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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟む騎士団長「・・・なに?お前が・・・そいつに頼んだと?そいつに武具を預けたと?」
騎士団長は信じられないと言う風な顔で、加治屋を今にも襲い掛かりそうに少しずつ歩き出していた。
金田「おい、話は最後まで聞け。それにそんな姿を部下が見たらどう感じるだろうな?」
騎士団長「ぐぅ・・・。な・・・何故だ?何故その様な事を・・・?」
加治屋「何でだろうな・・・?何かがあったと言えば・・・そいつがあんたより信用できる、
そう感じたからかな?同じ騎士団長でも、喋り方や何から何まで・・・正反対に見えるよ。」
騎士団長「だから、騎士団長は俺1人だけだ!他には誰もいない!多くの功績を立てて初めて成り得る地位!
そう簡単に何人もなれる訳・・・。」
加治屋「そこまで言えば何となくわかって来るんじゃないのか?共和国軍に騎士団長は1人。
そうすればもう1つの可能性が出て来るだろ?」
騎士団長「・・・お前、まさか・・・魔王軍の騎士団長に渡したのか?!」
加治屋「・・・さぁな、魔王軍の幹部だって所まではわかったんだけどよ。詳しい役職までは聞いて無かったな。」
金田「お前らしいな?普通考えないぞ?魔王軍に俺の武具を渡すなんて。」
加治屋「いや、厳密に言えば、渡したのは剣と盾だ。主要な武具しか渡していない。」
加治屋と金田が雑談の様に重要な内容をペラペラと喋り、その様子を騎士団長は体を震わせながら聞いていた。
騎士団長「おい・・・。それじゃあ何か?俺達は今まで一体何をしていたんだ?
持っていない鍛冶屋の店主を血眼になって探し、挙句の果てには魔王軍に渡っていたと・・・?」
加治屋「だがそいつは自分しか知らない場所に隠すと言ってくれたんだ。俺はそれを信じる。」
騎士団長「ふ・・・ふざけるな!共和国の騎士団長である俺を信じずに、魔王軍の幹部の言う事は信じるだと?
お前も・・・悪の手先か!!」
突如激高した騎士団長は加治屋に向かって腰に差した剣を引き抜いた。そして、
すぐにでも切りかからんとばかりの構えで問いただし始めた。
金田「いい加減にしろ。その構え・・・冗談じゃ済まされないぞ?加治屋も、
あまりこいつを怒らせるような事を言うんじゃねぇよ!」
加治屋「そのつもりは無かったんだけどな。それに魔王軍に武具が渡ったとしても使用は出来ない。
魔王軍の人間が使っても効果が無いからな。」
騎士団長「その様な事は知っている!魔王軍に属している者は勇者の武具を装着しても効果が無いなど。」
加治屋「ならわからないか?魔王軍が何故その様な事をしているのか。共和国軍が何をしようとしているのか。」
騎士団長「それは国王が決める事!我々が介入する隙等あるはずが無い!」
加治屋「なら共和国軍が裏ダンジョンを私用地化するつもりだと言う事にも疑問を抱かないのか?」
騎士団長「裏ダンジョンは裏ダンジョンだ。領土が広がればそれだけ住む場所が増える。
そしてこの世界は更に豊かになる。それのどこが悪い?」
加治屋「・・・やはり裏ダンジョンの事に関して何も知らない様だな?」
騎士団長「・・・どういう事だ?」
加治屋「どういう事だって言われてもなぁ・・・。なら、お前にも、
裏ダンジョンを体感してもらった方が良いかもな?」
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