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7章 鍛冶屋と武具を狙いしモノ

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騎士団長「それがこの世界でも変わることなく行われている。

だから私は共和国軍に何も期待していないんだ。」


加治屋「大体の話はわかった。これは俺の店の存続にも関わる問題だって事もな。」


騎士団長「だがお前の店は共和国軍側だ。不穏な動きを見せればどうなるかわからんぞ?」


加治屋「いやそうじゃねぇ。俺が懸念しているのは店の裏側の事だ。」


騎士団長「裏側・・・?店の裏に何かあるのか?」


加治屋「さっきあんたが言っていた、共和国軍が喉から手が出る程欲しがっているものだ。」


騎士団長「・・・嘘だろ?」


騎士団長は加治屋が言っている事が信じられなかった。

加治屋が今言っているのは、裏ダンジョンの1つを教えているような物だったからだ。


徳井「お・・・おい!?そんな事言ったら・・・。」


加治屋「知りたがってんのは共和国軍の方だろ?ならそれを阻止しようとしている人間に提供しておいた方が、

もしもの時に事がスムーズに進んで行くだろ?」


騎士団長「・・・本当の事を言っているのか?私だって裏ダンジョンを見た事が無い訳じゃない。

だが、ここに来てからそんな気配を感じた事は無いんだが?」


加治屋「そりゃあそこの主に大人しくしてもらっているからな?気配を消すのは得意なんだそうだ。」



騎士団長「ダンジョンの魔物と会話も出来るのか?・・・私の時は入り口に近付いただけで威嚇されたって言うのに。」


加治屋「初めからこうだった訳じゃない。力で屈服させることは不可能だったからな。要は対話だ。

俺は暇な時の全てを主との対話に費やした。あっちもあっちで話し相手を求めていたかもしれないと思ってな。」


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