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第1章 奇跡の村娘降臨
第3話 村娘の能力
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悟の頭の中で、突然不快な音が鳴った。
テレッテッテー、テレッテッテー。
何だこれは?と首を傾げていると、後ろからリリムが抱き着いてきた。柔らかいが程良く弾力のある胸を押し当ててくる。首に腕を回し、耳元でそっと甘い声で囁く。
「ねぇ、アルテ。こんながきんちょより強い冒険者は一杯いるのよ?勇者候補や勇者に至っては上級魔族並の強さらしいわ。貴女はもっと強い相手と戦いたいんでしょう?やっぱり私達は組むべきだと思わない?」
「お前が俺のやる事を決めるな。それに鬱陶しいから離れろ」
側から見れば、美女が二人ふざけ合っているとしか見えない。しかも裸に近い格好で。アレックスは顔を真っ赤にしながら見ないようにしている。
三人は泉から少し進んだ場所で休憩をしていた。岩に腰掛けているアルテは、アレックスの容態を隈なく見る。リリムが嫌々掛けた【ヒール】によって打撲や軽い骨折は完治していた。
「回復魔法か、凄いな。医者要らずじゃないか。アレックスは魔法は持って無いのか?」
「僕は魔法はまだ【サンダーボルト】しか使えません。リリムみたいに魔法特化ではありませんので」
「サーチは違うのか?」
「あれは技能ですので、魔力とかはあまり使わないです」
「アレックスはその若さで常人よりも能力は高いし、特殊な技能や魔法も使える。そんな便利なものどうすれば会得できるんだ?」
この世界の事はまだまだ知らない事だらけだ。
「魔法や技能はレベルアップ時にランダムで発現します。複数現れた場合はその中の一つを選ぶと覚えますよ」
「レベルアップ?冒険者になればいいのか?」
「違うわよ。神々のふざけた恩恵は全ての生物に平等に与えられているわ。つまり、経験さえ積めば人間、動物、モンスター、誰でも強くなれるわ」
「そんな事をして何をさせたいんだ?」
「さぁね~。元々、この世界には神なんて奴等居なかった。魔族がモンスターや人間を支配していたんだけど、貴女の世界、地球界の神々がその世界に嫌気がさしてこっちの世界に来たみたい。それからこんな感じで人間が魔族に反乱を起こして、今は魔族と人間の勢力図は半々。長年争いが絶えないわ」
「そこで僕達人間側は魔族の親玉、魔王を倒しさえすれば、形勢が変わると信じて勇者という役割を作りだしたんです」
「もう分かると思うけど、私達はその勇者候補を先に見付けて始末することにして、複数の人間が神々に候補者に選ばれたわ。その選ばれた一人の貴方を殺したってワケ」
「いい迷惑だな。それで、レベルアップはどうやって分かる?」
「それは頭に変な音楽が流れてくるから分かるわ」
「ああ、さっきから鳴っているこれか」
「レベル上がってたんですか?それなら、脳裏に自分自身の姿を投影して見て下さい」
言われた通りに今の姿の自分をイメージして思い浮かべる。すると、ディスプレイ画面を見ている様に、視覚の隅にウィンドウが開かれる。ああ、ゲームの画面のようだ。
アルテ=ルシアン 人間(女)
age 17 出身地 コッシーハ大陸 ナニゲ村
第1職業 村人(村娘) LV1→LV2
技能
【陽気に挨拶】 効果 如何なる状況でも陽気に挨拶できる。
「何だ!?職業村娘って!しかも、技能意味ねぇ!!」
最悪過ぎる!余りの内容に落胆する。その様子を見たリリムが察して、フォローする。
「貴女は第2職業とステータスが素敵なのよ」
「第2職業?」
再びウィンドウを開いて見る。スクロールして行くと続きがあった。
第2職業 格闘家LV90
技術
【肉体強化】 効果 LVUP時に筋力、体力、耐久力の上昇値が通常より増幅する。(LVに比例する)LV5
【武術の素養】 効果 武術に関する技能や技術を習得し易く、MP消費が軽減される。
【不動心】 効果 精神攻撃に耐性が付く。(LVに比例する)LV5
技能
【瞬歩】消費MP 2 効果 移動する速度と距離が瞬発的に上昇する。(LVに比例する)LV2
【発勁】消費MP 30 効果 爆発的な力の解放。短時間の間、全ての能力値が飛躍的に上昇する。時間経過後は通常値の半分まで能力値が下降する。(LVに比例して効果時間が延長する)LV2
【白刃取り】 消費MP 2 効果 斬撃、刺突を捕えることができる。(LVに比例して成功率が上昇する)
ステータス
総合LV91→92
HP(体力) 8585→8602
MP(魔力) 115→118
筋力 3969→4012
耐久力 2989→3032
俊敏力 2215→2245
精神力 2075→2081
魅力 3484→3501
獲得技能
【チャクラ】 消費MP 1 効果 大気中にある霊子を吸収して、体内の自然治癒力を急上昇させる。体力、魔力、状態異常が微量ずつ回復する。無動作時に効果が上昇する。(LVに比例する)LV1
「おお、中々凄いな。今回【チャクラ】ってのを手に入れた。このステータスは強いのか?」
口頭でステータスを二人に伝えると、アレックスは驚愕して、リリムはニヤリと笑う。
「現状では上級魔族と同等くらいのステータスね。流石は勇者候補ってとこかしら。だけど、それは今の貴女のステータス。男になれば全能力1.5倍になるわよ」
「そうだ!約束だったよな?男に戻る方法を教えてくれ」
「永続的ではないわよ?条件付きで男の新垣悟に戻れる様に契約してあるのよ」
「どんな条件だ?」
「女性を抱きたいと欲情するだけよ。ただし、欲情が消えれば元に戻るわ」
「は~?!何なんだ、その条件は!?」
「男なら簡単でしょう?この女を抱いてヤルって考え続ければいいのよ?試しに、私で考えてみなさいよ。成功すれば、私が側に居続けるだけで男のままでいられるわよ」
アルテは深く溜息を吐くと、しょうがないかとリリムを見る。
綺麗と言うより可愛いと感じる顔と、豊満な胸とくびれ、そして弾力のありそうなお尻。普通の女性なら最高のスタイルだが、何故だか全くその気になれない。
「なんか無理だな」
「何でよ!?」
「だって悪魔じゃん」
大きく口を開けたまま、リリムはそのまま硬直した。
「今は仕方ない。とりあえず保留だな。じゃあ、丘の砦に向かうかな」
固まるリリムを放置して、アルテは砦へと歩き出す。その後をアレックスが付いて行く。しばらくして、待ちなさいよ~とリリムも半泣きで追いかけるのだった。
テレッテッテー、テレッテッテー。
何だこれは?と首を傾げていると、後ろからリリムが抱き着いてきた。柔らかいが程良く弾力のある胸を押し当ててくる。首に腕を回し、耳元でそっと甘い声で囁く。
「ねぇ、アルテ。こんながきんちょより強い冒険者は一杯いるのよ?勇者候補や勇者に至っては上級魔族並の強さらしいわ。貴女はもっと強い相手と戦いたいんでしょう?やっぱり私達は組むべきだと思わない?」
「お前が俺のやる事を決めるな。それに鬱陶しいから離れろ」
側から見れば、美女が二人ふざけ合っているとしか見えない。しかも裸に近い格好で。アレックスは顔を真っ赤にしながら見ないようにしている。
三人は泉から少し進んだ場所で休憩をしていた。岩に腰掛けているアルテは、アレックスの容態を隈なく見る。リリムが嫌々掛けた【ヒール】によって打撲や軽い骨折は完治していた。
「回復魔法か、凄いな。医者要らずじゃないか。アレックスは魔法は持って無いのか?」
「僕は魔法はまだ【サンダーボルト】しか使えません。リリムみたいに魔法特化ではありませんので」
「サーチは違うのか?」
「あれは技能ですので、魔力とかはあまり使わないです」
「アレックスはその若さで常人よりも能力は高いし、特殊な技能や魔法も使える。そんな便利なものどうすれば会得できるんだ?」
この世界の事はまだまだ知らない事だらけだ。
「魔法や技能はレベルアップ時にランダムで発現します。複数現れた場合はその中の一つを選ぶと覚えますよ」
「レベルアップ?冒険者になればいいのか?」
「違うわよ。神々のふざけた恩恵は全ての生物に平等に与えられているわ。つまり、経験さえ積めば人間、動物、モンスター、誰でも強くなれるわ」
「そんな事をして何をさせたいんだ?」
「さぁね~。元々、この世界には神なんて奴等居なかった。魔族がモンスターや人間を支配していたんだけど、貴女の世界、地球界の神々がその世界に嫌気がさしてこっちの世界に来たみたい。それからこんな感じで人間が魔族に反乱を起こして、今は魔族と人間の勢力図は半々。長年争いが絶えないわ」
「そこで僕達人間側は魔族の親玉、魔王を倒しさえすれば、形勢が変わると信じて勇者という役割を作りだしたんです」
「もう分かると思うけど、私達はその勇者候補を先に見付けて始末することにして、複数の人間が神々に候補者に選ばれたわ。その選ばれた一人の貴方を殺したってワケ」
「いい迷惑だな。それで、レベルアップはどうやって分かる?」
「それは頭に変な音楽が流れてくるから分かるわ」
「ああ、さっきから鳴っているこれか」
「レベル上がってたんですか?それなら、脳裏に自分自身の姿を投影して見て下さい」
言われた通りに今の姿の自分をイメージして思い浮かべる。すると、ディスプレイ画面を見ている様に、視覚の隅にウィンドウが開かれる。ああ、ゲームの画面のようだ。
アルテ=ルシアン 人間(女)
age 17 出身地 コッシーハ大陸 ナニゲ村
第1職業 村人(村娘) LV1→LV2
技能
【陽気に挨拶】 効果 如何なる状況でも陽気に挨拶できる。
「何だ!?職業村娘って!しかも、技能意味ねぇ!!」
最悪過ぎる!余りの内容に落胆する。その様子を見たリリムが察して、フォローする。
「貴女は第2職業とステータスが素敵なのよ」
「第2職業?」
再びウィンドウを開いて見る。スクロールして行くと続きがあった。
第2職業 格闘家LV90
技術
【肉体強化】 効果 LVUP時に筋力、体力、耐久力の上昇値が通常より増幅する。(LVに比例する)LV5
【武術の素養】 効果 武術に関する技能や技術を習得し易く、MP消費が軽減される。
【不動心】 効果 精神攻撃に耐性が付く。(LVに比例する)LV5
技能
【瞬歩】消費MP 2 効果 移動する速度と距離が瞬発的に上昇する。(LVに比例する)LV2
【発勁】消費MP 30 効果 爆発的な力の解放。短時間の間、全ての能力値が飛躍的に上昇する。時間経過後は通常値の半分まで能力値が下降する。(LVに比例して効果時間が延長する)LV2
【白刃取り】 消費MP 2 効果 斬撃、刺突を捕えることができる。(LVに比例して成功率が上昇する)
ステータス
総合LV91→92
HP(体力) 8585→8602
MP(魔力) 115→118
筋力 3969→4012
耐久力 2989→3032
俊敏力 2215→2245
精神力 2075→2081
魅力 3484→3501
獲得技能
【チャクラ】 消費MP 1 効果 大気中にある霊子を吸収して、体内の自然治癒力を急上昇させる。体力、魔力、状態異常が微量ずつ回復する。無動作時に効果が上昇する。(LVに比例する)LV1
「おお、中々凄いな。今回【チャクラ】ってのを手に入れた。このステータスは強いのか?」
口頭でステータスを二人に伝えると、アレックスは驚愕して、リリムはニヤリと笑う。
「現状では上級魔族と同等くらいのステータスね。流石は勇者候補ってとこかしら。だけど、それは今の貴女のステータス。男になれば全能力1.5倍になるわよ」
「そうだ!約束だったよな?男に戻る方法を教えてくれ」
「永続的ではないわよ?条件付きで男の新垣悟に戻れる様に契約してあるのよ」
「どんな条件だ?」
「女性を抱きたいと欲情するだけよ。ただし、欲情が消えれば元に戻るわ」
「は~?!何なんだ、その条件は!?」
「男なら簡単でしょう?この女を抱いてヤルって考え続ければいいのよ?試しに、私で考えてみなさいよ。成功すれば、私が側に居続けるだけで男のままでいられるわよ」
アルテは深く溜息を吐くと、しょうがないかとリリムを見る。
綺麗と言うより可愛いと感じる顔と、豊満な胸とくびれ、そして弾力のありそうなお尻。普通の女性なら最高のスタイルだが、何故だか全くその気になれない。
「なんか無理だな」
「何でよ!?」
「だって悪魔じゃん」
大きく口を開けたまま、リリムはそのまま硬直した。
「今は仕方ない。とりあえず保留だな。じゃあ、丘の砦に向かうかな」
固まるリリムを放置して、アルテは砦へと歩き出す。その後をアレックスが付いて行く。しばらくして、待ちなさいよ~とリリムも半泣きで追いかけるのだった。
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