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第四章 ハンター
4-16 続・捜索クエスト
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術を使えなくても、正規の札の作成まで覚えれば、ハンターメンバーや、療養所での活動において優遇されることはよくある。
ロルシー家から輩出される人員は、必ずしも血縁者だけではない。才能があるものには、侯爵家は誰にでも門戸を開き、数年間見習いとして修業することができる。有能な者はそのまま引き抜かれ、そうでない者も、少なくとも自立できるだけの技術は習得できるのだ。
人間や他種族の陪臣を多く抱えているのは、そういった人材を育ててきた賜物だった。もちろん修業や規律は厳しく、既定の能力に達しない者を含め、何も得られず脱落する者も過半数いるという。
当然のことだが、そんなに甘いものではないのである。
セインは少し迷ったが、翌日の早朝ギルドへやってきた。誘いを受ける気があるなら、ギルドに来てほしいと言われていたからだ。
ゼフはもちろんセインを歓迎したが、数分間打合せをしたところで、慌てて窓口へと向かった。
「捜索クエストへの参加は、慣例ではビギナー不可とされていますが、これはギルド規定ではありません」
「そうか! では、かまわないんだな」
受付嬢に確認を取って、ゼフはほっと一息つく。
捜索クエストに限らず、増員メンバーを募る際、新人を避ける意味でビギナーお断り、みたいなことが当たり前になっていた。増員したいときは、ほとんどが戦力不足の時だからだ。
捜索クエストの場合、とくに危険なことも多く、ビギナーはやはり同伴しないことが推奨されている。
「来てくれて助かったよ。あの後もメンバー募集を掛けてたんだが、なかなか集まらなくてな。しかも、地下五階のジャム討伐がクエストで出されて、そっちにも人員を取られてな」
わかりやすくて簡単な依頼は、低ランクのハンターで取り合いになるようだ。
「一応言っておくけど、札を使っての穢れ払いくらいしかできないよ」
もちろん式たちを使えば別だが、これはセイン本人が使える能力という意味だ。それに、まだ不確定要素の大きい憑依を経て得られる能力を計算に入れるわけにはいかない。
サキも連れてきてはいるが、彼女の戦闘力は今回の勘定には入っていない。もっともサキ曰く、いざというときのセインの護衛なのだそうだけど。
「それで構わない、十分だ」
ともかく捜索が長引いたせいで、札が足りなくなったのが一番の問題だったらしく、捜索自体は最下位層までは辿り着いたというのだ。
打ち合わせを終えたセインたちは、さっそく受付を経て捜索を開始した。
銀ランクとパーティを組むことで、ビギナーランクでも日帰りをする必要がない。そのため、セインたちは三日間ほどかけて、見落としがないかじっくりと探索しながら降りて行った。
同行する条件として、道中で幾度か採集する許可を取っていた。
いつもは行くことが出来ない場所までせっかく降りていくのだ。これは報酬とは別で、ご褒美のようなものだが悪くない条件だった。
こっそりツクに助言をもらいながら、セインは的確に良質な素材を見つけて手際良く採集していった。
「採集技術もさることながら、よくそんなにポンポン見つけるな」
採集が難しいと言われるものは、見分けにくい、擬態している、毒性があるなど、原因はそれぞれだが、そもそもが見つけるのが困難なのだ。それをパーティの進行にほとんど影響を与えず、滞りなく採集していく手際のよさに、ゼフが感心したように唸った。
「こ、ここはマップがあるし……それに、勘だよ」
「勘か、そりゃすげえ才能だな! まあ、俺たちもおこぼれに預かってるし万々歳だけどな」
適当に答えたセインに、ゼフはあっけなく納得して笑った。単純な人で助かったが、セインは自分が言ったセリフに、ちょっと違和感を覚えた。
「でも、そもそもほぼ全域マップも出来ていて、どうして今だに調査が終わらないのかな?」
セインのもっともな質問に、ゼフはため息をついて肩を竦めた。
「……それは、ここのヌシがいまだに発見されてないからだ」
ロルシー家から輩出される人員は、必ずしも血縁者だけではない。才能があるものには、侯爵家は誰にでも門戸を開き、数年間見習いとして修業することができる。有能な者はそのまま引き抜かれ、そうでない者も、少なくとも自立できるだけの技術は習得できるのだ。
人間や他種族の陪臣を多く抱えているのは、そういった人材を育ててきた賜物だった。もちろん修業や規律は厳しく、既定の能力に達しない者を含め、何も得られず脱落する者も過半数いるという。
当然のことだが、そんなに甘いものではないのである。
セインは少し迷ったが、翌日の早朝ギルドへやってきた。誘いを受ける気があるなら、ギルドに来てほしいと言われていたからだ。
ゼフはもちろんセインを歓迎したが、数分間打合せをしたところで、慌てて窓口へと向かった。
「捜索クエストへの参加は、慣例ではビギナー不可とされていますが、これはギルド規定ではありません」
「そうか! では、かまわないんだな」
受付嬢に確認を取って、ゼフはほっと一息つく。
捜索クエストに限らず、増員メンバーを募る際、新人を避ける意味でビギナーお断り、みたいなことが当たり前になっていた。増員したいときは、ほとんどが戦力不足の時だからだ。
捜索クエストの場合、とくに危険なことも多く、ビギナーはやはり同伴しないことが推奨されている。
「来てくれて助かったよ。あの後もメンバー募集を掛けてたんだが、なかなか集まらなくてな。しかも、地下五階のジャム討伐がクエストで出されて、そっちにも人員を取られてな」
わかりやすくて簡単な依頼は、低ランクのハンターで取り合いになるようだ。
「一応言っておくけど、札を使っての穢れ払いくらいしかできないよ」
もちろん式たちを使えば別だが、これはセイン本人が使える能力という意味だ。それに、まだ不確定要素の大きい憑依を経て得られる能力を計算に入れるわけにはいかない。
サキも連れてきてはいるが、彼女の戦闘力は今回の勘定には入っていない。もっともサキ曰く、いざというときのセインの護衛なのだそうだけど。
「それで構わない、十分だ」
ともかく捜索が長引いたせいで、札が足りなくなったのが一番の問題だったらしく、捜索自体は最下位層までは辿り着いたというのだ。
打ち合わせを終えたセインたちは、さっそく受付を経て捜索を開始した。
銀ランクとパーティを組むことで、ビギナーランクでも日帰りをする必要がない。そのため、セインたちは三日間ほどかけて、見落としがないかじっくりと探索しながら降りて行った。
同行する条件として、道中で幾度か採集する許可を取っていた。
いつもは行くことが出来ない場所までせっかく降りていくのだ。これは報酬とは別で、ご褒美のようなものだが悪くない条件だった。
こっそりツクに助言をもらいながら、セインは的確に良質な素材を見つけて手際良く採集していった。
「採集技術もさることながら、よくそんなにポンポン見つけるな」
採集が難しいと言われるものは、見分けにくい、擬態している、毒性があるなど、原因はそれぞれだが、そもそもが見つけるのが困難なのだ。それをパーティの進行にほとんど影響を与えず、滞りなく採集していく手際のよさに、ゼフが感心したように唸った。
「こ、ここはマップがあるし……それに、勘だよ」
「勘か、そりゃすげえ才能だな! まあ、俺たちもおこぼれに預かってるし万々歳だけどな」
適当に答えたセインに、ゼフはあっけなく納得して笑った。単純な人で助かったが、セインは自分が言ったセリフに、ちょっと違和感を覚えた。
「でも、そもそもほぼ全域マップも出来ていて、どうして今だに調査が終わらないのかな?」
セインのもっともな質問に、ゼフはため息をついて肩を竦めた。
「……それは、ここのヌシがいまだに発見されてないからだ」
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