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4章 鍛冶屋とパーティー

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言い聞かせるかのように冒険家は己を鼓舞し、更に集中力を高めようとしていた。


魔術師「僕の回復魔法は他の魔法も使う事も考えて・・・、後出来て1回。出来ればここで決めて下さい!!」


格闘家「・・・これで・・・決めろよ・・・!」


そして追って来たゴーレムを射程圏に冒険家が捉え、弓を引き絞った。

そして体の全神経をゴーレムの関節部に集中させ・・・。


冒険家「・・・当たれぇぇ!!」


冒険家が意を決して放った矢、それは真っすぐにゴーレムへ向かって来ていたが・・・。


格闘家「お・・・おいアレ、少し下じゃないか・・・?」


矢の軌道は冒険家の意図した軌道とは少しずれを起こし、ゴーレムの首元を狙っていたはずが、

それは胸部へ向っていた。その場にいた全員が外れると予感した。


冒険家「ま・・・マズい!!このままだと・・・。は・・・早く次の矢を・・・!!」


冒険家はこの後の事を予測してか、すぐさま次の矢を構えようとしたが、

矢を構えるのに少々手こずってしまっていた。


冒険家「く・・・クソッ!!何でこんな事になるんだよ!?」


いざと言う時に力を発揮できない自分にイラつき後悔していると・・・。


加治屋「まぁ・・・これ位だったら援護の範疇は超えんだろう・・・。」


その瞬間、下に軌道が落ちていた矢は、突如上に向かって吹いた不自然な風によって軌道が元に戻り始めた。


冒険家「なっ・・・?」


そして矢はゴーレムの首元、弱点である関節部へ見事に直撃した!


格闘家「は・・・?・・・何だ今のは?急に矢の軌道が変わったぞ?あいつ、操作でもしたのか?」


魔術師「いや、そんな事より・・・、これはチャンスですよ!!」


関節部へ麻痺効果のある矢が刺さったゴーレムは途端に体の動きをこわばらさせ、動けなくなっていった。


冒険家「さ・・・さぁ!気を取り直して・・・ここからが本番だ!!一気に攻めるぞ!!お前等!!!」



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