166 / 170
9章 鍛冶屋とバグ(チート)
46
しおりを挟む門番「共通しているのはどちらの人間も亡くなっている事、あちらの世界からこっちへ来る事は無いだろうが、
その逆はあるかもしれん・・・。」
金田「それはそいつらの自己責任だろ。俺だってそこまで相手には出来ん。」
門番「そこまでは言って無い。お前には希望を与えて欲しいだけだ。」
金田「また随分、抽象的な表現を・・・。俺なんかに希望なんか期待するなよ?
俺に出来るのはせいぜいマイナスをプラマイゼロにするだけ。
後はその世界の人間がどうにかする事だ。ただ、どれだけかかるかわからんが・・・。」
門番「・・・俺の方でも出来る限りの支援はする。お前の言う通り、
その世界をマイナスからゼロにしてくれれば良い。それ以上はその世界の者達にやらせる。」
金田「・・・なら俺はこれで失礼させてもらう。色々と準備が必要だからな・・・。
入るタイミングは追って知らせる。」
門番「・・・わかった。準備が整ったら教えてくれ・・・。俺は暫くここにいる。
ここには誰も近寄っては来ないだろうからな。」
金田「積もる話でもあるのか・・・そんな奴でも・・・?」
門番「・・・・・・・・・。」
門番は答えなかったが、金田はそれが門番の答えだと判断しその場を後にした。
そして暫くして・・・。
門番「・・・・・・なぁ、そろそろ良いだろ?お前も・・・俺も長く生きすぎた。」
門番は金田から預かった聖剣イグニスを地面に刺し、その目の前に門番は座り込み話し始めていた。
門番「・・・お前はここにいた数百年間・・・一体何を考えて生きていたんだろうな・・・?
肉体を失った後・・・魂になったお前は・・・何を感じていた・・・?」
門番のその問いかけに・・・剣は答えなかった。答えたくなかったのか、
その答えを持ち合わせていなかったのかはわからない・・・ただ・・・。
門番「・・・お前は久々に外へ出て・・・何を思った?」
相変わらずその部屋からは門番の声のみが響き、問いかけの答えを待つかのように沈黙が流れた。
門番「・・・例えお前が何も答えずとも・・・、俺は構わねぇ。
久々の話し相手だ、幾らでも付き合ってもらうぞ。なぁ・・・信長・・・?」
遠い・・・別の世界では・・・、歴史上の人物の魂が現世に召喚された、そんな噂があったが・・・。
その噂が門番の耳に届くのは、そう遠くない話だが・・・。それはまた別のお話・・・。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
99
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる