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「やはり。そうではないかと思っておりましたわ。
わたくしと同じで前世の記憶がありますのね。しかも同じ日本で。」
話を聞いてみると、ユーリは日本では主婦をしていたとのこと。
お菓子作りにはまっていて、新しいお菓子を作ってはブログに上げて、まずまずの人気だったのだとか。
また、異世界ものの小説が好きで、良く読んでいたとのこと。乙女ゲームをしたことは余りなかったそうだが、やった事のある数少ない内の一つがミラアタだったそうで、まさか、自分がミラアタの悪役令嬢に転生するとは思わず、分かった時にはパニックを起こしかけたらしい。
ミラアタは高確率で悪役令嬢は断罪され、国外追放や、娼館行き、幽閉されたり最悪処刑されたりする。
将来の聖女様に嫌がらせをし続け、最終的には命を狙うからなのだが……。
今回、モブであるミーシャに目を向けたのは、本来ならオープニングのみ出場するモブ令嬢は、魔物討伐や飛竜に乗り回すことはおろか、馬にも乗れない普通のお嬢様らしい。
魔法にも特に特化することはなく、剣術も出来ないのだとか。
これは、ファンサービスの一環で、数量限定で発売された攻略本に載っていた情報なのだとか。
(そんなの、知らないわよ~! たかだかモブにまで、そんな詳しく情報設定しなくても……)
そんな設定があったとは知らなかったミーシャは、前世の記憶が戻る前から知ってる人が見たら必ず異質と感じるくらいの行動をとっていた。
記憶が戻った後も、もちろん気にせず呑気に構えていた自分の迂闊ぶりに、ほとほと情けない思いだ。
そして、決定的だった瞬間は、あのオープニングの婚約破棄。あの時モブ令嬢は、オロオロして泣き出したのだとか。
あんな風に毅然とした態度で言い返した事で、確信したらしい。
それでも今日まで声を掛けなかったのは、断罪に巻き込む恐れがある為、躊躇っていたという。
でも、シオンが学園に来た事で、またミーシャがヒロインに敵対心を持たれているのではないかと感じて、声を掛けてくれたようだ。
「ユーリ様はいつ前世を思い出されたのですか?」
「わたくしは、産まれた時から記憶がありましたのよ。だから、どうにかダミアン様の婚約者になるのを回避したかったのに、国の事情でどうする事も出来ませんでしたの。
だから、せめてヒロインとは関わらないように、ダミアン様とも距離を置き、好意はないことや、いつでも婚約解消に応じるともお伝えしてあるのですが、ゲームの強制力なのかしらねぇ……。」
ほぉ……と溜息をつきながら、ユーリは今までの事を教えてくれた。
また、自分と同様に悪役令嬢となる可能性がある他の攻略対象たちの婚約者たちにも、極力ヒロインとは関わらないように助言したという。
「もともと、あのヒロインが原因で婚約破棄されたミーシャ様のことは、他の婚約者である皆様と心配していましたの。だから以前から、わたくし達の〈癒しの会〉メンバーのお茶会にお誘いしたいとは思っておりましたのよ。
ぜひ、次はメンバーの皆様もお誘いしてお茶会を開きましょうね」と、ユーリはにっこりと笑った。
そして、そのあとはヒロインの今後の動きや、いつ頃聖なる力に目覚めるのか、攻略対象の有力候補は、やはりダミアンであるなど、進捗具合を確かめ合い、今後も定期的に情報交換をしながら、何とか断罪回避に向けて手伝ってほしいと頼まれた。
そのお礼として、ユーリが開発するスイーツ類を優先的に我が家に提供してくれる事になった。
ユーリは、さすが産まれた時から前世の記憶があるだけあって、この世界で色んな食材を探求し、前世の知識をもって、色んなお菓子を作り出し、王都にスイーツ店を出していたのだ。
(まさかあの超有名な人気スイーツ店の経営者がユーリ様だったとは!)
そして、前世を思い出してから、無性に食べたいと思っていたお米や味噌汁などもあることを聞いて、出してもらった時には涙した。帰りにお米と味噌を分けてもらい、レシピも書いてもらって大満足で帰途したミーシャであった。
わたくしと同じで前世の記憶がありますのね。しかも同じ日本で。」
話を聞いてみると、ユーリは日本では主婦をしていたとのこと。
お菓子作りにはまっていて、新しいお菓子を作ってはブログに上げて、まずまずの人気だったのだとか。
また、異世界ものの小説が好きで、良く読んでいたとのこと。乙女ゲームをしたことは余りなかったそうだが、やった事のある数少ない内の一つがミラアタだったそうで、まさか、自分がミラアタの悪役令嬢に転生するとは思わず、分かった時にはパニックを起こしかけたらしい。
ミラアタは高確率で悪役令嬢は断罪され、国外追放や、娼館行き、幽閉されたり最悪処刑されたりする。
将来の聖女様に嫌がらせをし続け、最終的には命を狙うからなのだが……。
今回、モブであるミーシャに目を向けたのは、本来ならオープニングのみ出場するモブ令嬢は、魔物討伐や飛竜に乗り回すことはおろか、馬にも乗れない普通のお嬢様らしい。
魔法にも特に特化することはなく、剣術も出来ないのだとか。
これは、ファンサービスの一環で、数量限定で発売された攻略本に載っていた情報なのだとか。
(そんなの、知らないわよ~! たかだかモブにまで、そんな詳しく情報設定しなくても……)
そんな設定があったとは知らなかったミーシャは、前世の記憶が戻る前から知ってる人が見たら必ず異質と感じるくらいの行動をとっていた。
記憶が戻った後も、もちろん気にせず呑気に構えていた自分の迂闊ぶりに、ほとほと情けない思いだ。
そして、決定的だった瞬間は、あのオープニングの婚約破棄。あの時モブ令嬢は、オロオロして泣き出したのだとか。
あんな風に毅然とした態度で言い返した事で、確信したらしい。
それでも今日まで声を掛けなかったのは、断罪に巻き込む恐れがある為、躊躇っていたという。
でも、シオンが学園に来た事で、またミーシャがヒロインに敵対心を持たれているのではないかと感じて、声を掛けてくれたようだ。
「ユーリ様はいつ前世を思い出されたのですか?」
「わたくしは、産まれた時から記憶がありましたのよ。だから、どうにかダミアン様の婚約者になるのを回避したかったのに、国の事情でどうする事も出来ませんでしたの。
だから、せめてヒロインとは関わらないように、ダミアン様とも距離を置き、好意はないことや、いつでも婚約解消に応じるともお伝えしてあるのですが、ゲームの強制力なのかしらねぇ……。」
ほぉ……と溜息をつきながら、ユーリは今までの事を教えてくれた。
また、自分と同様に悪役令嬢となる可能性がある他の攻略対象たちの婚約者たちにも、極力ヒロインとは関わらないように助言したという。
「もともと、あのヒロインが原因で婚約破棄されたミーシャ様のことは、他の婚約者である皆様と心配していましたの。だから以前から、わたくし達の〈癒しの会〉メンバーのお茶会にお誘いしたいとは思っておりましたのよ。
ぜひ、次はメンバーの皆様もお誘いしてお茶会を開きましょうね」と、ユーリはにっこりと笑った。
そして、そのあとはヒロインの今後の動きや、いつ頃聖なる力に目覚めるのか、攻略対象の有力候補は、やはりダミアンであるなど、進捗具合を確かめ合い、今後も定期的に情報交換をしながら、何とか断罪回避に向けて手伝ってほしいと頼まれた。
そのお礼として、ユーリが開発するスイーツ類を優先的に我が家に提供してくれる事になった。
ユーリは、さすが産まれた時から前世の記憶があるだけあって、この世界で色んな食材を探求し、前世の知識をもって、色んなお菓子を作り出し、王都にスイーツ店を出していたのだ。
(まさかあの超有名な人気スイーツ店の経営者がユーリ様だったとは!)
そして、前世を思い出してから、無性に食べたいと思っていたお米や味噌汁などもあることを聞いて、出してもらった時には涙した。帰りにお米と味噌を分けてもらい、レシピも書いてもらって大満足で帰途したミーシャであった。
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