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9章 鍛冶屋とバグ(チート)

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門番「共通しているのはどちらの人間も亡くなっている事、あちらの世界からこっちへ来る事は無いだろうが、

その逆はあるかもしれん・・・。」


金田「それはそいつらの自己責任だろ。俺だってそこまで相手には出来ん。」


門番「そこまでは言って無い。お前には希望を与えて欲しいだけだ。」


金田「また随分、抽象的な表現を・・・。俺なんかに希望なんか期待するなよ?

俺に出来るのはせいぜいマイナスをプラマイゼロにするだけ。

後はその世界の人間がどうにかする事だ。ただ、どれだけかかるかわからんが・・・。」


門番「・・・俺の方でも出来る限りの支援はする。お前の言う通り、

その世界をマイナスからゼロにしてくれれば良い。それ以上はその世界の者達にやらせる。」


金田「・・・なら俺はこれで失礼させてもらう。色々と準備が必要だからな・・・。

入るタイミングは追って知らせる。」


門番「・・・わかった。準備が整ったら教えてくれ・・・。俺は暫くここにいる。

ここには誰も近寄っては来ないだろうからな。」


金田「積もる話でもあるのか・・・そんな奴でも・・・?」


門番「・・・・・・・・・。」


門番は答えなかったが、金田はそれが門番の答えだと判断しその場を後にした。


そして暫くして・・・。


門番「・・・・・・なぁ、そろそろ良いだろ?お前も・・・俺も長く生きすぎた。」


門番は金田から預かった聖剣イグニスを地面に刺し、その目の前に門番は座り込み話し始めていた。


門番「・・・お前はここにいた数百年間・・・一体何を考えて生きていたんだろうな・・・?

肉体を失った後・・・魂になったお前は・・・何を感じていた・・・?」


門番のその問いかけに・・・剣は答えなかった。答えたくなかったのか、

その答えを持ち合わせていなかったのかはわからない・・・ただ・・・。


門番「・・・お前は久々に外へ出て・・・何を思った?」


相変わらずその部屋からは門番の声のみが響き、問いかけの答えを待つかのように沈黙が流れた。


門番「・・・例えお前が何も答えずとも・・・、俺は構わねぇ。

久々の話し相手だ、幾らでも付き合ってもらうぞ。なぁ・・・信長・・・?」


遠い・・・別の世界では・・・、歴史上の人物の魂が現世に召喚された、そんな噂があったが・・・。

その噂が門番の耳に届くのは、そう遠くない話だが・・・。それはまた別のお話・・・。


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