【完結】モブなのに最強?

らんか

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 「確かに聖属性魔法は使えますが、微々たるものです。今回は結界穴が小さめという事で、何とか修繕出来ましたが、聖なる力と呼ばれる、過去に現れた聖女様のような巨大な結界を張る力などには到底及びません。
 ごく少量の力ですので、家族も気付いておりません。
 国に報告をしなかったのは、わたくしだけの罪です。家族へのお咎めはご容赦くださいませ。」
 しっかりとシオンの眼を見て、ミーシャは真摯にお願いした。
 
 (もうすぐヒロインが聖なる力に目覚める時期のはず。私がこの力を持ってることが間違いなのよ~!)
 心の中で叫びながら、見られていた事に気付かなかった自分に、不甲斐ない気持ちでいっぱいになった。

 
 シオンは目を閉じて、しばらく無言であったが、
 「聖なる力は、稀有なものだ。例えそれが微々たる力でも、結界を塞ぐことが出来るのは、とてもすごい事だと言える。
 ミーシャ嬢には悪いが、国としてはこの力を国のために使ってもらいたい。私も出来るだけ協力し、ミーシャ嬢の意に沿わぬ思いをしないよう善処しよう。
 もちろん君も君の家族も咎める事はしない。
 だから、協力してもらえないだろうか?」

 シオンはそう言って頭を下げてきた。
 「いけませんシオン様! 王族であるあなたが簡単に頭を下げてはなりません!
わ、分かりましたわ。 微力ながら国のために出来る事をさせて頂きます!」
 慌ててミーシャはシオンに頭を上げさせ、観念した。
 
 (ヒロインが力を発揮するまで、目立たないようにしながら力を使わないと……。)

 なるべく周囲に悟られず、陰ながら力を使う方向で検討してもらうよう説得し、もちろん聖女認定もお断りで同意を得た。



 シオンとユージュが帰ったあと、ミホーク公爵令嬢よりお茶会の招待状が届いた。
 お茶会は3日後となっていた。
 (さて、こちらはどのような意図があってお誘いされたのやら。ただ単に私に興味があるってだけじゃないはず。
 まさかこれ以上、他の主要メンバー達と関わりになるってことないよね?
 モブ目線でゲームを楽しむ事が全然出来ないじゃない!)
 心の中でぼやきながら、3日後のお茶会に備えて準備し始めた。


  
 
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