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第六章 守り神
6-9 国境の町
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町に近づくやいなや、いきなり通行税を請求された。しかも心なしかごろつきのような恰好の男たちだ。一人だけ上品そうな服を着ているが、顔つきはごろつきたちとさほど変わらない。
確かに町に入る際に、身分証明や滞在に伴う金銭を請求されることはある。
けれど、ギルドカードの提示はおろか、身分や素性の確認もせず、いきなり金を出せとは、対応としておかしすぎた。
それに町の入り口の門番というなら、もう少し先にいる兵士風の男の仕事だろう。こちらに気が付いているようだが、一度ちらりと視線を送っただけで特になにも言う気がないようだ。
「……ロルシーから派遣されてる責任者か、町長に会いたいんだけど」
この町の治安を察して一つため息をつくと、セインはそう言ってギルドカードを出した。銀カード相当の権限を持つ、銅カードである。
もちろん、そこにはフルネームがもれなく記載されている。
「カードなんざいいんだよ。ここは誰であろうと……」
「おっ……、あ、待て! 待て待て、やめろ!」
「あん? なんだよ、今この小僧に世の中のしくみってものを、っあ、痛っ!」
「いいからやめろ! 失礼しました。まさか公子様とは存じ上げず、ご無礼をしました! はい、こちらの管理を任命された方でしたら、はい、もちろんおられます」
受け取ったカードをみて顔色を変えた男は、セインたちを斜に構えて威圧していたならず者を、ものすごい勢いで後ろからはり倒した。
殴られた頭を押さえて涙目になった男は、兄貴分と思しき上等な上着の男を見上げたが、それこそ世の中のしくみを理解しなかった結果なので仕方がない。
「それはよかった。この町の歓迎方法についても詳しく知りたいし、すぐに案内してくれる?」
「は、あはは……はい、ご案内します」
ごまかすように笑って、服だけ上等なならず者は顔をひきつらせた。
一方、職務怠慢の門番は、今更ながら身分確認をするべきか、きょろきょろと視線を定められず迷っている様子である。
とりあえず構ってられないので、セインはスルーした。ともかく、早いところ状況を把握する必要がありそうだ。
町の住居は、ほとんどが土で作ったレンガ造りの簡素なものである。それほど広い町ではないが、オアシスを中心に広場があり、区画整理された十字の大きな道路があり、それに沿って商店があり、その奥に居住区が広がっていた。
オアシスの周りにのみ、南国風の高い木があり、茂みといっていいほどの緑があった。そして、そのすぐそばには明らかに他の住居とは違う、石造りの大きな建物があった。
「ふうん、この建物だけ石造りだね」
「あ、はい。三年ほど前にフラムの荘官となられたカナート・ロルシー様がお建てになりました」
この土地は荘園と呼ぶには語弊があったが、農地や、商業地など小規模な領地はすべて一括して荘園、便宜上その管理をするものを荘官と呼んでいた。
そしてこの町は、国境であり、交易拠点として重要かつ、外国から入ってくる交易品の調査や関税など、そこそこの金も動く町なので、ロルシー家から管理者が派遣されているのだ。
「へえ、立派な建物だ……ん? カナート?」
各所に彫りの細工まで施された建物を見上げていたセインは、思わず驚いて聞き返した。案内していた男は、その反応に何かまずいことでも言ったかと目を丸くしている。
すっかり長男のドゥマルだと思っていたセインだったが、自分の中で、まだ名前の挙がってない成人した兄弟がいたことを思い出した。
確かに町に入る際に、身分証明や滞在に伴う金銭を請求されることはある。
けれど、ギルドカードの提示はおろか、身分や素性の確認もせず、いきなり金を出せとは、対応としておかしすぎた。
それに町の入り口の門番というなら、もう少し先にいる兵士風の男の仕事だろう。こちらに気が付いているようだが、一度ちらりと視線を送っただけで特になにも言う気がないようだ。
「……ロルシーから派遣されてる責任者か、町長に会いたいんだけど」
この町の治安を察して一つため息をつくと、セインはそう言ってギルドカードを出した。銀カード相当の権限を持つ、銅カードである。
もちろん、そこにはフルネームがもれなく記載されている。
「カードなんざいいんだよ。ここは誰であろうと……」
「おっ……、あ、待て! 待て待て、やめろ!」
「あん? なんだよ、今この小僧に世の中のしくみってものを、っあ、痛っ!」
「いいからやめろ! 失礼しました。まさか公子様とは存じ上げず、ご無礼をしました! はい、こちらの管理を任命された方でしたら、はい、もちろんおられます」
受け取ったカードをみて顔色を変えた男は、セインたちを斜に構えて威圧していたならず者を、ものすごい勢いで後ろからはり倒した。
殴られた頭を押さえて涙目になった男は、兄貴分と思しき上等な上着の男を見上げたが、それこそ世の中のしくみを理解しなかった結果なので仕方がない。
「それはよかった。この町の歓迎方法についても詳しく知りたいし、すぐに案内してくれる?」
「は、あはは……はい、ご案内します」
ごまかすように笑って、服だけ上等なならず者は顔をひきつらせた。
一方、職務怠慢の門番は、今更ながら身分確認をするべきか、きょろきょろと視線を定められず迷っている様子である。
とりあえず構ってられないので、セインはスルーした。ともかく、早いところ状況を把握する必要がありそうだ。
町の住居は、ほとんどが土で作ったレンガ造りの簡素なものである。それほど広い町ではないが、オアシスを中心に広場があり、区画整理された十字の大きな道路があり、それに沿って商店があり、その奥に居住区が広がっていた。
オアシスの周りにのみ、南国風の高い木があり、茂みといっていいほどの緑があった。そして、そのすぐそばには明らかに他の住居とは違う、石造りの大きな建物があった。
「ふうん、この建物だけ石造りだね」
「あ、はい。三年ほど前にフラムの荘官となられたカナート・ロルシー様がお建てになりました」
この土地は荘園と呼ぶには語弊があったが、農地や、商業地など小規模な領地はすべて一括して荘園、便宜上その管理をするものを荘官と呼んでいた。
そしてこの町は、国境であり、交易拠点として重要かつ、外国から入ってくる交易品の調査や関税など、そこそこの金も動く町なので、ロルシー家から管理者が派遣されているのだ。
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