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1巻
1-3
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◇◇◇◇
アーガスト領の祭りの当日。
「ルナちゃん、本当に一人で大丈夫?」
心配するポルカさんを、私は笑顔で送り出す
「はい! 大丈夫です。お店のことは気にせず、親子水入らずで祭りを楽しんできてくださいね」
「お姉ちゃん、行ってくるね!」
アンナちゃんも楽しそうにそう言って、両親に手を繋いでもらいながら、祭りに出かけていった。
「さぁ! わたくしは頑張って売らなきゃね!」
ここは、商店街の真ん中に位置するため、祭りの間は人通りが一気に増える。
今まで、祭りの期間は花屋に客はあまり来なかったが、今年は新商品があるのだ。
私は気合を入れて、店の前に祭り用に作った品々を並べはじめた。
「あら? ちょっと、あそこの花、綺麗」
「あの花籠、可愛い!」
「花のいい匂いがするわ」
祭りに来た人々が、花屋の前に並んでいる品々を見て足を止める。
私の狙い通り目を引いたようで、特に女性からは好感触だ。
「どうぞ、お手に取って見てください。匂い袋は、持っているだけでいい香りがするので、香水代わりにもなりますよ」
私はここぞとばかりに宣伝する。
やはり、見たことのない物ばかりだからか、かなり注目を浴びている。
どんどん人が集まり、客の対応に追われている時に、男性の声がした。
「ここは、花屋ですね。珍しい物が売っていると聞きましたが、どのような物があるのです?」
声がしたほうを向くと、二十代前半くらいの男性がいた。知的な雰囲気で、スラリとした中性的な容姿をしていた。肩先まであるダークブラウンの髪を後ろで一つに束ね、眼鏡をかけている。
彼の傍に控えていた侍従が、
「こちらは、ここアーガスト領の領主のご子息、デューカス様でございます」
と、伝えてきた。
慌てて私はカーテシーをしそうになったが、平民はカーテシーなどしない。
頭を下げてお辞儀をした後、返答した。
「ようこそお越しくださいました。こちらで扱っているのは、当店で作った、花を使った新商品でございます」
私の返答に、デューカス様はびっくりした様子だったが、商品が気になるらしく、何も言わずにいろいろ見ている。
「この花籠、妹に買っていこうか。気分転換になるだろう」
デューカス様がそう言った時、精霊たちが教えてくれる。
『ルナ~、この人の妹、病気だよ』
『あの子の病には、コリン草が効くかも~』
「ありがとうございます。ご購入の記念として、こちらの匂い袋もお付けしますね」
ならば、と私は花籠と一緒にコリン草入りの匂い袋を渡した。
「この匂い袋は、気分を落ち着かせる効果があります。枕元に置いておくと、よく眠れますよ」
そう説明すると、デューカス様は笑顔で受け取り、帰っていった。
その後も客足は途絶えず、忙しい一日を終えたのだった。
6
「ルイジアス殿下、到着されたのですね」
祭りの視察を終えて、アーガスト領の屋敷に戻ったデューカスは、遅れて到着した俺を見てそう言った。無事に着いたことにホッとしたようだった。
急にアーガスト領の祭りの視察に参加することを決めた俺は、父である皇帝陛下の許可を得た後、急ぎの仕事に取りかかった。数日間は王宮を留守にすることになるので、最低限仕事を終わらせてから向かうことにしたのだ。
間に合わないのではないかと心配したが、明日は祭りに参加できそうだ。
デューカスは忙しそうに明日の視察の経路や、警護体制などを確認している。その時、デューカスが持ち帰った花籠と匂い袋が妙に気になった。
「それはなんだ?」
「ああ、これは視察の時に、花屋が新商品として売り出していたのです。妹のリザベラにプレゼントしようと思って。そこの店員さんはとても品があって、さすがは我が領民だと思いましたよ」
デューカスがそう自慢げに話している間も、俺の視線は花籠と匂い袋にくぎ付けだ。
その視線に気付いて、デューカスが「どうかされましたか?」と尋ねてくる。
「いや、気のせいか……」
独り言のように呟きつつ、しばらく思考を巡らせた後、
「明日祭りに行く時に、その花屋に連れていってくれ」
と、デューカスに頼んだ。
「もちろん構いませんが、なぜです?」
「……確かめたいことがある」
そう言ったきり黙りこむ俺を、不思議そうにデューカスは見ていた。
(あの花籠と匂い袋……かすかに光っているような? 外で光を見かけるが、物が光って見えたことはない。それにあの光……どこかで見たような懐かしさを感じるのはなぜだ?)
俺は、疑問を感じながら、明日絶対にその花屋に行ってみようと思った。
◇◇◇◇
翌日、俺とデューカスは、予定通りに祭りを視察し、ある程度回った後に花屋に行くことにした。
少し離れたところから店を見ると、何人もの女性客が商品を選んだり、購入したりしている。
その奥で忙しく動き回っている女性がいた。
「あ、あの人が、ここの店員さんですね。昨日は一人で大変そうでしたが、今日は二人だ。ほら、平民にしては洗練された物腰でしょう?」
デューカスがそう声をかけてきたが、俺には聞こえていなかった。
(ルナリア⁉ いや、まさか。大体、こんな所にいるはずがない。それに、見た目が全然違うじゃないか。でも、だとしたらあの光はなんだ? まるでルナリアのように、あの女性の周りが光り輝いているのは、どういうことだ?)
俺は混乱して、その場を動けずにいた。
「こんにちは」
そんな俺をよそに、デューカスは店員に声をかけた。
「あっ。これは領主のご子息様。ようこそお越しくださいました」
若い女性店員が丁寧に挨拶すると、隣にいた彼女より少し年配の女性店員も慌てて倣って挨拶をする。
「今日は、僕の友人を連れてきているんだ。昨日、ここの商品を見せたら気に入ったらしくてね。ジアス、こちらに来てよく見せてもらってはどうですか?」
自分を呼ぶデューカスの声にハッとして、俺は慌てて店の前まで行った。
改めて一人の女性店員を見る。やはり、その女性の周りは神々しいほど輝いており、並べられている商品も光っている。
眩しくて目を細めながらも、しっかりとその女性を見ながら話しかけた。
「ここの商品は、見たことのない飾り方や植え方がされているな。このアイデアは誰が?」
その女性店員は目を見開いていたが、ハッとしたように答えた。
「わたくしでございます」
「いい商品ばかりだ。このような物は、帝都でも見たことがない。俺も何か買っていこう」
その言葉に、その女性店員はやや引きつった笑顔でお礼を言う。
俺は、匂い袋とリース、そして小さなブーケを選んだ。
「ありがとうございます」
笑顔でお礼を言いながら商品を渡してきたその女性店員に、俺はその内の小さなブーケを差し出した。
「お前にやろう。今日の礼だ」
その店員は、びっくりした表情になる。
「お礼を言われるようなことは、何もしておりませんが?」
「いや、いい物を見せてもらった礼だ」
俺はそれだけ言って、ブーケをその女性店員に押し付けるように渡した後、その場を後にした。
◇◇◇◇
デューカス様一行が帰った後の花屋では――
「まぁ、素敵! あの方、ルナちゃんに一目惚れでもしたのかしら」
呑気にポルカさんがそう言っているが、私はそれどころではない。
(あれは間違いなくルイジアス皇太子殿下よね⁉ なぜこんな所にいるの⁉ ブーケを差し出してきた時は返品かと思ったけれど、そうじゃなかった。え? 気付いた? いや、まさかね⁉)
今の私は髪色を変え、眼鏡をかけて、そばかすをいっぱい描き、地味な化粧をしている。よく知っている人でも、一目では見抜けないはずだ。
「ポルカさん、この変装、分かりやすいですか?」
それでも私は不安になってポルカさんに尋ねる。
「え? いいえ、今のルナちゃんは、本当の姿からは信じられないほど別人になっているわよ?」
ポルカさんのその言葉で不安が和らいだ。
何度も顔を合わせたらぼろが出るかもしれないが、もうそうそう会うこともないだろう。
気を取り直して、販売を続けた。
◇◇◇◇
その日の祭りも無事終了し、残す所はあと一日。
「ルナちゃん、二日間お疲れ様。ルナちゃんは、この町の祭りは初めてでしょ。だから明日は、店はいいから祭りを見に行ってくれば?」
明日の商品を確認しているところに、ポルカさんがそう提案してくれた。
「え? でも……」
「いいのよ。アンナも昨日で満足したし、この商品たちの売り方も今日でバッチリ掴めたから、明日は私だけで大丈夫。だから、ルナちゃんは楽しんでらっしゃいな。色んな所を見て回るのは、楽しいわよ?」
ポルカさんがそう言ってくれたので、明日は祭りを見て回ることを楽しみに、残りの仕事を片付ける。
仕事が終わって部屋に戻った私に、すぐに精霊たちは労いの言葉をかけてくれた。
『ルナ~今日もお疲れ様~』
『今日もいっぱい売れたねぇ』
『ルナが作ったものは特別だから、皆喜んでくれてるね~』
精霊たちは、今日も元気に私の周りを飛んでいる。
しかし、今日は本当に驚いた。
まさか、この町で、ルイジアス殿下にお会いするとは。
私の完璧な変装で気付いてはいなかったようだけれど、女性にブーケをプレゼントするなんて、あの方は昔からやることがキザなんだから。
私が昔の思い出に思いを馳せていると、
『あの皇子、昔から見てくるよね~』
『ほんとほんと。いつもジロジロ見てくる』
『え~、本当に見えてるのかなぁ』
などと、精霊たちが話している。
「何をジロジロ見てくるの?」
『う~ん、ちょっと分からないんだよね~』
『うんうん、分からない』
『ルナを見てるのか、僕らを見てるのか……』
精霊たちは口々に話すが、彼らも分からないらしい。
またか……と、私は精霊たちの話は聞き流すことにした。
◇◇◇◇
「……デューカス、魔物の森に行く捜索隊のことだが」
祭りの視察を終え、アーガスト領の屋敷に戻った僕とルイジアス殿下は、屋敷の客室で、城から持ってきた書類仕事をしていた。
花屋から戻ってきてからのルイジアス殿下は、どこかボーッとしていたり、考えこんだりしていたので、殿下が書類に目を落とした時はやっと仕事をしてくれるのかと思ったが、どうやら違ったようだ。
「今も募集をかけているところです」
がっかりしながら、僕は返答した。
「いや。募集は打ち切っていい。魔物の森に行くのもやめにする」
「え! 本当にいいのですか⁉」
あれほど、自らルナリア様を捜すと頑なだったルイジアス殿下の豹変ぶりに、驚きを隠せない。
「ああ。中止にする。帰ったら隣国のシュナイダー公爵にも、手紙を送る」
何が起こったのか分からない僕は、
「まさか! あの花屋の店員に、一目惚れしたとか⁉」
と、叫んでしまった。
「ふはっ! そうかもな。何度でも一目惚れするんだろうな」
ルイジアス殿下は笑いながらそう言って、手元の書類に目を通しはじめた。
「……嘘だろ?」
僕が唖然としてしまったのも、無理はないと思う。
7
────翌日。
ポルカさんに見送られ、私は町を見回っていた。祭り中とあって、あちらこちらで催しが開かれており、気も漫ろになる。
『ルナ~お祭りって、賑やかだねぇ』
『皆楽しそうだ~』
一緒に付いてきている精霊たちも、あちこちに飛んで見て回っている。それを見るだけで楽しい気持ちになる。
「そういえば、国外追放になってから、全然気が休まる時がなかったものね。今日は一緒に楽しもうね」
精霊たちに、そう声をかけると、
『『『『『『楽しもう~!』』』』』』
と、皆一斉に元気よく返事をした。
どこの店も見応えがあり、明るい気分になる。
国外追放になってから今日まで、本当に目まぐるしい毎日だった。
「ああ、こんなに楽しい祭り、家族皆で来たかったな……ルアンとルディックは元気にしてるかな? 特にルディックはまだ幼いから、皆を困らせてないといいんだけれど……」
二人の弟たちを思い出し、父や母にも迷惑をかけてしまったと、申し訳ない気持ちになる。
しんみりした気分になってしまった私に、精霊たちはいろいろと話しかけてきてくれた。
『ほら、ルナ~あそこの果物、美味しそう~』
『皆あそこで踊っているよ~。楽しそう!』
『ルナも町の美人コンテストに出なよ~。ルナなら一位だよね~』
楽しそうな精霊たちに癒されて、私は今を楽しむことにした。
気分よくゆっくりと見て回っていると、お腹が空いてきた。
何か食べようかと思った時、タイミングよくいろいろな果物や野菜が山のように積まれている店を見つける。
あちらこちらの店も、野菜や果物を豊富に使った料理が目についた。
「すごい! この国はすごく食べ物に恵まれているのね」
驚きのあまり声に出してしまうと、それを聞いていた店の人が笑いながら教えてくれた。
「いや~、こんなに豊作なのは、今年が初めてだよ。今までは、こんなにはできなかったんだ。嬉しい悲鳴だよ」
精霊たちはそれを聞いて、またいつものように口々に話しだした。
『そりゃ、僕たちがこっちに来たからね』
『そうそう、精霊たちは皆、ルナに付いてきちゃったからね~』
『精霊王様があの国に怒ってるしね~』
ん? 今、聞きなれない単語を耳にしたような?
「ねぇ、精霊王様って、何?」
『『『『『『僕らの王様~』』』』』』
精霊たちは無邪気に答える。
「なんで、精霊王様は、怒ってるの?」
それに、あの国ってどこのこと?
まさかロックウェル王国のことじゃないよね?
『そりゃ、ルナにひどいことしたから』
『ルナリアを追放する国はいらないって、精霊王様が言ってた』
『そうそう、ルナのこと、精霊王様は大好きだもんね~』
いやいや、その情報、初耳なんですけど?
ていうか、精霊王様になんて会ったこともないのに、なんで気に入られているの?
「え~っと、精霊王様は、なぜわたくしを気に入ってくれているの?」
その質問に精霊たちは一斉に、
『『『『『『『ひみつ~』』』』』』』
と、言って笑っている。
その後、なんとか精霊たちから話を聞くと、私が住んでいたロックウェル王国は、精霊たちの力で自然の恵みが維持されていて、王国の人は精霊たちに感謝を捧げなければならなかったんだとか。
でも、いつしか皆精霊たちが見えなくなり、精霊王や精霊たちは、あの国に居続ける意味を失っていたらしい。
そんな時に、私が生まれた。
精霊王がやっと精霊が見える人間が生まれたと喜んだことで、精霊たちはそれからずっと私の傍にいて見守ってきたのだという。
なんか、今まで見えてなくて、ごめんなさい。
いや、でもなんで私? 自慢じゃないけど、私、乙女ゲームの悪役令嬢なんですけど。
普通は主人公がこのポジションだよね?
「本当にわたくしでいいの?」
今更だけど、間違ってない?
ドキドキしながら精霊たちに聞くと、
『ルナがいいの~』
『ルナ以外はダメなの~』
『ルナが好き~』
精霊たちは笑顔でそう返してくれた。
◇◇◇◇
「そこの君、待って!」
祭りを大方見て回り、そろそろ帰ろうかと思っていた時、突然声をかけられた。振り向くと、そこにはルイジアス殿下が立っていた。
えっ! なぜここに? しかもお一人なの?
今日はデューカス様は付いておらず、なぜか少し息が上がっている。
「えっと……昨日、うちの店でお会いした方ですよね?」
私はルイジアス殿下だと気付いていないふりをしてそう言った。
「ああ、突然声をかけてすまない。祭りはもう見て回ったのか?」
殿下が尋ねてきたので、私は頷いた。
「そうか……もしよければ、もう少しだけ見て回らないか? できれば俺と一緒に」
その言葉に驚く。
えっ、ルナリアだと気付いてないよね? なんで、ただの花屋の店員である私と?
驚きのあまり、返事ができないでいると、
「自己紹介もせずに申し訳ない。俺はジアスという。ここの領主の嫡男であるデューカスに誘われて、祭りを見に帝都から来たのだ。明日には帰らないといけないのだが、残念ながら今日デューカスは手が離せなくてね。だから一人で来たのだけれど、どこを見て回ればいいか分からないんだ。できれば案内してもらえたら嬉しい」
と、言ってきた。
(ああ、お忍びで来られたのね。名前も微妙に変えているし。明日には帰られるのなら、少しくらい一緒にいても大丈夫かな?)
そう思った私は、案内役を引き受けることにした。
「分かりました。ここの祭りに参加するのは今回が初めてですが、ご一緒させてください。ルナとお呼びください」
名前を告げると、殿下が小声で何かを呟いたけど、私には聞こえなかった。
その後、殿下と店を見て回った。
少し疲れたな、と感じた時、近くの木陰の下にあるベンチで待つよう言われた。
そこで座って待っていると、
「おまたせ」
と、殿下が果実水とパンの揚げ菓子を持って戻ってくる。
「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたんです」
そうお礼を言うと、嬉しそうに笑って手渡してくれた。
アーガスト領の祭りの当日。
「ルナちゃん、本当に一人で大丈夫?」
心配するポルカさんを、私は笑顔で送り出す
「はい! 大丈夫です。お店のことは気にせず、親子水入らずで祭りを楽しんできてくださいね」
「お姉ちゃん、行ってくるね!」
アンナちゃんも楽しそうにそう言って、両親に手を繋いでもらいながら、祭りに出かけていった。
「さぁ! わたくしは頑張って売らなきゃね!」
ここは、商店街の真ん中に位置するため、祭りの間は人通りが一気に増える。
今まで、祭りの期間は花屋に客はあまり来なかったが、今年は新商品があるのだ。
私は気合を入れて、店の前に祭り用に作った品々を並べはじめた。
「あら? ちょっと、あそこの花、綺麗」
「あの花籠、可愛い!」
「花のいい匂いがするわ」
祭りに来た人々が、花屋の前に並んでいる品々を見て足を止める。
私の狙い通り目を引いたようで、特に女性からは好感触だ。
「どうぞ、お手に取って見てください。匂い袋は、持っているだけでいい香りがするので、香水代わりにもなりますよ」
私はここぞとばかりに宣伝する。
やはり、見たことのない物ばかりだからか、かなり注目を浴びている。
どんどん人が集まり、客の対応に追われている時に、男性の声がした。
「ここは、花屋ですね。珍しい物が売っていると聞きましたが、どのような物があるのです?」
声がしたほうを向くと、二十代前半くらいの男性がいた。知的な雰囲気で、スラリとした中性的な容姿をしていた。肩先まであるダークブラウンの髪を後ろで一つに束ね、眼鏡をかけている。
彼の傍に控えていた侍従が、
「こちらは、ここアーガスト領の領主のご子息、デューカス様でございます」
と、伝えてきた。
慌てて私はカーテシーをしそうになったが、平民はカーテシーなどしない。
頭を下げてお辞儀をした後、返答した。
「ようこそお越しくださいました。こちらで扱っているのは、当店で作った、花を使った新商品でございます」
私の返答に、デューカス様はびっくりした様子だったが、商品が気になるらしく、何も言わずにいろいろ見ている。
「この花籠、妹に買っていこうか。気分転換になるだろう」
デューカス様がそう言った時、精霊たちが教えてくれる。
『ルナ~、この人の妹、病気だよ』
『あの子の病には、コリン草が効くかも~』
「ありがとうございます。ご購入の記念として、こちらの匂い袋もお付けしますね」
ならば、と私は花籠と一緒にコリン草入りの匂い袋を渡した。
「この匂い袋は、気分を落ち着かせる効果があります。枕元に置いておくと、よく眠れますよ」
そう説明すると、デューカス様は笑顔で受け取り、帰っていった。
その後も客足は途絶えず、忙しい一日を終えたのだった。
6
「ルイジアス殿下、到着されたのですね」
祭りの視察を終えて、アーガスト領の屋敷に戻ったデューカスは、遅れて到着した俺を見てそう言った。無事に着いたことにホッとしたようだった。
急にアーガスト領の祭りの視察に参加することを決めた俺は、父である皇帝陛下の許可を得た後、急ぎの仕事に取りかかった。数日間は王宮を留守にすることになるので、最低限仕事を終わらせてから向かうことにしたのだ。
間に合わないのではないかと心配したが、明日は祭りに参加できそうだ。
デューカスは忙しそうに明日の視察の経路や、警護体制などを確認している。その時、デューカスが持ち帰った花籠と匂い袋が妙に気になった。
「それはなんだ?」
「ああ、これは視察の時に、花屋が新商品として売り出していたのです。妹のリザベラにプレゼントしようと思って。そこの店員さんはとても品があって、さすがは我が領民だと思いましたよ」
デューカスがそう自慢げに話している間も、俺の視線は花籠と匂い袋にくぎ付けだ。
その視線に気付いて、デューカスが「どうかされましたか?」と尋ねてくる。
「いや、気のせいか……」
独り言のように呟きつつ、しばらく思考を巡らせた後、
「明日祭りに行く時に、その花屋に連れていってくれ」
と、デューカスに頼んだ。
「もちろん構いませんが、なぜです?」
「……確かめたいことがある」
そう言ったきり黙りこむ俺を、不思議そうにデューカスは見ていた。
(あの花籠と匂い袋……かすかに光っているような? 外で光を見かけるが、物が光って見えたことはない。それにあの光……どこかで見たような懐かしさを感じるのはなぜだ?)
俺は、疑問を感じながら、明日絶対にその花屋に行ってみようと思った。
◇◇◇◇
翌日、俺とデューカスは、予定通りに祭りを視察し、ある程度回った後に花屋に行くことにした。
少し離れたところから店を見ると、何人もの女性客が商品を選んだり、購入したりしている。
その奥で忙しく動き回っている女性がいた。
「あ、あの人が、ここの店員さんですね。昨日は一人で大変そうでしたが、今日は二人だ。ほら、平民にしては洗練された物腰でしょう?」
デューカスがそう声をかけてきたが、俺には聞こえていなかった。
(ルナリア⁉ いや、まさか。大体、こんな所にいるはずがない。それに、見た目が全然違うじゃないか。でも、だとしたらあの光はなんだ? まるでルナリアのように、あの女性の周りが光り輝いているのは、どういうことだ?)
俺は混乱して、その場を動けずにいた。
「こんにちは」
そんな俺をよそに、デューカスは店員に声をかけた。
「あっ。これは領主のご子息様。ようこそお越しくださいました」
若い女性店員が丁寧に挨拶すると、隣にいた彼女より少し年配の女性店員も慌てて倣って挨拶をする。
「今日は、僕の友人を連れてきているんだ。昨日、ここの商品を見せたら気に入ったらしくてね。ジアス、こちらに来てよく見せてもらってはどうですか?」
自分を呼ぶデューカスの声にハッとして、俺は慌てて店の前まで行った。
改めて一人の女性店員を見る。やはり、その女性の周りは神々しいほど輝いており、並べられている商品も光っている。
眩しくて目を細めながらも、しっかりとその女性を見ながら話しかけた。
「ここの商品は、見たことのない飾り方や植え方がされているな。このアイデアは誰が?」
その女性店員は目を見開いていたが、ハッとしたように答えた。
「わたくしでございます」
「いい商品ばかりだ。このような物は、帝都でも見たことがない。俺も何か買っていこう」
その言葉に、その女性店員はやや引きつった笑顔でお礼を言う。
俺は、匂い袋とリース、そして小さなブーケを選んだ。
「ありがとうございます」
笑顔でお礼を言いながら商品を渡してきたその女性店員に、俺はその内の小さなブーケを差し出した。
「お前にやろう。今日の礼だ」
その店員は、びっくりした表情になる。
「お礼を言われるようなことは、何もしておりませんが?」
「いや、いい物を見せてもらった礼だ」
俺はそれだけ言って、ブーケをその女性店員に押し付けるように渡した後、その場を後にした。
◇◇◇◇
デューカス様一行が帰った後の花屋では――
「まぁ、素敵! あの方、ルナちゃんに一目惚れでもしたのかしら」
呑気にポルカさんがそう言っているが、私はそれどころではない。
(あれは間違いなくルイジアス皇太子殿下よね⁉ なぜこんな所にいるの⁉ ブーケを差し出してきた時は返品かと思ったけれど、そうじゃなかった。え? 気付いた? いや、まさかね⁉)
今の私は髪色を変え、眼鏡をかけて、そばかすをいっぱい描き、地味な化粧をしている。よく知っている人でも、一目では見抜けないはずだ。
「ポルカさん、この変装、分かりやすいですか?」
それでも私は不安になってポルカさんに尋ねる。
「え? いいえ、今のルナちゃんは、本当の姿からは信じられないほど別人になっているわよ?」
ポルカさんのその言葉で不安が和らいだ。
何度も顔を合わせたらぼろが出るかもしれないが、もうそうそう会うこともないだろう。
気を取り直して、販売を続けた。
◇◇◇◇
その日の祭りも無事終了し、残す所はあと一日。
「ルナちゃん、二日間お疲れ様。ルナちゃんは、この町の祭りは初めてでしょ。だから明日は、店はいいから祭りを見に行ってくれば?」
明日の商品を確認しているところに、ポルカさんがそう提案してくれた。
「え? でも……」
「いいのよ。アンナも昨日で満足したし、この商品たちの売り方も今日でバッチリ掴めたから、明日は私だけで大丈夫。だから、ルナちゃんは楽しんでらっしゃいな。色んな所を見て回るのは、楽しいわよ?」
ポルカさんがそう言ってくれたので、明日は祭りを見て回ることを楽しみに、残りの仕事を片付ける。
仕事が終わって部屋に戻った私に、すぐに精霊たちは労いの言葉をかけてくれた。
『ルナ~今日もお疲れ様~』
『今日もいっぱい売れたねぇ』
『ルナが作ったものは特別だから、皆喜んでくれてるね~』
精霊たちは、今日も元気に私の周りを飛んでいる。
しかし、今日は本当に驚いた。
まさか、この町で、ルイジアス殿下にお会いするとは。
私の完璧な変装で気付いてはいなかったようだけれど、女性にブーケをプレゼントするなんて、あの方は昔からやることがキザなんだから。
私が昔の思い出に思いを馳せていると、
『あの皇子、昔から見てくるよね~』
『ほんとほんと。いつもジロジロ見てくる』
『え~、本当に見えてるのかなぁ』
などと、精霊たちが話している。
「何をジロジロ見てくるの?」
『う~ん、ちょっと分からないんだよね~』
『うんうん、分からない』
『ルナを見てるのか、僕らを見てるのか……』
精霊たちは口々に話すが、彼らも分からないらしい。
またか……と、私は精霊たちの話は聞き流すことにした。
◇◇◇◇
「……デューカス、魔物の森に行く捜索隊のことだが」
祭りの視察を終え、アーガスト領の屋敷に戻った僕とルイジアス殿下は、屋敷の客室で、城から持ってきた書類仕事をしていた。
花屋から戻ってきてからのルイジアス殿下は、どこかボーッとしていたり、考えこんだりしていたので、殿下が書類に目を落とした時はやっと仕事をしてくれるのかと思ったが、どうやら違ったようだ。
「今も募集をかけているところです」
がっかりしながら、僕は返答した。
「いや。募集は打ち切っていい。魔物の森に行くのもやめにする」
「え! 本当にいいのですか⁉」
あれほど、自らルナリア様を捜すと頑なだったルイジアス殿下の豹変ぶりに、驚きを隠せない。
「ああ。中止にする。帰ったら隣国のシュナイダー公爵にも、手紙を送る」
何が起こったのか分からない僕は、
「まさか! あの花屋の店員に、一目惚れしたとか⁉」
と、叫んでしまった。
「ふはっ! そうかもな。何度でも一目惚れするんだろうな」
ルイジアス殿下は笑いながらそう言って、手元の書類に目を通しはじめた。
「……嘘だろ?」
僕が唖然としてしまったのも、無理はないと思う。
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────翌日。
ポルカさんに見送られ、私は町を見回っていた。祭り中とあって、あちらこちらで催しが開かれており、気も漫ろになる。
『ルナ~お祭りって、賑やかだねぇ』
『皆楽しそうだ~』
一緒に付いてきている精霊たちも、あちこちに飛んで見て回っている。それを見るだけで楽しい気持ちになる。
「そういえば、国外追放になってから、全然気が休まる時がなかったものね。今日は一緒に楽しもうね」
精霊たちに、そう声をかけると、
『『『『『『楽しもう~!』』』』』』
と、皆一斉に元気よく返事をした。
どこの店も見応えがあり、明るい気分になる。
国外追放になってから今日まで、本当に目まぐるしい毎日だった。
「ああ、こんなに楽しい祭り、家族皆で来たかったな……ルアンとルディックは元気にしてるかな? 特にルディックはまだ幼いから、皆を困らせてないといいんだけれど……」
二人の弟たちを思い出し、父や母にも迷惑をかけてしまったと、申し訳ない気持ちになる。
しんみりした気分になってしまった私に、精霊たちはいろいろと話しかけてきてくれた。
『ほら、ルナ~あそこの果物、美味しそう~』
『皆あそこで踊っているよ~。楽しそう!』
『ルナも町の美人コンテストに出なよ~。ルナなら一位だよね~』
楽しそうな精霊たちに癒されて、私は今を楽しむことにした。
気分よくゆっくりと見て回っていると、お腹が空いてきた。
何か食べようかと思った時、タイミングよくいろいろな果物や野菜が山のように積まれている店を見つける。
あちらこちらの店も、野菜や果物を豊富に使った料理が目についた。
「すごい! この国はすごく食べ物に恵まれているのね」
驚きのあまり声に出してしまうと、それを聞いていた店の人が笑いながら教えてくれた。
「いや~、こんなに豊作なのは、今年が初めてだよ。今までは、こんなにはできなかったんだ。嬉しい悲鳴だよ」
精霊たちはそれを聞いて、またいつものように口々に話しだした。
『そりゃ、僕たちがこっちに来たからね』
『そうそう、精霊たちは皆、ルナに付いてきちゃったからね~』
『精霊王様があの国に怒ってるしね~』
ん? 今、聞きなれない単語を耳にしたような?
「ねぇ、精霊王様って、何?」
『『『『『『僕らの王様~』』』』』』
精霊たちは無邪気に答える。
「なんで、精霊王様は、怒ってるの?」
それに、あの国ってどこのこと?
まさかロックウェル王国のことじゃないよね?
『そりゃ、ルナにひどいことしたから』
『ルナリアを追放する国はいらないって、精霊王様が言ってた』
『そうそう、ルナのこと、精霊王様は大好きだもんね~』
いやいや、その情報、初耳なんですけど?
ていうか、精霊王様になんて会ったこともないのに、なんで気に入られているの?
「え~っと、精霊王様は、なぜわたくしを気に入ってくれているの?」
その質問に精霊たちは一斉に、
『『『『『『『ひみつ~』』』』』』』
と、言って笑っている。
その後、なんとか精霊たちから話を聞くと、私が住んでいたロックウェル王国は、精霊たちの力で自然の恵みが維持されていて、王国の人は精霊たちに感謝を捧げなければならなかったんだとか。
でも、いつしか皆精霊たちが見えなくなり、精霊王や精霊たちは、あの国に居続ける意味を失っていたらしい。
そんな時に、私が生まれた。
精霊王がやっと精霊が見える人間が生まれたと喜んだことで、精霊たちはそれからずっと私の傍にいて見守ってきたのだという。
なんか、今まで見えてなくて、ごめんなさい。
いや、でもなんで私? 自慢じゃないけど、私、乙女ゲームの悪役令嬢なんですけど。
普通は主人公がこのポジションだよね?
「本当にわたくしでいいの?」
今更だけど、間違ってない?
ドキドキしながら精霊たちに聞くと、
『ルナがいいの~』
『ルナ以外はダメなの~』
『ルナが好き~』
精霊たちは笑顔でそう返してくれた。
◇◇◇◇
「そこの君、待って!」
祭りを大方見て回り、そろそろ帰ろうかと思っていた時、突然声をかけられた。振り向くと、そこにはルイジアス殿下が立っていた。
えっ! なぜここに? しかもお一人なの?
今日はデューカス様は付いておらず、なぜか少し息が上がっている。
「えっと……昨日、うちの店でお会いした方ですよね?」
私はルイジアス殿下だと気付いていないふりをしてそう言った。
「ああ、突然声をかけてすまない。祭りはもう見て回ったのか?」
殿下が尋ねてきたので、私は頷いた。
「そうか……もしよければ、もう少しだけ見て回らないか? できれば俺と一緒に」
その言葉に驚く。
えっ、ルナリアだと気付いてないよね? なんで、ただの花屋の店員である私と?
驚きのあまり、返事ができないでいると、
「自己紹介もせずに申し訳ない。俺はジアスという。ここの領主の嫡男であるデューカスに誘われて、祭りを見に帝都から来たのだ。明日には帰らないといけないのだが、残念ながら今日デューカスは手が離せなくてね。だから一人で来たのだけれど、どこを見て回ればいいか分からないんだ。できれば案内してもらえたら嬉しい」
と、言ってきた。
(ああ、お忍びで来られたのね。名前も微妙に変えているし。明日には帰られるのなら、少しくらい一緒にいても大丈夫かな?)
そう思った私は、案内役を引き受けることにした。
「分かりました。ここの祭りに参加するのは今回が初めてですが、ご一緒させてください。ルナとお呼びください」
名前を告げると、殿下が小声で何かを呟いたけど、私には聞こえなかった。
その後、殿下と店を見て回った。
少し疲れたな、と感じた時、近くの木陰の下にあるベンチで待つよう言われた。
そこで座って待っていると、
「おまたせ」
と、殿下が果実水とパンの揚げ菓子を持って戻ってくる。
「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたんです」
そうお礼を言うと、嬉しそうに笑って手渡してくれた。
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