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樹
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松本、静、優蛇、そして合流した睡蓮の一行が蔵の前に到着したとき、既にそこで繰り広げられていたのは、一方的な戦いだった。
一刀は、光の短刀を構えているものの、膝をつき、肩で息をしていた。彼の制服の袖や肩には、木の枝による鋭い刺し傷がいくつも刻まれている。
対する森の契約者・樹(いつき)は、蔵の扉を背に、圧倒的な余裕を見せていた。
樹の周囲の地面からは、太い木の根が脈打つように露出しており、その根はまるで巨大な蛇のように、一刀を絡め取るように何度も襲いかかっていた。蔵の周囲の木々は、彼の意志一つで鋭い刃と化し、一刀を追い詰めていた。
「どうした、光の義手の男よ」
樹は、高慢な笑みを浮かべた。
「仲間を救わんとする愚かな自尊心と、蔵を斬ろうとする刀司としての意志、どちらをとっても中途半端。注意力が散漫じゃ。お前たちが人間である限り、我々悪魔とその契約者には勝てん」
一刀は、荒い息を吐きながら、光の短刀を地面に突き立てて、かろうじて体勢を維持していた。
「貴様は……蔵にある宝物が目的か……!」
「そうだ。そして、その難儀の蓋を破壊し、難儀の源を世に解き放つことが、私と森の悪魔との契約だ」
樹は、周囲の木々の枝を、槍のように尖らせた。
「貴様らの仲間と、この愚かなる裏切り者、睡蓮の命、全てこの場で終わらせてやる」
「一刀!」
松本は、ためらうことなく漆黒の義手を前に突き出し、樹が操る木の根の結界を打ち破ろうと駆け出した。
しかし、その松本の行動を、一刀の鋭く、絶対的な声が制した。
「俺に任せろ、鞍馬! コイツは俺が倒す!」
一刀は、膝をついたまま、強い決意を込めて言った。
「お前の力は、難儀の蓋が開いた後、防衛にこそ必要だ。こいつとの闘いで消耗するな。こいつは人じゃない悪魔だ、俺が斬る!」
松本は一瞬立ち止まり、苛立ちを露わにした。そして、一刀のすべてを背負うという覚悟に口を開いた。
「チッ……心配させんじゃねえよ。だったら、さっさっと終わらせろ」
松本は、刀を構えながらも、一刀の言葉に従い、静の隣に下がった。
松本が下がったことで、樹の視線が一刀に集中した。
睡蓮にとって、一刀は昨日出会ったばかりの、素性の知れない男だ。睡蓮は、一刀の言葉を虚勢と判断した。
蔵を守らねばならない。自分の命を懸けてでも果たすべきものだと信じている。
「何を悠長なことを……! 馬鹿な。私が行く!」
睡蓮は、一刀の疲弊した姿と、樹の圧倒的な力を目の当たりにし、自ら樹の結界に飛び込もうと、蔵の扉へ向かって駆け出した。
その睡蓮の身体を、静が力強く掴んで引き止めた。
「待って! 睡蓮さん!」
静は、睡蓮の腕を引いた。
「一刀は必ずやるわ! あなたが動く必要はない! 私たちにはあなたの力が必要なのよ。見ていて! 心配ないから、見てて!」
静は、一刀が守り人の刀司として覚醒したことを知っている。彼女は、命を懸けることでしか務めを果たせないと考えている睡蓮の悲しいさがを、わが身をもって制止したのだ。
一刀は、静が睡蓮を抱き留めたのを確認すると、光の短刀を強く握りしめた。
「斬るべきは、悪魔ただ一点!」
一刀は、朱と青の炎を纏わせた光の短刀を振り上げると、地面を蹴って森の契約者・樹の結界めがけて、最後の力を振り絞り突進した。彼の体は疲弊しきっているが、精霊との契約により得た力が、その魂を激しく燃やしていた。
蔵の扉を背にした樹は、微動だにしない。一刀がこれまでに繰り出した攻撃を全て受け止め、退けてきたという揺るがぬ自信が、彼の顔に浮かんでいた。
「何度やっても同じだ! その光では、私の根(ネ)の結界は破れん!」
樹は、余裕綽々でそう言い放つと、自らが契約する森の悪魔の力を、躊躇なく発動させた。
蔵の周囲の地面が、生きているかのように大きく波打ち、唸り声を上げた。
樹の能力発動:木霊呪縛(こだまじゅばく)
樹は、両の掌を地に向けて強く突き出した。その瞬間、彼の周囲に張り巡らされていた無数の木の根と枝が、さらに恐ろしい速度と硬度を伴って、一刀めがけて襲いかかった。
剛壁(ごうへき): 樹の目の前には、数え切れないほどの太い木の枝が、互いに複雑に絡み合いながら、瞬時に巨大な防壁を形成した。それは、一刀の突進を完全に受け止め、短刀の光を遮断するための生きた盾だった。
地穿(じせん): 一刀の足元、その軌道上の地面が、地鳴りと共に次々と破裂した。地面の下を這っていた太い木の根が、鋭い槍のように地中から突き出し、一刀の身体を貫こうと、正確無比に急所を狙う。
呪縛(じゅばく): 蔵の周囲の木々が、一斉に枝葉を揺らし、一刀の影めがけて、数珠繋ぎになった蔦のような細い枝を放った。それらは、一刀の身体に巻きつき、彼の光の神具の動きを一瞬でも封じ込めようと、執拗に絡みついた。
樹は、自身の能力を最大限に展開し、防壁、攻撃、拘束の三位一体の連携で、満身創痍の一刀を確実に仕留めようとした。
「終わりだ、刀司よ! その光は、森の深き闇に永遠に閉ざされる!」
樹の傲慢な声が響き渡り、無数の木の根と枝が、一刀を押し潰すべく迫る。剛壁は眼前に迫り、足元からは地槍が突き上げ、蔦が全身を拘束しようとする。
極限の状態、死の淵に立った一刀の脳裏に、故郷で刀司としての訓練と心掛けを教えてくれた師(し)の言葉が、鮮明に蘇った。
師は、厳しい稽古の最中、光の短刀の秘密を語っていた。
「一刀よ。お前がもし神具と出会い、刀司として認められたのであれば神具(それ)の輝きは、ただの光ではない」
「闇(やみ)を切り裂くのは、確かに光の役割だ。だが、その光が本当に輝くのは、いつだ?」
「それは、闇を恐れず、その奥底に踏み込む時だ。そして、闇を打ち消すことではなく、闇の存在を、光が自らの内で受け入れた時だ」
「業も難儀も、決して消し去ることはできぬ。ゆえに、神具の真の力は、闇を斬る力ではない。それは、闇の中にあって、それでも道を照らす、静かなる意志だ」
一刀は、この言葉の真の意味を悟った。自分は、樹の森の闇を恐れ、ただ光で打ち消そうとしていた。だが、この神具の使命は、闇を否定することではない。
「……違う!」
一刀は、迫りくる剛壁、地槍、呪縛を前に、渾身の力で光の短刀を逆手に握り直した。
「闇は、光にこそ宿る!」
一刀が師の言葉を悟り、光の短刀を逆手に握り直した、その瞬間。
背後で、一刀と松本が分断されてからずっと祈り続けていた静の祈りが、極限まで純粋な霊力となって、一刀の光の義手へ流れ込んだ。
静は、恐ろしい木の結界を前に、震えながらも、睡蓮の背中に抱きつき、ただ一心に念じた。
(一刀さん……! あなたの光が、闇に勝つと信じている! あなたの意志が、この国の安寧を、私たちと共に守り抜く!)
一刀の光の短刀は、朱と青の炎を纏いながら、さらに白銀の輝きを増した。
「破!」
一刀は、自らを拘束しようとする全ての枝、根、蔦めがけて、逆手に握った短刀を振り上げ、巨大な螺旋状の光の刃を放った。それは、闇を斬るのではなく、闇を抱き込みながら全てを巻き込み、清める光だった。
樹の剛壁も、地槍も、呪縛の蔦も、神具の真の力によって、抵抗する間もなく粉砕された。樹の全身を覆っていた木の幹のような皮膚が弾け飛び、彼の身体は急速に黒い霧となって消滅した。
樹が倒れた空虚な場所に残されたのは、小松や吐影の比ではない、巨大な金銀財宝の山だった。それは、樹が契約した森の悪魔が、この土地の何百年もの人々の業を食らい続けた、あまりにも巨大な残骸だった。
そして、その山は、樹の消滅の衝撃で、空高く舞い上がった。
一刀は、光の短刀を構えているものの、膝をつき、肩で息をしていた。彼の制服の袖や肩には、木の枝による鋭い刺し傷がいくつも刻まれている。
対する森の契約者・樹(いつき)は、蔵の扉を背に、圧倒的な余裕を見せていた。
樹の周囲の地面からは、太い木の根が脈打つように露出しており、その根はまるで巨大な蛇のように、一刀を絡め取るように何度も襲いかかっていた。蔵の周囲の木々は、彼の意志一つで鋭い刃と化し、一刀を追い詰めていた。
「どうした、光の義手の男よ」
樹は、高慢な笑みを浮かべた。
「仲間を救わんとする愚かな自尊心と、蔵を斬ろうとする刀司としての意志、どちらをとっても中途半端。注意力が散漫じゃ。お前たちが人間である限り、我々悪魔とその契約者には勝てん」
一刀は、荒い息を吐きながら、光の短刀を地面に突き立てて、かろうじて体勢を維持していた。
「貴様は……蔵にある宝物が目的か……!」
「そうだ。そして、その難儀の蓋を破壊し、難儀の源を世に解き放つことが、私と森の悪魔との契約だ」
樹は、周囲の木々の枝を、槍のように尖らせた。
「貴様らの仲間と、この愚かなる裏切り者、睡蓮の命、全てこの場で終わらせてやる」
「一刀!」
松本は、ためらうことなく漆黒の義手を前に突き出し、樹が操る木の根の結界を打ち破ろうと駆け出した。
しかし、その松本の行動を、一刀の鋭く、絶対的な声が制した。
「俺に任せろ、鞍馬! コイツは俺が倒す!」
一刀は、膝をついたまま、強い決意を込めて言った。
「お前の力は、難儀の蓋が開いた後、防衛にこそ必要だ。こいつとの闘いで消耗するな。こいつは人じゃない悪魔だ、俺が斬る!」
松本は一瞬立ち止まり、苛立ちを露わにした。そして、一刀のすべてを背負うという覚悟に口を開いた。
「チッ……心配させんじゃねえよ。だったら、さっさっと終わらせろ」
松本は、刀を構えながらも、一刀の言葉に従い、静の隣に下がった。
松本が下がったことで、樹の視線が一刀に集中した。
睡蓮にとって、一刀は昨日出会ったばかりの、素性の知れない男だ。睡蓮は、一刀の言葉を虚勢と判断した。
蔵を守らねばならない。自分の命を懸けてでも果たすべきものだと信じている。
「何を悠長なことを……! 馬鹿な。私が行く!」
睡蓮は、一刀の疲弊した姿と、樹の圧倒的な力を目の当たりにし、自ら樹の結界に飛び込もうと、蔵の扉へ向かって駆け出した。
その睡蓮の身体を、静が力強く掴んで引き止めた。
「待って! 睡蓮さん!」
静は、睡蓮の腕を引いた。
「一刀は必ずやるわ! あなたが動く必要はない! 私たちにはあなたの力が必要なのよ。見ていて! 心配ないから、見てて!」
静は、一刀が守り人の刀司として覚醒したことを知っている。彼女は、命を懸けることでしか務めを果たせないと考えている睡蓮の悲しいさがを、わが身をもって制止したのだ。
一刀は、静が睡蓮を抱き留めたのを確認すると、光の短刀を強く握りしめた。
「斬るべきは、悪魔ただ一点!」
一刀は、朱と青の炎を纏わせた光の短刀を振り上げると、地面を蹴って森の契約者・樹の結界めがけて、最後の力を振り絞り突進した。彼の体は疲弊しきっているが、精霊との契約により得た力が、その魂を激しく燃やしていた。
蔵の扉を背にした樹は、微動だにしない。一刀がこれまでに繰り出した攻撃を全て受け止め、退けてきたという揺るがぬ自信が、彼の顔に浮かんでいた。
「何度やっても同じだ! その光では、私の根(ネ)の結界は破れん!」
樹は、余裕綽々でそう言い放つと、自らが契約する森の悪魔の力を、躊躇なく発動させた。
蔵の周囲の地面が、生きているかのように大きく波打ち、唸り声を上げた。
樹の能力発動:木霊呪縛(こだまじゅばく)
樹は、両の掌を地に向けて強く突き出した。その瞬間、彼の周囲に張り巡らされていた無数の木の根と枝が、さらに恐ろしい速度と硬度を伴って、一刀めがけて襲いかかった。
剛壁(ごうへき): 樹の目の前には、数え切れないほどの太い木の枝が、互いに複雑に絡み合いながら、瞬時に巨大な防壁を形成した。それは、一刀の突進を完全に受け止め、短刀の光を遮断するための生きた盾だった。
地穿(じせん): 一刀の足元、その軌道上の地面が、地鳴りと共に次々と破裂した。地面の下を這っていた太い木の根が、鋭い槍のように地中から突き出し、一刀の身体を貫こうと、正確無比に急所を狙う。
呪縛(じゅばく): 蔵の周囲の木々が、一斉に枝葉を揺らし、一刀の影めがけて、数珠繋ぎになった蔦のような細い枝を放った。それらは、一刀の身体に巻きつき、彼の光の神具の動きを一瞬でも封じ込めようと、執拗に絡みついた。
樹は、自身の能力を最大限に展開し、防壁、攻撃、拘束の三位一体の連携で、満身創痍の一刀を確実に仕留めようとした。
「終わりだ、刀司よ! その光は、森の深き闇に永遠に閉ざされる!」
樹の傲慢な声が響き渡り、無数の木の根と枝が、一刀を押し潰すべく迫る。剛壁は眼前に迫り、足元からは地槍が突き上げ、蔦が全身を拘束しようとする。
極限の状態、死の淵に立った一刀の脳裏に、故郷で刀司としての訓練と心掛けを教えてくれた師(し)の言葉が、鮮明に蘇った。
師は、厳しい稽古の最中、光の短刀の秘密を語っていた。
「一刀よ。お前がもし神具と出会い、刀司として認められたのであれば神具(それ)の輝きは、ただの光ではない」
「闇(やみ)を切り裂くのは、確かに光の役割だ。だが、その光が本当に輝くのは、いつだ?」
「それは、闇を恐れず、その奥底に踏み込む時だ。そして、闇を打ち消すことではなく、闇の存在を、光が自らの内で受け入れた時だ」
「業も難儀も、決して消し去ることはできぬ。ゆえに、神具の真の力は、闇を斬る力ではない。それは、闇の中にあって、それでも道を照らす、静かなる意志だ」
一刀は、この言葉の真の意味を悟った。自分は、樹の森の闇を恐れ、ただ光で打ち消そうとしていた。だが、この神具の使命は、闇を否定することではない。
「……違う!」
一刀は、迫りくる剛壁、地槍、呪縛を前に、渾身の力で光の短刀を逆手に握り直した。
「闇は、光にこそ宿る!」
一刀が師の言葉を悟り、光の短刀を逆手に握り直した、その瞬間。
背後で、一刀と松本が分断されてからずっと祈り続けていた静の祈りが、極限まで純粋な霊力となって、一刀の光の義手へ流れ込んだ。
静は、恐ろしい木の結界を前に、震えながらも、睡蓮の背中に抱きつき、ただ一心に念じた。
(一刀さん……! あなたの光が、闇に勝つと信じている! あなたの意志が、この国の安寧を、私たちと共に守り抜く!)
一刀の光の短刀は、朱と青の炎を纏いながら、さらに白銀の輝きを増した。
「破!」
一刀は、自らを拘束しようとする全ての枝、根、蔦めがけて、逆手に握った短刀を振り上げ、巨大な螺旋状の光の刃を放った。それは、闇を斬るのではなく、闇を抱き込みながら全てを巻き込み、清める光だった。
樹の剛壁も、地槍も、呪縛の蔦も、神具の真の力によって、抵抗する間もなく粉砕された。樹の全身を覆っていた木の幹のような皮膚が弾け飛び、彼の身体は急速に黒い霧となって消滅した。
樹が倒れた空虚な場所に残されたのは、小松や吐影の比ではない、巨大な金銀財宝の山だった。それは、樹が契約した森の悪魔が、この土地の何百年もの人々の業を食らい続けた、あまりにも巨大な残骸だった。
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