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第二章
第二話
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マチルダが教室に着くとマチルダ以外の五人がすでに来ていた。
マチルダが素早くどんな人と一緒に学んでいくのかと見るとマチルダ以外の五人は男子であった。五人は、それぞれ自分の従えている竜を連れている。
もともと竜騎士になるために剣術が必要なためか、女子の竜騎士は圧倒的に数が少なかった。今年は女子はマチルダ一人のようだった。
国で友達を作ることが叶わなかったマチルダは友達を作ることを少し期待していた部分があったのか残念に思った。
マチルダが適当に教室の席に座ろうと教室に入ると怒鳴るような声が聞こえてきた。
「お前、試験の時に竜を連れていた生意気な女だな!! 何者だ!! この国の者じゃあないな!!」
マチルダをチラッと見た青い竜を連れた見た目は良いのだが青い髪でわがままそうな顔のドラガニア国の公爵家令息ダニエル・シェーファーは怪しいものを見る目つきで、教室に入ろうとするマチルダの前にやってきて立ちはだかり、ダニエルは意地悪そうに敵意のこもった言葉を投げつけた。
「マグナス王国から参りましたマチルダと申します」
敵意をあらわにするダニエル・シェーファーに表情も変えずにマチルダは家を出てきたこともあり、家名を名乗らずに竜騎士の服に合わせカーテシーでなく、礼をする。
マチルダがマグナスと言ったとたんダニエル・シェーファーは更に敵意を増した表情をするとともにさげすむような表情を見せる。
「フン!! この国のもの以外で竜騎士の素質があるとは思えん。お前、我が国の王家特有の髪と目の色だが、どこで手に入れたのだ?? マグナスからのスパイか?」
ダニエル・シェーファーに付き従っている赤い竜を連れたドラガニア国男爵家のフランク・ベッカーはダニエルに同調する。
「ダニエル様の言うとおりだ!! 我が国の王族以外に持ちえない髪と目の色を持つ怪しいやつ。お前のような怪しいやつのくるところじゃあないぞ」
二人でマチルダにいちゃもんを付けているが、実家で異母兄弟や継母にさんざん蔑まれて過ごしてきたマチルダにすれば大したこともなく、取り合えず二人が言い終わるまで聞き流しながら待とうとする。
他の竜騎士の訓練生は、見るからに貴族と言わんばかりの雰囲気の二人にマチルダを庇う事も出来ず、あたふたとしている。
あまりの二人の言いがかりに切れかけたのはマチルダの連れている紫の竜のリラだった。
今の小さくかわいい姿とは反対に眉間にしわが入ってきていた。リラはダニエルにプレッシャーを与えながら、相対した。
『マチルダにいちゃもんを付けるそこのお前!!』
「なんだ!! 」
リラのあまりのプレッシャーに何とか返答をするもダニエルは怯む。ダニエルの連れている青い竜とフランクの連れている赤い竜は震えてそれぞれの主の後ろに逃げ込んだ。
『マチルダをけなす癖に、我に恐れを感じるとは小童め!! イグニース!!ブラウ!!』
名前を呼ばれたダニエルとフランクの従えている竜は恐々リラを見る。
『『リラ様!!』』
竜たちは平身低頭と言う言葉が当てはまるほど低姿勢を見せる。リラは気にしない。
『お前たち!! 主にわしとわが主について伝えておらんのか』
『『申し訳ありません。リラ様!!久しぶりにリラ様のお姿をお見かけしたもので……』』
「「「「「リラ様??」」」」」
ダニエルの青い竜イグニースとフランクの赤い竜ブラウとマチルダの竜リラの会話を聞いていたマチルダ以外の五人の竜騎士訓練生はリラの名前に驚きを隠せない。何が起こっているのかわからないのはマチルダのみだった。
マチルダが素早くどんな人と一緒に学んでいくのかと見るとマチルダ以外の五人は男子であった。五人は、それぞれ自分の従えている竜を連れている。
もともと竜騎士になるために剣術が必要なためか、女子の竜騎士は圧倒的に数が少なかった。今年は女子はマチルダ一人のようだった。
国で友達を作ることが叶わなかったマチルダは友達を作ることを少し期待していた部分があったのか残念に思った。
マチルダが適当に教室の席に座ろうと教室に入ると怒鳴るような声が聞こえてきた。
「お前、試験の時に竜を連れていた生意気な女だな!! 何者だ!! この国の者じゃあないな!!」
マチルダをチラッと見た青い竜を連れた見た目は良いのだが青い髪でわがままそうな顔のドラガニア国の公爵家令息ダニエル・シェーファーは怪しいものを見る目つきで、教室に入ろうとするマチルダの前にやってきて立ちはだかり、ダニエルは意地悪そうに敵意のこもった言葉を投げつけた。
「マグナス王国から参りましたマチルダと申します」
敵意をあらわにするダニエル・シェーファーに表情も変えずにマチルダは家を出てきたこともあり、家名を名乗らずに竜騎士の服に合わせカーテシーでなく、礼をする。
マチルダがマグナスと言ったとたんダニエル・シェーファーは更に敵意を増した表情をするとともにさげすむような表情を見せる。
「フン!! この国のもの以外で竜騎士の素質があるとは思えん。お前、我が国の王家特有の髪と目の色だが、どこで手に入れたのだ?? マグナスからのスパイか?」
ダニエル・シェーファーに付き従っている赤い竜を連れたドラガニア国男爵家のフランク・ベッカーはダニエルに同調する。
「ダニエル様の言うとおりだ!! 我が国の王族以外に持ちえない髪と目の色を持つ怪しいやつ。お前のような怪しいやつのくるところじゃあないぞ」
二人でマチルダにいちゃもんを付けているが、実家で異母兄弟や継母にさんざん蔑まれて過ごしてきたマチルダにすれば大したこともなく、取り合えず二人が言い終わるまで聞き流しながら待とうとする。
他の竜騎士の訓練生は、見るからに貴族と言わんばかりの雰囲気の二人にマチルダを庇う事も出来ず、あたふたとしている。
あまりの二人の言いがかりに切れかけたのはマチルダの連れている紫の竜のリラだった。
今の小さくかわいい姿とは反対に眉間にしわが入ってきていた。リラはダニエルにプレッシャーを与えながら、相対した。
『マチルダにいちゃもんを付けるそこのお前!!』
「なんだ!! 」
リラのあまりのプレッシャーに何とか返答をするもダニエルは怯む。ダニエルの連れている青い竜とフランクの連れている赤い竜は震えてそれぞれの主の後ろに逃げ込んだ。
『マチルダをけなす癖に、我に恐れを感じるとは小童め!! イグニース!!ブラウ!!』
名前を呼ばれたダニエルとフランクの従えている竜は恐々リラを見る。
『『リラ様!!』』
竜たちは平身低頭と言う言葉が当てはまるほど低姿勢を見せる。リラは気にしない。
『お前たち!! 主にわしとわが主について伝えておらんのか』
『『申し訳ありません。リラ様!!久しぶりにリラ様のお姿をお見かけしたもので……』』
「「「「「リラ様??」」」」」
ダニエルの青い竜イグニースとフランクの赤い竜ブラウとマチルダの竜リラの会話を聞いていたマチルダ以外の五人の竜騎士訓練生はリラの名前に驚きを隠せない。何が起こっているのかわからないのはマチルダのみだった。
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