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第13章 初顔合わせにドキドキですよ⁈
186話 風の大精霊エアリエル
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不老長寿となった5人は、その実感は無いものの、大いに喜んだ。ただ、エルフと同様に成人してから成長が止まるらしいので、チャコの成長をまだ見る事ができるという事だ。
『さて、喜んでいるところをすまないが、それに見合った約束を果たしてもらおうか』
「はい。心得ています」
アルディスはそう言うと、ベッドのシーツをめくり上げる。するとそこには、幾つもの魔法陣が施されていた。
「エアリエル様の霊気を抑える為の魔法陣でしたが、とうとう私の代で御役御免になりましたね」
特殊な魔法陣らしく、文字を杖でなぞり一つずつ丁寧に消していく。
『我がエルフ達に匿われて、もう二千の年が経つ。もはや、我を付け狙うあのうつけも諦めがついただろう。いやはや、我ながら永い引きこもり生活であった』
エアリエルは、思いっきり伸びをして、魔法陣が解けるのを今か今かと待っている。確かに、こんな洞窟に長い間閉じ籠っていたのだから、外に出てみたくてたまらないだろう。
「エアリエル様、ですがくれぐれもご注意をお願いします。貴方様の力の影響は、世界にも直に影響致しますので」
最後の魔法陣の解除を終えると、エアリエルはゆっくりと
『うむ。分かっている。そうだ!モース!それと、そこの其方!名を何という?』
『えっ、私⁈し、シルフィーですけど…』
突然指差され、風精霊はドキマギする。彼女からしたら、エアリエルは母親になるのかな?
『我の散歩に付き合うのです。しばらく出ていなかったから、外の世を案内してもらいましょうか』
『分かりました』
元気よく返事するモースと違い、シルフィーはどうしたら良いの?とアラヤを見る。ただの散歩なら、何も問題無いだろう。
「うん、散歩に付き合って差し上げて」
『う、うん。分かった』
『では私に掴まるのです。行きますよ?』
2人の中位精霊がエアリエルの手に掴まると、途端に風に包まれ洞窟から飛び出した。
『うおっ⁉︎何事じゃあ⁉︎』
洞窟の外にいた土精霊達の悲鳴が聞こえ、アラヤ達も洞窟から外へと出た。すると、尻餅をつく土精霊達は空を見上げている。
村の上空を飛ぶエアリエルに、村中の風精霊達が集まっている。
村人達も、自身の守護精霊(契約精霊)が呼ばれるままに付き従い、楽しそうにしている姿に呆気にとられている。
『おい村長、これはどういう事じゃ?エアリエル様が何故外に?』
土精霊達が、洞窟から出てきたアルディスに問い掛けると、彼女は彼等の前に濃厚な魔力玉を作り出して置いた。
「今までお疲れ様でした。エアリエル様を匿う使命も、今日で終わりです」
『なんと⁉︎とうとう決心がついてしまわれたか。寂しくなるのぅ』
『彼の方の側に居れぬ様になるとは、これからどうすれば…』
2人の土精霊は寂しそうにしている。その姿はリストラされたサラリーマンに似ている。
「これで、世間からこの村は隠れる必要が無くなったんですか?」
「ええ。今までは、彼の方を隠し保護する事が、この村の役割でした。しかし、大精霊様が出られた今、村は自由になりました」
村の結界を張っていたファウンロドの風精霊達も、エアリエルに呼ばれて結界を解いてしまう。村を隠していた結界が消えると、エアリエルは更に高く舞い上がる。
『さぁ、いざ世界へ!』
風の化身となったエアリエル達は、東を目指して流れて行った。
「あれ、戻って来るんだよね?」
「ええ、多分。散歩と仰っていたので」
少し不安になったけど、シルフィーならちゃんと帰ってくるだろう。問題は他の精霊達だろうなぁ。
「とりあえず、シルフィーが戻るまでは村に待機だね。それで、イシルウェはどうする?この村に残るのかい?」
村長から離れて、彼に今後を小声で尋ねると、気になる彼女は外方を見ながらも、こっそりと聞き耳を立てている。
「いや、私はもう、外の生活に慣れているからね。村が自由になったとはいえ、まだまだ生活水準が低い村だし、この村に私の仕事は無い。チャコを養っていく為には、私が働ける場所に行かないとね」
イシルウェも気を使ってか、姉が居るから嫌だとは言わなかった。村に来る前は、悪魔だと拒絶していたのだから、少しは気を許したのかな?まぁ、どちらにしても村には残らないと言ってるのだけどね。
「アラヤ君、そもそもこの村に来た目的は、新居を作るにあたっての参考になるかもという理由で来たんですよ?どうですか?参考になりましたか?」
「うん。呼び鈴や展望室もだけど、結界術を習えたのはかなり良かったと思う。後は良さそうな土地を探して買う準備をしなきゃね」
家を建てたら当然、結界を張って隠蔽しなきゃね。
「家を建てる土地をお探しですか?村の中なら何処でも無料でお貸しできますよ?」
アルディスが、ここだとばかりに話に入って来た。アラヤ達が村に家を建てれば、イシルウェも残る可能性が高まると思ってるんだな。しかし、巨大樹に家があるのが主流のこの村に建てる気は無い。
「いえ、出来れば見晴らしにもこだわりたいので、今回は遠慮します」
彼女は残念そうに項垂れる。だが、村の掟が無くなった今、彼女は村を出る事ができる。外に出た経験が無い彼女にはハードルが高いだろうけど、イシルウェを追う事で克服できる気がする。
『其方、土地を探しているのか?』
声がしたので見上げると、エアリエル達が帰って来ていた。モースとシルフィーも、アラヤ達の元に降りて来た。
『早過ぎてクラクラするわ~』
『当然よ、世界一周したのだもの』
「世界一周⁉︎」
今の僅かな時間で、軽く世界一周を成し遂げたらしい。流石、風の大精霊だね。
『其方には、我の護衛を頼みたいと考えていたけれど、一定の場所に止まるのであれば残念。我はもう、閉じ籠るのは勘弁じゃからなぁ』
エアリエルは、ウーンと考えている。護衛って、巨大な力を持つ大精霊に敵がいるとでも言うのか?もし居たとしたら、流石のアラヤにも土台無理な話しだろう。
『見晴らしの良い場所なら、この近くでさっき途中で見つけたよ~』
シルフィーが、付き合わされた散歩中にそれらしい場所を見つけたらしい。近いらしいので、皆んなで見に行く事になった。
『ほら、あの場所よ~』
その場所は、巨大樹の森から抜け出た山の中腹で、突き出した様な崖があり、平台の広さは建物を建てるには充分である。
「なるほど。確かに見晴らしは良いね。後は崖崩れ予防と結界による隠蔽をすれば良いかもね。えっと、この土地はどの国の管轄なんだっけ?」
「バラキイ国になりますね。この土地を購入するとしたら…」
『その必要は無い』
何故かついて来ていたエアリエルが、アラヤ達の前に出て片手に風を起こした。
その風を崖に向けて一振りすると、突き出した土地が丸々切り離された。
ズズズとズレ落ちる土地を、新たな風で浮かばせる。無茶苦茶な力の使い方だ。
『これで、どの国にも属さない土地になった。さぁ、この土地に建てるが良かろう』
浮遊地となった場所に家を建てる?天空の御殿ですね…。うん、良く考えると確かに悪く無いな。
「でも、エアリエル様の力添えが無ければ落ちてしまいますね」
『それは心配要らない。我も此処を住まいにするのでな』
まさかの押し掛け大精霊か…。大精霊の力を借りる…僅かに嫌な予感もするが、これはとても凄い事だな。
『おおっ‼︎ならば儂等が建築の加勢をしてやるぞう!』
呼んでもいないのに現れた先程の土精霊達。エアリエルの側に居たくて、隠れてついて来たな…。つまり、押し掛け精霊か。
『さぁ、目立つ前に結界で隠蔽するが良いぞ?楽しみであるのぅ。これで我も世界を旅する事ができる』
もう勝手に決められている様だ。嫁達を見ると、アラヤと違いワクワクしている。
「土地代も建築費用も無料ですね!」
「これなら、国境関係無しにデピッケルや村にも帰れるよ?」
「こうなると、天候を変えれるイシルウェさんには居て貰わなきゃね?」
「農園の母や仲間達も、是非遊びに呼びたいです」
ハウン達は、これからは教団にどう居場所の説明をするべきか困っている。だけど、顔はニヤけているところを見ると、彼女達も楽しんでいるな。
「これはもう決まりだね。分かった、この土地に俺達の新たな新居を作ろう!」
かく言うアラヤも、楽しみを隠さない笑顔で、早速始めるぞと走り出すのだった。
『さて、喜んでいるところをすまないが、それに見合った約束を果たしてもらおうか』
「はい。心得ています」
アルディスはそう言うと、ベッドのシーツをめくり上げる。するとそこには、幾つもの魔法陣が施されていた。
「エアリエル様の霊気を抑える為の魔法陣でしたが、とうとう私の代で御役御免になりましたね」
特殊な魔法陣らしく、文字を杖でなぞり一つずつ丁寧に消していく。
『我がエルフ達に匿われて、もう二千の年が経つ。もはや、我を付け狙うあのうつけも諦めがついただろう。いやはや、我ながら永い引きこもり生活であった』
エアリエルは、思いっきり伸びをして、魔法陣が解けるのを今か今かと待っている。確かに、こんな洞窟に長い間閉じ籠っていたのだから、外に出てみたくてたまらないだろう。
「エアリエル様、ですがくれぐれもご注意をお願いします。貴方様の力の影響は、世界にも直に影響致しますので」
最後の魔法陣の解除を終えると、エアリエルはゆっくりと
『うむ。分かっている。そうだ!モース!それと、そこの其方!名を何という?』
『えっ、私⁈し、シルフィーですけど…』
突然指差され、風精霊はドキマギする。彼女からしたら、エアリエルは母親になるのかな?
『我の散歩に付き合うのです。しばらく出ていなかったから、外の世を案内してもらいましょうか』
『分かりました』
元気よく返事するモースと違い、シルフィーはどうしたら良いの?とアラヤを見る。ただの散歩なら、何も問題無いだろう。
「うん、散歩に付き合って差し上げて」
『う、うん。分かった』
『では私に掴まるのです。行きますよ?』
2人の中位精霊がエアリエルの手に掴まると、途端に風に包まれ洞窟から飛び出した。
『うおっ⁉︎何事じゃあ⁉︎』
洞窟の外にいた土精霊達の悲鳴が聞こえ、アラヤ達も洞窟から外へと出た。すると、尻餅をつく土精霊達は空を見上げている。
村の上空を飛ぶエアリエルに、村中の風精霊達が集まっている。
村人達も、自身の守護精霊(契約精霊)が呼ばれるままに付き従い、楽しそうにしている姿に呆気にとられている。
『おい村長、これはどういう事じゃ?エアリエル様が何故外に?』
土精霊達が、洞窟から出てきたアルディスに問い掛けると、彼女は彼等の前に濃厚な魔力玉を作り出して置いた。
「今までお疲れ様でした。エアリエル様を匿う使命も、今日で終わりです」
『なんと⁉︎とうとう決心がついてしまわれたか。寂しくなるのぅ』
『彼の方の側に居れぬ様になるとは、これからどうすれば…』
2人の土精霊は寂しそうにしている。その姿はリストラされたサラリーマンに似ている。
「これで、世間からこの村は隠れる必要が無くなったんですか?」
「ええ。今までは、彼の方を隠し保護する事が、この村の役割でした。しかし、大精霊様が出られた今、村は自由になりました」
村の結界を張っていたファウンロドの風精霊達も、エアリエルに呼ばれて結界を解いてしまう。村を隠していた結界が消えると、エアリエルは更に高く舞い上がる。
『さぁ、いざ世界へ!』
風の化身となったエアリエル達は、東を目指して流れて行った。
「あれ、戻って来るんだよね?」
「ええ、多分。散歩と仰っていたので」
少し不安になったけど、シルフィーならちゃんと帰ってくるだろう。問題は他の精霊達だろうなぁ。
「とりあえず、シルフィーが戻るまでは村に待機だね。それで、イシルウェはどうする?この村に残るのかい?」
村長から離れて、彼に今後を小声で尋ねると、気になる彼女は外方を見ながらも、こっそりと聞き耳を立てている。
「いや、私はもう、外の生活に慣れているからね。村が自由になったとはいえ、まだまだ生活水準が低い村だし、この村に私の仕事は無い。チャコを養っていく為には、私が働ける場所に行かないとね」
イシルウェも気を使ってか、姉が居るから嫌だとは言わなかった。村に来る前は、悪魔だと拒絶していたのだから、少しは気を許したのかな?まぁ、どちらにしても村には残らないと言ってるのだけどね。
「アラヤ君、そもそもこの村に来た目的は、新居を作るにあたっての参考になるかもという理由で来たんですよ?どうですか?参考になりましたか?」
「うん。呼び鈴や展望室もだけど、結界術を習えたのはかなり良かったと思う。後は良さそうな土地を探して買う準備をしなきゃね」
家を建てたら当然、結界を張って隠蔽しなきゃね。
「家を建てる土地をお探しですか?村の中なら何処でも無料でお貸しできますよ?」
アルディスが、ここだとばかりに話に入って来た。アラヤ達が村に家を建てれば、イシルウェも残る可能性が高まると思ってるんだな。しかし、巨大樹に家があるのが主流のこの村に建てる気は無い。
「いえ、出来れば見晴らしにもこだわりたいので、今回は遠慮します」
彼女は残念そうに項垂れる。だが、村の掟が無くなった今、彼女は村を出る事ができる。外に出た経験が無い彼女にはハードルが高いだろうけど、イシルウェを追う事で克服できる気がする。
『其方、土地を探しているのか?』
声がしたので見上げると、エアリエル達が帰って来ていた。モースとシルフィーも、アラヤ達の元に降りて来た。
『早過ぎてクラクラするわ~』
『当然よ、世界一周したのだもの』
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シルフィーが、付き合わされた散歩中にそれらしい場所を見つけたらしい。近いらしいので、皆んなで見に行く事になった。
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「バラキイ国になりますね。この土地を購入するとしたら…」
『その必要は無い』
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その風を崖に向けて一振りすると、突き出した土地が丸々切り離された。
ズズズとズレ落ちる土地を、新たな風で浮かばせる。無茶苦茶な力の使い方だ。
『これで、どの国にも属さない土地になった。さぁ、この土地に建てるが良かろう』
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「でも、エアリエル様の力添えが無ければ落ちてしまいますね」
『それは心配要らない。我も此処を住まいにするのでな』
まさかの押し掛け大精霊か…。大精霊の力を借りる…僅かに嫌な予感もするが、これはとても凄い事だな。
『おおっ‼︎ならば儂等が建築の加勢をしてやるぞう!』
呼んでもいないのに現れた先程の土精霊達。エアリエルの側に居たくて、隠れてついて来たな…。つまり、押し掛け精霊か。
『さぁ、目立つ前に結界で隠蔽するが良いぞ?楽しみであるのぅ。これで我も世界を旅する事ができる』
もう勝手に決められている様だ。嫁達を見ると、アラヤと違いワクワクしている。
「土地代も建築費用も無料ですね!」
「これなら、国境関係無しにデピッケルや村にも帰れるよ?」
「こうなると、天候を変えれるイシルウェさんには居て貰わなきゃね?」
「農園の母や仲間達も、是非遊びに呼びたいです」
ハウン達は、これからは教団にどう居場所の説明をするべきか困っている。だけど、顔はニヤけているところを見ると、彼女達も楽しんでいるな。
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