165 / 170
9章 鍛冶屋とバグ(チート)
45
しおりを挟む門番の突然の提案に金田は少々黙ってしまった。
金田「・・・・・・・・・。」
門番「直ぐにとは言わない。だが、この向こうの人民たちは希望を失いつつある。」
金田「・・・だから魔王を倒した俺なら、この先の魔物達にも対抗できると?」
門番「あぁ・・・、出来るならお前の奥さん・・・元魔王にも行って貰いたい。
2人でならもっと早くなるかもしれないからな・・・。」
金田「・・・まぁ、こっちではほぼ平和だったからな・・・。争い事があったとしても問題無い・・・か。」
門番「引き受けてくれるのか?」
金田「それは嫁に聞いてみないとわからない。だがあいつの事だ・・・常に戦いを欲していた程だ、
真っ先に突っ込んでいきそうだな・・・。」
金田はそう言いながら深い・・・とても深いため息をついた。
門番「決してこっちの世界に戻って来れない訳じゃ無い。
この門を開けてしまえば自由に行き来出来るようになる。」
金田「それは・・・向こうも同じって事だよな?もし、魔物が迷い込んだらどうするんだ?」
門番「それはこっちの世界の共和国軍に任せる。だが、それでも突破しようものなら俺が相手になる。
別の世界に介入する魔物の討伐については許されているからな。」
金田「・・・あと一つ最後に聞きたい事がある。」
門番「・・・何だ?」
金田「この世界・・・この場所にやって来る人間達はどうやって選ばれているんだ?
何か基準でもあるのか?」
門番「・・・死の直前まで・・・、志半ばで死んでいった者達が選ばれる。
まだ事を成していない者、まだその道の途中である者・・・様々だ。」
金田「・・・と言う事は、現実に絶望し自ら命を断ったものに対してはどうなる?」
門番「論外だな。そう言った者が来たとすれば永遠に死のうとする。
そうなると周囲に良い影響はない。だがまぁ・・・、そう言った者達が行きつく場所があるとも聞くがな?」
金田「自ら命を断った者達だけの世界・・・、想像しただけでゾッとするな・・・。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
99
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる