森のエルフと養い子

マン太

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16.ひとときの休息

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「タイド!」

 王都に到着し、王子ベルノへの報告もそこそこに、スウェルは出迎えに出たタイドを抱き上げていた。
 タイドは言われた通り、王都にいた。
 ベルノの希望でその傍らに控え。近隣のオーク退治にも王子とともに出撃し、その身を守った。
 幾度か危機をの乗り越えるうち、周囲の衛兵もタイドに信頼を置くようになり、気軽に声もかけられるようになっていた。
 その夜、スウェル達が無事、オークたちの出てくる洞穴を封じたと報告を受け、帰還を今か今かと城壁から乗り出すようにして待っていたのだ。
 褐色の馬、アンバルにまたがったスウェルを遠目に見つけた時、どんなに安堵し、また嬉しかったか。
 城門をくぐり、その姿を探していたスウェルは、王子とともに館の入り口で待っていたタイドをすぐに見つけた。
 王子へ帰還の報告を済ますと、傍らのタイドを抱き上げたのだった。

「良かった。ちゃんと言いつけを守ったようだな?」

「スウェル…。無事で良かった」

 この時ばかりは周囲の目も気にならなかった。構わずスウェルの首筋に抱きつく。

 温かい──。

 スウェルの温もりに、生きて帰って来た事を実感した。
 そんなスウェルとタイドを、周囲も温かい眼差しで見守っていたが。

「さあ、皆休息を。あちらにささやかではありますが、宴の用意をさせております」

 ベルノの言葉に、スウェルと共に帰還したエルフの兵は広間へと向かう。
 スウェルはタイドを伴い皆とは少し道をそれ、ひとけのない廊下へと歩を進めた。
 握られた手が熱い。
 タイドは少し先を歩くスウェルの背を見つめる。
 長く腰まで垂れる銀糸は、今は適当に編まれ背に垂れていた。オークの血がこびり付く銀の鎧はスウェルが潜り抜けてきた戦場のすさまじさを物語っている。
 しかし、それは激闘を乗り越えてきたスウェルの強さを示してもいた。目の前に、スウェルの勇姿が浮かぶよう。
 スウェルは廊下を途中まで行くと、足を止める。
 外廊下のそこには、日の光を受けて輝く緑の葉が風に揺れているのが見えた。時折、鳥が思い出した様にさえずる。
 時が止まったかのように静かな空間だった。

「タイド…」

 スウェルは立ち止まり振り返る。
 手は握られたままだ。
 そのまま、スウェルは片膝をつき、タイドと視線を合わす。見下ろす形となったスウェルをタイドは見つめた。
 翡翠の瞳はキラキラと光り不思議な色を帯びている。幼い頃からずっと見つめてきた瞳だ。

 一番古い記憶はいつだったか。

 ただ優しく見下ろしてくる、それを覚えている。

「きっと、今回の件で王グリューエンより何らかの処罰が下るだろう。おおよその見当はつく…。だが、その時、俺はタイドと共に行く。誰がなんと言おうとそう決めたんだ。…タイドが嫌でなければだが…」

 すると、タイドは自分の右手を握るスウェルの手に、空いたもう一方の手を重ねると。

「俺も、スウェルと離れたくない。何があっても、ずっと、傍にいたいんだ…」

 すると、スウェルはふっと笑む。春風が吹いたように温かい笑みだ。

「良かった…。心が一緒なら、もうなにがあろうと大丈夫だな。俺はタイドがまだ赤子の頃、オークの群れから救い出した時、決めたんだ。二度と手放さないと。タイドが誰かいい人を見つけて、旅立つというなら、それに従うつもりではあったが…。それは──ないんだな?」

 タイドは力強く頷くと。

「ないよ! 俺は──スウェルがいれば、それで…いい」

 顔が熱くなる。
 まだ十七才のタイドには、これ以上の表現が見つからない。誰かに愛の告白をしたことなどないのだ。
 スウェルは意を決したかのように、すうっと息を吸った後、タイドの目を見つめながら。

「タイド。俺は君を──」

 と、言いかけたそこへ、子どもの泣き声が飛び込んで来た。
 どうやら渡り廊下の下から聞こえてくる。スウェルはああと、がっくり肩を落とし、

「…まったく。肝心な時に邪魔が入る──。これじゃ、告白が台無しだ…」

 しかし、更に声量を増した泣き声を無視もできず、

「タイド、そこにいてくれ。きっと迷子だ」

「俺も行く!」

 脇にあった階下への石段へ向かうスウェルに、タイドも続いた。

✢✢✢

 下に降りると、綺麗に刈り込まれた植木の茂みの中で、うずくまる様にして少女が泣いていた。金色の髪がくるくると巻いていて、まるで金色の毛糸玉のよう。

「どうした?」

 尋ねながら、スウェルはその少女を茂みの中から抱き上げる。
 着ているドレスは薄いブルーでいかにも高級そうだ。ブルーの瞳に合わせたのだろうか。ただの子どもではないのが伺える。

「お、お母さん…っ!」

「なんだ、お母さんとはぐれたのか? さあ、もっと人の多い所に行こうか。きっとそこにいるはずだ」

 途端に、またウワーンと大きな声で泣き出した。スウェルは小さな背中を撫でて、何とか宥める。

「もう大丈夫だ。すぐにお母さんを見つけるよ。──タイド、済まないが先に行って衛兵にこのことを伝えてくれ。きっと母親も探しているはずだ」

「分かった!」

 タイドは小走りに駆けて行くと、巡回している衛兵の一人に声を掛けた。するとまた別の衛兵に連絡が行き、程なくして少女の母親が見つかった。
 どうやら王子の出迎えに出た際、はぐれたらしい。城内を探していたが、見つけられずにいたとの事だった。

「申し訳ありませんでした! リオったら勝手に歩き回って…」

 少女をスウェルから引き取り、叱りつける。
 母親は華美ではないにしても、質も品も良いものを身につけていた。それなりの身分であることがうかがえる。

「お母さんが見つかって良かったな、リオ。城内ならまだいいが、外では大人しくな? こわーいオークがまだあちこちにいるかもしれないからな? 君の様な柔らかそうな子どもは奴らの大好物だ」

 スウェルがちょっと脅すと、リオがふえっと泣き顔に顔をゆがめてしまう。それを見たタイドが、キッとスウェルを睨みつけ。

「スウェル! 怖がらせたらだめだよ!」

「はいはい。ちょっとお灸をすえたまでだ。こうでもしないと、懲りないだろう? タイド、昔のお前にやったようにな?」

「!」

 タイドの頬が赤く染まった。
 本当に幼い頃のタイドを思い出す。
 悪戯ややんちゃをしてはスウェルに叱られ脅され。其のたびにいつも泣いていた。
 いかにオークが怖いかを、かなり詳細に力説するからだ。幼い子供などひとたまりもない。それは、大声で怒鳴るより効果があった。

「お前も脅すとすぐに泣いたなぁ。で、暫くは大人しくなるんだ。でも、時間が経つとまた同じことを繰り返して…。懐かしいなぁ」

「あら、エルフの中にもそんな子がいるのですね?」

 リオの母親は目を丸くする。すると、タイドは。

「俺は『人』だから。エルフじゃないんです…」 

 王子ベルノにも知られているのだ。今更、隠す必要はないと思った。すると、母親の傍らにいたリオは驚いてタイドを見つめ。

「エルフじゃないの? エルフと一緒にいるのに?」

「ああ。色々あってね」

 タイドは優しい眼差しをリオに向けた。金色の髪を揺らしながら少女は首を傾げると。

「じゃあ、私と一緒ね! 私もお姫様じゃないけど、ここに住んでいるんだもん!」

 すると、母親がああと声をあげ。

「この子は…。紹介が遅れました。わたくし王ネムスの第三王妃エスカと申します。もともと、第一王妃様つきの侍女だったのですが見初められ…。この子は、前夫との間にできた娘なのです。夫は既に戦で戦死してしまい。王はこの子も王宮へ迎え入れてくださって…」

「そうだったのですか…」

 答えてから、スウェルは母親の傍らで屈託なく微笑むリオを見つめた。だから着ているものが高級だったのだ。母親の気安い雰囲気も元侍女なら分かる。

「次は気をつけるんだよ?」

 タイドの言葉にリオ満面の笑みを浮かべると、ととっとタイドのもとへ駆け寄って、手を握りしめる。

「うん! ね、あっちに行って、ご馳走食べましょ! お礼にお城も案内するわ!」

「あ…でも」

 背後を振り返る。まだ、大事な会話の途中だったのだ。しかし、幼い子どもの無邪気な申し出を断る訳にもいかない。
 スウェルは仕方ないと肩をすくめてみせると。

「行っておいで。ひとまず、時間はある…。夜にまた話そう」

 いったい、いつになったらタイドと落ち着いて話せるのだろうか。
 タイドは残念そうな表情を浮かべつつ。

「…わかった。また後で」

「ああ」

 後ろ髪を引かれつつ、巻き毛の少女リオに手を引かれたタイドは、彼女に連れられ賑やかな宴の間へと向かった。
 その後ろ姿を見送っていたエスカは。

「いい子ですね」

 第三王妃エスカは目を細め、その後ろ姿を見送っていた。

「そうですね。いい子に育ちました…」

 十七年。いつの間にか、大人の顔を見せる様になって。

「なぜ、人の子を?」

「偶然、拾ったのですよ。彼は森の中に捨てられた…。それからずっと一緒なんです」

「そうですか…。けれど、あなたのような立派なエルフの殿方がご一緒なら、彼も寂しくはないのでしょうね」

「だといいですが…」

 同じく、去っていくその背を眺めながら、スウェルは口元に笑みを浮かべ、つぶやくように答えた。

✢✢✢

 まったく。
 いつになったら、タイドに告白出来るのか。

 その後、タイドはすっかり例の少女リオに気に入られ、彼女の部屋へ連れていかれてしまった。彼女が眠りにつくまで、その傍を離れることができないだろう。
 スウェルはひとり、あてがわれた部屋で過ごす。
 窓から外に広がる景色を眺めた。
 夜空には満天の星。それも直に昇ってくる月の光の陰に入ることだろう。
 件のオーク達はすっかり大人しくなり、この王都の周囲に群れをなすものはいなくなった。
 明日には王ネムスも帰還するはず。そうなれば次に奴らが襲ってきても、そう恐れることはなかった。
 しかし、そうはなってもやはり元を絶たねばこの戦いは終わらない。
 オークの大群がどこからやってくるのか。
 山の反対側の村や町へエルフの斥候を派遣していた。その一部が先ほど帰ってきたが、話を聞くと、北の森辺りが一番怪しく、オークらはその周辺の各地から集められている様だった。
 ただ、その北の森の奥へ向かったエルフ達は、未だに戻って来ないと言う。

 やはり──頭を潰さないとな。

 以前と同じだ。命令を下す奴が必ずいるはずで。そのオークさえ倒してしまえば、あとは烏合の衆だ。まとまりのないオークの群れなどあっという間に蹴散らせる。
 奴らの根城さえわかれば、ネムス王が戻り次第、すぐに出立したほうがいいだろう。
 あまり長引かせて、悪戯に兵を減らすことはない。拠点さえつかめれば、後は退治するのみ。
 さっさと退治して、またタイドとの平穏な日々を過ごすのだ。
 もちろん、王グリューエンがどういった処分を下すかで行き先は変わってくるが。

 俺は──タイドを愛している。心から愛おしいと思う。

 彼を手に入れることができるなら、エルフの里を追い出されたとしても何の苦もない。
 人間の住む場所でも、人里離れていればどうとでもなる。そこでタイドと二人、のんびり暮らせばいいのだ。
 
 ああでも、その前に──。

 もし、タイドが自分と同じ気持ちであるなら、もう一つ、決断が必要になる。
 生涯を共にと思ってくれるなら、たとえエルフの里を離れたとしても、王の前で誓いを交わし、タイドはエルフとして永遠の命を得ることができる。
 今回の処罰の理由とそれとは別だ。王グリューエンも反対はしないだろう。
 そうなれば、大事がない限り共に生きることができた。タイドを失くす不安を払拭できる。
 もしくは、彼が人としての生を選ぶのであれば、それに続く覚悟もあった。

 長く生きてきた。

 最後に愛するものと、手を携えて生きていくことができるのなら、どんなに幸せか。
 ただいたずらに長い生を生きるより、愛するものとの時間を有意義に過ごしたい。
 それがスウェルの願いだった。

 どちらでも構わないんだ。タイドと共に過ごせるなら。

 彼を思うと、幸せな気持ちになる。
 そうしてひとり部屋でタイドの帰りを待っていれば、にわかに城門の方が騒がしくなった。城内を伝令が駆けていく。
 その晩、ネムスが帰還した。


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