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7章 鍛冶屋と武具を狙いしモノ
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しおりを挟む騎士団長「それで大人しくなったと?」
加治屋「別にあっちも暴れたくて威嚇してきた訳じゃない。この世界が生まれたと同時に主も生まれた。
何もわからず裏ダンジョンに閉じ込められている側からしたら、
外からの接触は恐怖でしかない。だから威嚇してきていたんだ。」
騎士団長「・・・確かに・・・そうか。どんな事でも慣れない事もある。私はそこに好奇心だけで向かって行った・・・。」
加治屋「まぁ兎に角、俺には強力な後ろ楯がいる。
それに俺もそれなりには鍛えているしな!」
徳井「お前の場合は抵抗が前提にあるからなぁ・・・。」
騎士団「・・・そうか。だが、勇者の武具。あれだけは私の立場上見逃す訳にはいかない。」
加治屋「・・・忘れてなかったか。だがな、俺もあいつと約束した手前、破る訳にはいかんのだがな?」
騎士団長「何もその武具を破壊する訳ではない。まぁここに来るまではそのつもりだったが。」
加治屋「どういう事だ?」
騎士団長「その武具、一時的に私に預けてくれないだろうか?勿論その時が来れば必ず返す。」
加治屋「その時・・・それはいつだ?」
騎士団長「共和国軍の目論見、裏ダンジョンへの進出の阻止。」
加治屋「・・・先が見えんな。」
騎士団長「あぁ、確かにそうだ。だから勇者の武具を隠す事がその目的に必要なんだ。」
加治屋「・・・・・・・・・。」
加治屋は再び沈黙してしまった。
騎士団長「あなたが意地を通すのもわかるし、それは否定しない。だが、私も私の居場所を失いたく無いんだ。」
加治屋「・・・隠すのに必要な物は?剣か?」
騎士団長「剣・・・そうだな、確かに必要だ。後は・・・盾だ。」
加治屋「・・・・・・・・・。」
徳井「・・・おい?何でまた黙った?」
加治屋「安全は保証出来るんだろうな?」
騎士団長「約束する。私も高みを目指す少年の夢を潰すつもりはないからな。」
徳井「おい!?本当に良いのか?」
加治屋「実際、その武具を手に入れようと盗みまで働く輩がいるんだ。俺だけでは対処に困っていた。」
騎士団長「安心しろ。そこは共和国軍どころか魔王軍ですら知らない場所だ。」
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