに使わなければならないのだと。
 結局、引き継ぐ時を逸したが。
「そうだ。神が地上から姿を消したため、対話の糧として授けられたとある。あれがあれば、城に巣くう闇の神子とも対抗できるかもしれんな」
 シルワはソアレに目を向ける。
「星の石、それを取り戻さないと…」
 呟くソアレに、アステールは。
「だが、その存在にフードの男も、いや、闇の神子も気づいているだろう。厳重に管理しているはずだ」
「でも、唯一対抗するにはその石がないと奴を倒せない…!」
 つい語気が強くなる。
「ソアレ、落ちつけ」
 アステールが温かい手の平を頬に触れさせてきた。
「……ごめん」
「謝るな。焦って当然だ。だが、ここから先はグランツ達とも話し合って決めよう。ソアレの夢との関わりはわかった。その力についてもな…。シルワ、今日はありがとう。助かった」
「レーゲン王は友人だった。その息子であるソアレ王子の為に役立ったなら、わしも生きた甲斐があったというものだ。…頼んだよ。王子」
「ああ…」
 そうして、シルワの家を後にした。

+++

「石、取り戻さないとな…」
 アステールとともに木立の中を歩きながら、ソアレは遠く空を見つめる。日は傾きかけていた。
 この空の下で、今も刻々と闇の力が国を侵食しているのだろうか。
「城に乗り込んだ際に、取り戻す事になるだろうが──相当の覚悟がなければな。モンスターで周囲を固めているだろう」
 それはかなり厳しい状況なのだと理解している。アステールの目が強い意思を帯びた。
「石ってどんなだろう? アステは見たことは?」
「城の奥深くに置かれていると言う…。石の許可がなければ何人も、その場所へ辿り着く事は出来ない仕組みになっていると聞かされた」
「…親父。どんな風に扱っていたんだろうな」
 父親から具体的なことは何も引き継いでいない。
「さあ。俺も聞いてはないな…。だが使われた後はいつも体力を消耗され、暫くはお休みになられていた。…お前の回復魔法と同じ、身を削るのだろう」
「てか、俺が神子って、笑えるな? やっぱ、勘違いかな?」
 おどけて見せるとアステールも口元に僅かに笑みを浮かべ。
「確かにな…。今のお前は王子と言うのも信用されるかどうか」
「おい。それって、どういう意味だよ? …ったく。それで側付なんだからびっくりだよな」
「黙っていれば、王子どころか王女にも見える…」
「んだよ。それ…」
 頬を膨らますと、其処へアステールの手が伸び、触れてくる。
「お前は──神子だ。ソアレ。でなければ、今まで見てきたものや、守りの力も説明がつかない。そこに、俺やヴェント達、フォンセがどうやって関わってきたのかは分からないが…」
「多分、一緒に戦ったんだろ? …闇の力と。それで命を落とした──。あれは俺達の前世で。あの場面はきっとそれだ…」
 フォンセに見せられたあの凄惨な場面。あれは、皆が力尽きた事を示している。
 
 それで、最後に残った俺が──。

 ドクリ、と心臓が鳴った。
「…ソアレ?」
 急に額に汗が浮かび、動悸が激しくなる。苦しくなって思わず服の胸元を握りしめた。
「なんか…最後を思い出そうとすると、キツイ…」
「もう、思い出そうとするな」
 アステールはソアレの身体を引寄せ抱き締める。腕の中が熱い。
「でも…」
「今は今だ。過去の出来事はもう済んだこと。お前の力と、今まで見てきた幻影の理由も分かった。もう、思い出す必要はない」
「…そう、かな? おれがどうやって闇と戦ったのか、倒したのか、それを思い出した方がいいんじゃ──」 
 すると、アステールはソアレの顔をすくい上げるように上向かせ。
「俺は──お前に、力など無ければいいと思っている」
「アステ?」
「力があるとなれば、周りもお前自身もフードの男、闇の神子と直接見える事になる。それが何を意味するか…。俺は、お前を──失いたくない…」
 ソアレはクスリと笑んで見せ。
「…アステ。俺はやられる前提か?」
「少なくとも、無傷では終われない。勿論、全力でお前を守るが…」
「…大丈夫だ。俺は今度こそ、皆を守り抜く。やられは──」

 今度こそ?

 その自然と口をついて出た言葉に、愕然とする。

 これは──俺の意志なのか?

 ソアレの中に、別の意志が入り込んでいる気がした。フォンセにあの場面を見せられてから、何かが自分の中で変わった気がする。
「ソアレ…?」
「アステ…。俺は、何者なんだろう? まるで、何かに動かされているみたいだ…」
 アステールの胸に頭をすり寄せる。

 俺は俺の意志で動いているはずなのに。どこからかいつの間にか別の意志が入り込んでくる…。

「大丈夫だ。ソアレはソアレだ。俺が最後まで守りきる…」
 アステールはソアレの頭に頬を寄せ、しっかりと抱き締めてくれた。
「…ん」
 アステールの腕の温もりだけが、ここに自分を繋ぎ止めている気がした。

+++

「へぇ。お前が神の神子の生まれ変わり…ね? その力で奴を倒すって?」
 椅子へ逆向きに座ったヴェントは、背もたれに腕を預けまじまじとソアレ見つめる。
 奴とはフードの男、闇の神子だ。
 なぜそういう結論に至ったのか、フォンセに見せられた未来と思われた場面の話し、その後、時折見る幻影や夢について、そして、今日聞いてきたシルワの話についても簡単にまとめて話した。
「光の神子、か…。なんだか、直ぐには信じられねぇが、重要なのはそこじゃねぇか」
 そう言ってヴェントは頭をかく。
 一日が終わり、宿代わりの民家に皆集まって夕食後、ソアレが聞いてきた情報に耳を傾けていた。
 グランツは中央に置かれたテーブルの上で組んだ手を見つめながら。
「そうだな…。あのフードの男…闇の神子か? そいつさえ倒せるならなんだっていい。王子にその力があるなら城へ乗り込み、石を取り返すのが先決だな。…で、ソアレ王子、その力はどれ程のものだ?」
 ソアレは首を横に振ると。
「…まだ、ちゃんと扱えていない。自分でもどうやったのか覚えていないんだ」
「だが、アステールの危機には反応したんだろう? 同じ意識を持てば扱える様になるかも知れんな…。さっそく明日から訓練してみよう」
 グランツの言葉にアステールが反応する。
「ソアレの力はまだ不確定だ。それだけに頼る訳にはいかない。集めていた魔法を扱えるもの達はどうなった?」
「それなんだが…、少し変わった連中が集まってな。流浪の民だ」
 グランツはアステールに目を向け。
「どうやら、フォンセの母親を知っているらしい。同じ部族の者だと言っていた」
「フォンセの?」
「ああ。彼らもそれなりに魔力はあるらしい。やはり奴の力は、母方のものだった様だな」
「今、その者達はこの村の外れに天幕を張って滞在しています。明日も合う予定ですが、同行しますか?」
 ブリエがソアレに目を向けた。揃えた前髪がさらりと揺れる。
「ああ。会いたい」
「分かりました。明日、朝食を取った後、会う手はずになっています。アステールもそれで?」
「それでいい。よろしく頼んだ」
「わかりました」
 ブリエは打ち合わせがあるからと部屋を退出した。その背を見送った後、グランツはソアレを見据え。
「ひとつ、提案があるんだが──」
 一度、アステールを見やってから。
「そのフォンセの母親の一族に手を貸してもらおうと思っている。彼らはかなりの使い手だ。モンスターとも充分、やりあえるだろう。──でだ。ついでに…、フォンセにも力を貸してもらおうかと思っているが…どうだろう?」
「フォンセに? 逃げてきたばっかだろ?」
 ヴェントの言葉にグランツは一つ息を吐くと。
「その闇の神子、か? 奴が扱うモンスターはその辺にいる奴とはわけがちがう。この前、カルドやアステールが襲われた奴らと同等か何倍もの大きさを持ち、力も強い。それを城の警備に使うだろう。そうなれば、王子や、流浪の民だけの力だけでは不十分だ。さっきアステールも言ったが、ソアレの力も不確定だからな? 使えるものは使うべきだ。でないと、王都奪還は厳しいだろう」
「…しっかし、奴が素直に言うことを聞くか? どうせろくでもない要求をするに決まってんだろ」
 ヴェントは顔をしかめる。
 ソアレはグランツの斜め向かいに座って話を聞いていたが。
「それは…最後の手段じゃダメか?」
 ソアレの言葉に、それまで黙って座っていたアステールが、一番最初に反応を示した。
「ソアレ…」
「俺の力で対抗できれば、必要ないはずだ。それに、まだ気持ちの整理もつかない…。今すぐ力を借りるのは──」
 グランツは顎を撫でた後、
「ま、そうだろうな? 確かに今すぐと言うわけじゃない。…ただ、今後の戦況を見極めて、そう言う選択もあると理解しておいてくれ」
「…わかった」
 グランツの言葉に頷く。傍らのアステールは無言でソアレを見つめていた。
「城へ乗り込むのは、兵や魔法を扱えるもの整えてからになる。兵の方はどうなっている?」
 グランツはヴェントに目を向けた。
「数は漸く一万弱だ。編成は城から逃げ伸びた連中と傭兵だな。皆、腕に覚えはあるが、いかんせん、数が揃わない。テネーブルは兵の他にモンスターも揃えてる。その数は数千匹。城にいる兵の数は多く見積もっても三万程度。寝返る連中も含めれば、その半分程度だろう。だが、モンスターはな…。威力を考えれば数千の兵力にひっ敵するだろう」
「厳しい状況ではあるが、全て倒す必要はない。要は城の内部に侵入し、テネーブルと闇の神子とやらを倒せばいい。メンバーはソアレとアステール、ヴェントだな。ブリエを頭に、親衛隊のメンバーもつける予定だ」
「あの…俺は?」
 カルドが控えめに訊ねて来るが、グランツは一蹴する。
「お前は救護班として派遣予定だ。王子とは別行動になる」
「ま、そうだよね?」
 肩を落とすカルドに、アステールが声をかける。
「救護も大切な役目だ。何かあれば頼ることになる。よろしく頼んだ」
「分かった! 任せといて。最新の設備、バッチリ整えとくからさ。安心して行ってきてよ!」
 グッと腕を前に出して、ガッツポーズを作る。


「アステールは、人の扱いが上手いな」
 話終えた後、アステールはカルドとなにやら話し込んでいる。ソアレはヴェントに誘われ、テラスに出ていた。
 夜風が頬に心地いい。何もなければ、単に田舎へ泊まりに来ているようだ。
「だな?」
「カルドはすっかり懐いちまってんな」
「アステもカルドを好いてるからな」
 手摺に肘をついて月明かりに浮かぶ木々を眺める。ヴェントはからかう様に。
「妬かねぇのか?」
「べっつに。って、ほんとはちょっと羨ましいって思ってもいる。…俺とはどうしても、王子と側付になるから」
「あいつも妙なところで律儀だからな? とっくに王子だと思っちゃいねぇのに、理性が邪魔して肝心な所で本心を抑えちまう。…そこんとこ、分かってやれよ」
「分かってる。てか…ヴェント。良くみてんのな?」
 腕に顎をのせて、傍らのヴェントを見上げる。赤い髪が夜風に揺れていた。褐色の瞳がこちらを優しく見下ろしている。
「まあな。大事な王子様だ。心配はつきないさ」
 ポンと頭を軽く叩くと。
「お前、色々抱えてんじゃねぇのか? こっから先はもう引き返せない。せめて今はたっぷりアステールに甘えとけ。で、奴を最後まで捕まえとけよ?」
「んだよ。それ…」
 頬が熱くなる。
「あいつは頑なな所があるからな? お前が諦めなきゃ、きっと上手く行く」
「だといいな…」
 手すりの向こうに再び目を向ける。

 何もかも、うまく運んで。アステールとまた平穏な日々を過ごしたい。

 それが今のソアレの願いだった。
    
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