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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟むその不安の声を他所に、新鮮な野菜を持って来た金田は鍛冶屋の目の前までやって来ていた。
金田「・・・おいおい、もうバレてんじゃないのか?兵士がウジャウジャと・・・。」
金田が着いた時には、店の玄関の前には数人の兵士が周辺を囲っていた。まるで、逃走を防ぐ為の様な。
だが金田にはその様な事は関係無かった。
金田「ちょっとちょっと、そこをどいてくれねぇか?邪魔でしかたねぇ。」
兵士1「は?誰だあんた?ここに何の用だ?」
金田「あんた達には関係ないよ。さぁさぁ、そこをどいてくれ。」
兵士2「いや、ここの主に用があるのはこちらも同じ。ここに来たと言う事は、何か知っているんじゃないのか?」
金田「さぁね、俺はただここに野菜を届けに来ただけだ。いなかったら冷蔵庫にでも入れておくさ。
それとも、あんた達は一般市民にも容赦なく尋問をするのか?最近よくそんな話を聞くからな。」
兵士3「我ら共和国に協力的で無い者に対してだけだ。その様な噂を真に受けるなど、タダじゃ済まされないぞ?」
金田「そうやって飯屋の店主にも脅してたそうだな?確か店を潰すとか何とか・・・?」
兵士4「おい、いい加減にしておけよ?共和国軍の兵士だと言う事が分かっていながら、
さっきから生意気な口を機k過ぎだぞ?」
金田「そう言う所が良くないんじゃないのか?そう言う所民は見てるぞ?共和国軍の兵士だからと言って、
偉くなったと思わない事だ。」
兵士達「・・・・・・・・・。」
兵士達は急に静かになり、金田を無言で囲み始めた。それを知ってか知らずか金田は。
金田「おやおや、見た目からしても俺より若かろう兵士が寄って集って、恥ずかしくは無いのか?」
兵士1「あんた、一般市民じゃないだろ?その肝の据わり様、今我らが囲っても動じない余裕。
かなりの実力者と見た。」
金田「やっぱり・・・穏便には済まされないか・・・。」
兵士2「あんたの体つきを見ればわかる、その背負った野菜の量から見てかなりの重量になるはず、
それを平然と汗一つかかずに立っている。そうなれば、分かるだろ?」
金田「お互い譲れない立場だと言う事はわかる、だが、何故そこまでする?世界を壊滅させる事の手伝いなんて?」
兵士3「世界を壊滅?何を言っているんだ?何故共和国軍が世界を壊滅するなどと言う事になるんだ?」
金田「・・・いや、もう良い。お前等みたいな奴等は言葉でどうこう言うよりも、力で伝えた方が良さそうだ。」
そう言うと金田は野菜が入った籠を下ろし、手に持っていた木の枝を兵士達に向けた。
ただ、兵士達にはそれで充分伝わっていた。
兵士1「その枝で充分だと言う事か・・・。ならどうやってこの人数を倒すのか・・・。」
そう言いながら兵士達は各々武器を抜き、それを一斉に金田に向けた。
金田「・・・久しぶりの実戦だ。簡単にやられてくれるなよ?」
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