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3章 鉱石と鍛冶屋

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徳井「・・・何だか凄くゴワゴワするんだけど・・・。違和感しかない・・・。」


加治屋「ケガをしない為だ、それでも大分軽量にしてやったんだ我慢しろ。」


加治屋は登山用の服装に着替えさせた徳井と共に、発掘調査が行われると言う山の麓に歩いて向っていた。


加治屋「・・・おい・・・、徳井。」


加治屋は一抹の不安を感じ、徳井に話しかけた。


徳井「・・・何だ?」


加治屋「発掘調査の日・・・本当に今日なんだろうな?何か・・・不安になって来た・・・。」


徳井「おいおい・・・何だ?それが人に確認に行かせた奴の言う事か?」


加治屋「いや、だってお前、結構な割合で物忘れるだろ。修理依頼して来て取りに来る日にちになっても来ないし、

挙句の果てには修理代金を持って来ずに店で与太話、俺はな、無駄足が一番嫌いなんだよ。」


徳井「ふっ・・・そんな事か。安心しろ!ちゃんと確認はした!それでもし無駄足だったら、

今度ただで食わせてやるよ!俺の飯屋まで来れたらなぁ!!」


加治屋「・・・じゃあ特上ステーキを今日奢ってもらおうか?丁度昼までには戻れそうだろ?」


徳井「いやお前・・・どんだけ俺信用されてねぇんだよ・・・?」


そしてその数分後・・・。


徳井「ふぅ・・・ふぅ・・・な・・・なぁ・・・?」


加治屋「・・・何だよ?何か忘れてたのか?」


徳井「・・・た・・・タクシー拾おうぜぇ・・・。つ・・・疲れたぁ・・・。」


うなだれた様に加治屋に訴えかけた徳井は、もう歩く事を放棄するかの様に歩を止めた・
 

加治屋「お前なぁ・・・へばるのが早すぎるだろ。それに、

この世界にタクシーなんて文明の利器がある訳無いだろ?」


徳井「分かってるけどよ・・・だって・・・。もう足が棒になってんだよ!もう動けねぇよぉ!!」


加治屋「ほぼ毎日飯屋で立ち仕事してんだろ?足ってのは仕事で鍛えている様な物。

それとも体力が無いのか?」


徳井「いや・・・立ち仕事してたって、その場に立ったままが多いし、料理運ぶのもスタッフに任せてんだ。

それに鍛冶屋を往復するだけで滅多に歩かないんだから、疲れたってしょうがないじゃないか!」


徳井は意地でも休憩をしようと加治屋に訴えかけ、そこから頑なに動こうとしなかった。


加治屋「・・・ならもう少し我慢しろ。この近くに湧水が出る場所がある。そこで一旦休憩するぞ。

そこまで踏ん張れ。」


徳井「・・・お前ってさ・・・、俗に言うツンデレだよなぁ?」


先程までゼェゼェ言っていた徳井はそれを聞いた途端、元気になりふざけ始めた。


加治屋「黙れ。置いてくぞ。」


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