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5章 鍛冶屋と勇者の武具
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しおりを挟む少年「でも・・・何で急に協力的になったんだ?さっきまでさっさと帰れって言ってたあんたが・・・?」
加治屋「・・・別に無個性と判断されたからと言って冒険家としての適性が無い訳じゃない。
それに適性属性が無い・・・つまり無属性。逆に言えばそれはどの属性にも安定した打点が稼げると言う事。
変に弱点を気にする必要が無いってわけだ。まぁ、本心を聞けたからってのが理由だろうか?」
少年「・・・俺も・・・冒険家になれるのか?」
加治屋「それはお前次第って言っただろ?所詮お前の適性を判断した奴は、
その先の成長度合いまではわかり得ない。つまりその先、
冒険家としてやって行けるかどうかは、その先に行くお前しか知らない。」
少年「・・・・・・・・・。」
加治屋「無個性・・・無属性?そんな物大いに結構じゃないか?それだけ選択肢は無限大に広がっている訳だ。
何もないと言う表面上の結果なんかに惑わされるな。お前の事はお前しか知らないんだ。生意気な所もな?」
少年「なぁ・・・?」
加治屋「・・・何だ?」
少年「あ・・・俺に・・・稽古を付けてくれないか?俺・・・強くなりたいんだ・・・。」
加治屋「・・・何言ってんだ?・・・お前はもう・・・、やっているだろ?」
少年「え・・・?」
加治屋「お前が今している装備、子供用の甲冑ではあるが、それはトレーニング用に作られた物でもある。
まぁ俺の場合はお前みたいな生意気な子供を撃退する口実で使っていたんだが。」
少年「だ・・・だから妙に重いのか・・・?」
少年は今も尚装着している甲冑の重さを改めて感じていた。
加治屋「お前の様に初めから強力な装備を欲しがってここへやって来た奴は少なくない。
だがそんな奴が装備を手にした所で宝の持ち腐れ。使いこなせずに戻しに来る奴がほとんどだ。
要求したところで出しはしなかったけどな。」
少年「・・・・・・・・・。」
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